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言わなければならない事は言わないと前には進まない

生活する中において言わなければならない事や、他の記事で共感したことなどを中心に。今その時の思いを表す。

俄かに信じられ無い記事

2016-01-14 23:26:42 | 言いたいことは何だ

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気になったのでシェアしました。

「マスコミが、芸能ネタなりスキャンダル事件を連日連夜、執拗に報道している時は注意しなさい。国民に知られたくない事が必ず裏で起きている。そういう時こそ、新聞の隅から隅まで目を凝らし小さな小さな記事の中から真実を探り出しなさい。」
竹村健一

疑惑の記事です。。。

日本はいつからTPP全面肯定になったんだろうか

2016-01-14 22:45:22 | 言いたいことは何だ

2016-01-14




日本はいつからTPP全面肯定になったんだろうか…




ひとさまのtweetから…

http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mzponta/20151006/20151006125444.gif

スゲーなNHK。 消費者の声は3人が3人とも「TPPええんちゃう?」「嬉しいわ」ですってよ。



みなさんね、ここで、このTPPなるものが政治課題としてあがってきたときからの経緯を

思い返して頂きたいんですけど、確か最初のうちは

「TPPのここが問題」というような取り上げ方(=TPPへの懐疑あるいは批判)をしてるニュースや

ワイドショーがけっこうあったでしょ

で、そのときは「TPPはええことばっかりやない」という認識が浸透してて

それゆえ、TPP交渉入りを無条件に歓迎するような雰囲気はなかったはず…なんです

(それどころか、TPP交渉入りは「自民党の公約違反だ!」という批判もありましたしね)


ところが…

いつのまにか、メディアのTPP(交渉)の報じ方が変化してきて

なんだか「TPP交渉がまとまらないで難航してるのは残念で困ったことで」…というような伝え方になり

それにあわせて、「TPPのここが問題」ということはほとんど取り上げてくれなくなったんでした


でも、考えてみれば、「TPPのここが問題」というネタで取り上げられていた懸念事項が

その後に解消したわけでもないのに、なぜにそういうネタが取り上げられなくなり

しまいには冒頭に挙げたNHKニュースのように「TPPの大筋合意を大歓迎する」ということが

さも自明であるかのような伝え方になってもうたんでしょうか


TPPって、なんか「たくさんの国が入って貿易やサービスなど広範な国際間ルールを相談して決めてる」…

というような印象をもってる人が多いかも知れませんけど、端的にTPPとは↓
Reading:米大統領 米主導の貿易ルール作り実現できる NHKニュース http://nhk.jp/N4La4IuQ  これはつまり、日本は米国のカモということなんですが、よくまあこんな見出しをつけられますね。オバマ大統領がいったこととはいえ、です。(←ひとさまのtweetより)



NHKが正直に「アメリカ主導のルール作りである」ということを報じてるような代物に過ぎないところ

国際間のルールが特定の国主導…それは、その特定の国の利益が最大限確保される結果になるのはミエミエであり

それは同時に、その他の国の不利益に直結する話になる可能性が高い…にもかかわらず

日本は「アメリカ主導のルール作りであるTPP」を、

いつのまにか無条件に肯定し歓迎してる…って、こんな奇っ怪な話がありますか?


そういえば先日、防衛大臣の中谷くんが

「アメリカが核兵器搭載可能な爆撃機をわざわざ朝鮮半島に飛ばす」という極めて挑発的な行為

(=ゆえにそれは相手方から見て脅威となる行為)をした際に

「アメリカ軍の行動を支持する」と言うてはったんですけど、

結局、日本ってアメリカがやることにすべて従いそれを受け入れ歓迎し支持する…ということを

敗戦後延々と繰り返してるような気がして、ぼくはそんな国が

戦争法という「アメリカ軍協力法」をつくってしまったことに

今さらながら寒くなってしまうのでありました…

(もちろん、アメリカ主導のルールが書かれるでろうTPPにも強烈な寒さを感じてるで~)




※付録その1

ぼくも忘れかけてたTPPの問題点を再確認できるページをいくつか紹介しておきます

TPPの毒素条項=ISD条項 ラチェット規定 NVC条項 スナップバック条項
 なのに安倍首相が3月13日に参加表明」

TPPと規制緩和を問い直す

TPP:国際保健を揺るがす条項に反対を――MSF、安倍首相あてに公開書簡



※付録その2

TPPって、なんだか農林水産業従事者は損するかも知れへんけど、

それ以外の人は物価が下がって得するんとちゃう?…という受け止め方をしてはる人が

特に都市部の人に多いと思います

けど、TPPなるものができたとして、果たして物価が下がってくれるのか…について

報じる新聞記事の抜粋です↓
<TPP大筋合意>消費者「安い方がいい」 価格影響不透明 (毎日新聞 2015.10.6)

