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災害に強いエコなまちづくりに向け、県環境保健研究センター(盛岡市)や石村工業(釜石市、石村真一代表取締役)など県内研究機関と地元企業は共同で、木質バイオマスストーブを熱源にスターリングエンジン(SE)で発電するシステムを開発した。23日から釜石市で照明点灯試験を行う。燃料に震災がれきを使う構想もあり、発電と暖房、給湯機能も備えた地域発の技術でエネルギーを自給し、施設園芸など産業利用にもつなげる考えだ。
SEの冷却水を利用した給湯機能も備え、電力や燃料を自給し、暖房のほか通信機器や冷蔵設備の稼働、照明、調理など災害への備えとして多用途に使うことができる。
同センターと両社のほか、SEの活用を研究してきた一関市の一関高専、矢巾町の県立産業技術短大が共同開発した。釜石市鈴子町の公園で23~25日にイルミネーションの点灯試験を行い、来年1月に同市内の公共施設に設置する予定だ。
スターリングエンジン(SE) シリンダー外部から熱を加えることでシリンダー内の気体を膨張・収縮させ、ピストンを動かす機関。ガソリンなどを燃やして動くエンジンと異なり、多様な熱源で稼働させるため、余熱や廃熱を活用することができる。エンジン内部で爆発(燃料の燃焼)を伴わないため、排ガス中の大気汚染物質が少ないのも特長。
【写真=本県の技術を集め開発した木質バイオマス発電システム。木質バイオマスストーブ(左側の黒い部分)とスターリン
(2011/12/22 「岩手日報」より転載)