 ~小売り側。「消費者は値下げを期待するだろうが、現時点で価格の動向を予測するのは難しい」。首都圏のスーパーマーケットチェーンの広報担当者はそう話す。肉の価格には、その時々の為替や市場の相場の変動が大きく影響する。「関税部分の影響は相場変動に比べれば、ほぼないに等しい程度」なのだという。

 国産牛のうち黒毛和牛などのブランド牛は、今後海外での評価が上がれば、むしろ価格が上昇する可能性もあるという。

 マグロなどの水産物も、元々低い関税だったことから「短期的には店頭価格への影響はないだろう」と話し~別の首都圏のスーパーマーケットチェーンの担当者も「消費者にとって、どういう形で影響するか、今はまだ不透明」と話した。



では、上記の記事で「(TPPができても)短期的には店頭価格への影響はないだろう」と言われた、

マグロなどの水産物の現在の関税はと言うと…↓
水産物輸入、大半無関税に クロマグロやサケ TPP交渉(朝日:2015年7月31日)

■主な水産物の関税率と輸入先(TPP参加国)

 関税率/主な輸入先

<マグロ類> 

 3.5%/メキシコ、豪州 

<サケ・マス>

 3.5%/チリ、米国、カナダ 

<タイ>

 2.0%/ニュージーランド


…というように、既にほとんどが5%未満の低関税になってるので、下がったとしても知れてる…し

上記で引用した記事にも…
 環太平洋経済連携協定(TPP)交渉で、日本はクロマグロやサケ・マスなどにかかっている水産物の輸入関税の大部分について、撤廃する方針を固めた。参加12カ国には米国や豪州など漁業大国が多く、撤廃に応じる必要があると判断した。関税がなくなれば、国内の店頭価格も安くなる可能性がある。~ただ、水産物の関税率は10%以下が多く、関税がなくなっても店頭価格が必ず下がるとは限らない。「漁船の燃料代上昇や、為替の影響があれば相殺される」(水産庁幹部)からだ。輸入水産物が値下がりすれば、国内の漁業は打撃を受ける可能性もある。


…としっかり書いてありますので、TPP実現による下げ幅は

為替の変動や燃料費の変動によって帳消しになるくらいのレベルである…ということです


さらに、今頃になって「そんなコトになっとんたんかい!」という話も紹介されてて…↓
 一方、日米の関税交渉で、米国が日本から輸入する自動車の関税(乗用車2・5%、トラック25%)は、撤廃に少なくとも20年程度かかる見通しとなった。日本は2013年にTPP交渉に遅れて参加する際、米国の自動車関税は「TPPで最も長い撤廃期間を適用する」ことで合意していた。自動車部品の関税(2・5%)は、品目の大半を10年以内に撤廃する方向だ。~



「後からTPP交渉に参加することそれ自体が大きなリスク(=損)を伴う」という従来からの指摘が

しっかり証明されているところであります


…と言いつつ、日本からの自動車輸出はすでに関税2.5%(乗用車)という低関税であるところ、

それを「TPPで最も長い撤廃期間を適用」してゼロにしてもらうために

日本が放棄するもの(→例えば、農林水産などの第一次産業の犠牲)がいかに大きいのか…を考えると

今でも十分過ぎるくらい儲けてるトヨタ(をはじめとする自動車メーカー)をさらに儲けさせるために

農林水産業を犠牲にする…というのは、どない考えても平衡感覚がなさ過ぎる…と、ぼくは思います

(それに、TPPは農林水産業だけが犠牲になるわけではなく、実は日本の消費者の利益まで差し出す…って
 話になるのが確実やしね…って、こんなん「踏んだり蹴ったり」やんけ!)



※付録3

アメリカ主導のルールづくりでは「アメリカが一番得する」ことになるのはミエミエであります

(そやかて、誰が自分が損する仕組みを主導しますかいな…)

では、日本を含め、ルールづくりを主導できないアメリカ以外の国が、「アメリカ主導のルール」によって

どんな損をするのか…について書いてる記事を紹介しておきます
(TPPを歩く:上)「年1600億円失う」の衝撃 マレーシア (朝日 2014年11月11日)

 環太平洋経済連携協定(TPP)交渉は、10日に北京で開かれた首脳会合で実質合意できず、目標時期さえ決められなかった。なぜ、うまくいかないのか。交渉の「漂流」も現実味を帯びる中、参加する国々を歩いて考えた。

 今年7月下旬、マレーシアの首都クアラルンプール。マレー人の企業家らでつくる「マレー人経済行動委員会」のニザム・マシャル会長が、米国のフロマン通商代表部(USTR)代表と向きあった。

 「TPPに入ると、マレーシアのどの産業にどういった恩恵があるのですか」

 ニザム氏が切り出した。2010年にマレーシアが交渉に加わって以来、何度も政府に尋ねた質問だが、納得できる答えが返ってきたためしはなかった。12カ国の交渉を主導する米国の責任者に、ぜひ聞いておきたかった。

 フロマン氏は、TPPのおかげで、マレーシアの輸出額は25年までに417億ドル(4・8兆円)増えるとした米研究所の試算を披露した。だが、ニザム氏は納得しない。聞きたいのは、どの産業が具体的な恩恵を受けるのか、だ。

 改めて同じ質問を投げかけた。すると、フロマン氏はこんな言葉を言った。

 「テキスタイル(繊維)」

 耳を疑った。

 繊維といえば、同じTPP交渉国で隣国ベトナムが巨大シェアを持つ輸出品じゃないか。マレーシアでは輸出の1・4%に過ぎず、ベトナムに生産拠点を移す企業も出ているほどだ。

 輸出でもうけるには、付加価値の高い工業製品の輸出を増やす必要がある。だが、この分野の米国の関税は既に十分低い。国内市場の開放など、TPP加入で払う代償に見合うとは思えなかった。「結局、米国は自国の要求をのませたいだけで、各国の事情に興味なんてないんだ」。そう思って、ニザム氏は肩を落とした。

 それから3カ月がたった10月下旬。マレーシアに、衝撃が走った。

 「TPP加入でマレーシアは輸入が増え毎年14億ドル(約1597億円)を失う」

 国連貿易開発会議(UNCTAD)が公表した、TPPによる関税引き下げの貿易収支への影響を分析したリポートは、フロマン氏が持ち出した試算とは正反対の結論を導き出した。

 リポートは、TPP加入で輸出が15億ドル(1711億円)増えるが、輸入はその2倍の30億ドル(3423億円)増とした。この差額が毎年、国外に流出する

 輸入増の内訳は、自動車6億ドル(684億円)、鉄鋼5億ドル(570億円)、マレーシアの輸出の3割を占める電気機械1億ドル(114億円)。自動車と鉄鋼の増加分の9割以上は日本から、電気機械は6割が米国から来る計算だ。

 リポートは、輸入品との競合に負け、雇用が大きく失われるとも指摘した。

 ニザム氏はすぐに複数のマレーシアのメディア向けに公開書簡を作った。「マレーシアに何の利益ももたらさないTPP交渉に、貴重な労力と時間を費やしている。この厳しい現実に、ナジブ首相はそろそろ気づいていいころだ」~



国連貿易開発会議(UNCTAD)という、アメリカよりは客観的な(≒正直な)試算をしてくれる機関の分析だと

マレーシアはTPPによって「得する分の倍の損をする」ということになってるようです…

では次…
(TPPを歩く:中)国家脅かす賠償請求 豪州 (朝日 2014年11月12日)

 ~多国籍企業が、進出先の政府の法律や制度のせいで、期待する利益を上げられないとき、相手国政府を訴えられるしくみを「投資家対国家間の紛争解決(ISDS)条項」と呼ぶ。

 今、12カ国で進む環太平洋経済連携協定(TPP)交渉でも、ISDSを協定に盛り込むことを米国が求める一方、交渉参加国には「企業が訴えを乱発する」「公益のための規制が難しくなる」と反発が強い。

 ■米大手、たばこ規制に反発

 ~オーストラリアは05年に米国と結んだ二国間自由貿易協定(FTA)の中に、ISDSを盛り込むことに最後まで反対し、押し切った。TPPでも慎重論を唱えているとみられる。シドニー大のパトリシア・ラナルド主任研究員は「国民的な議論が巻き起こった。国民の生命や健康に関わる問題は、議会で決められるべきで、TPP秘密交渉で決められるべきじゃない。これは国家主権の問題だ」。~

 ■ISDS、米政府は無敗

 ~企業が国を訴えるISDSは、米国、カナダ、メキシコが1994年に結んだ北米自由貿易協定(NAFTA)で初めて導入された。米国企業が29件、カナダ企業が15件、メキシコ企業が1件、それぞれ提訴。このうち勝訴したのは米国企業だけで、カナダ政府に2勝、メキシコ政府に5勝した。米政府は無敗で米企業の強さが際だつ

 ~賠償額は年々高額化している。カナダ政府を訴えたある米国の製薬会社の請求額は「1億ドル(約115億円)」と報じられた。米市民団体「パブリック・シチズン」によると、米国企業は有害物の排出禁止や核エネルギーの段階的廃止、たばこ規制、有害食品の輸入規制などを訴え、これまでに4億ドル(約463億円)以上の賠償を相手国から引き出している。~



この「ISDS条項」というのは、早くからTPPにもられた「毒薬」であるとの指摘がありますが

それがなぜに「毒薬」かと言えば、この条項に基づく紛争で「アメリカ政府が無敗」であるから…でありまして

これほど端的にTPPの「不平等条約性」を物語る客観的証拠はないと思います

(だって、ISDS条項に基づく紛争を審議する「国際機関」って、
 ほとんどすべてが「アメリカ政府の息のかかった組織」だから、こうなるのも当たり前って話ですわ…)


ほな、次…
(TPPを歩く:下)大国で「聖域」決めるな ニュージーランド(朝日:2014年11月13日)

 ■なくしたい、乳製品の関税

 ~NZは日本の4分の3の面積を持つが、人口はわずか3%強の450万人。広大な土地は良質な牧草地で、えさ代が安くあがる放牧が盛んだ。人工飼料を多く食べさせる日本の酪農と比べ、生産コストは4分の1。これが、世界一とされる乳製品の競争力の源泉だ。

~TPP交渉国のうち、乳製品への関税が全品目の中で最も高いのは、カナダ(246・8%)、日本(178・5%)、米国(19・1%)。2年前、キー首相は、巨大市場の米国を念頭に「NZの最大の輸出品の乳製品を除外するなら、TPPにサインすることはない」と発言。先月もグローサー貿易相が地元メディアに「日米が2国間交渉で、世界最大の乳製品製造国のNZ抜きで、乳製品の扱いについて合意することは許されない」と警戒感をあらわにした。~

 ■守りたい、自国の薬価抑制

 (乳製品について)関税撤廃を強く求めるNZにも「聖域」がある。

 ~今年5月、医療関係者270人が署名した公開書簡がキー首相に送られた。「TPPが多国籍製薬会社に与える特許と独占は、NZの薬価を高騰させ、健康へのコストを増大させる」~

 ■医薬品の特許、延長案に反発

 交渉では、新薬を作り出す世界的な製薬会社を持つ米国や日本が、医薬品の特許の延長に熱心だとされるが、こうした企業が少ないNZや途上国は反発している。特許延長が認められてジェネリックの市場投入が遅れれば、高価な新薬を長期間にわたって買わざるを得なくなるからだ。

 ~がん治療の分野では、バイオ生物学的な最先端の医薬品が次々に登場している。TPP交渉では、こうした最先端の医薬品の特許延長のほか、ジェネリックの製造に必要な治験データを、開発した製薬会社が一定期間開示しなくていいとする案も出ているという。「病気をしないロボットのような体を手に入れないと、こんな金のかかるシステムでは生きていけない」~



ニュージーランドでは、「関税撤廃の聖域」(=関税を撤廃しなくてもよい分野)を

(アメリカなどの)大国だけで決めるのは不公平だ…という、

交渉のやり方そのものに対する批判が起こってるようです

そして、アメリカがTPPで重視する「医療分野」においては

「医薬品の特許の延長」がアメリカによって強く主張されてるようですけど

こんなことが通ってしまえば、日本も無関係…というわけにはいきません

(だから、都市住民はTPPで得するだけ…って話ではないのよね)


ちなみに、記事では日本もアメリカと同様に、国内に新薬を開発する世界的な製薬企業をもつ国…として

紹介されてますが、「国全体の損得」、すなわち、「特定製薬企業の利益」と「消費者の不利益」を考えれば

後者の方が圧倒的に大きいことになる…というのは、これまたミエミエでありましょう



※最後の付録で…

今一度、自民党の選挙ポスターを再確認しておきましょう

http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mzponta/20151006/20151006125832.jpg


そして、この件について誰もツッコんでくれないトホホな官邸記者についての記事がこちら↓

安保法に続きTPPでも…安倍首相の“応援団”と化した官邸記者


…ということで、自分でも読み返すのが億劫になるような長いエントリーは、ようやくお終いです
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農林中金いらない…小泉進次郎氏、融資姿勢批判:BIGLOBEニュースより

2016-01-14 12:52:31 | 言いたいことは何だ

農林中金いらない…小泉進次郎氏、融資姿勢批判



読売新聞1月14日(木)8時9分自民党の小泉進次郎・農林部会長は13日、農林中央金庫について「(貸出金残高のうち)農業の融資に回っているのは0.1%だ。だとしたら、農林中金はいらない」と述べ、融資姿勢を批判した。茨城県で肥料や農薬の流通現場を視察した後、記者団に述べた。[ 記事全文 ]
**********************
 農協の自己改革が進まないからか。政治家の自己改革はどうだ。事件・事故があっても改革は自己都合優先。
 「JAバンク」は金融庁も絡むとすれば、農家経営がどうなろうと、不良債権処理をしなければ、「JAバンク」などとは言ってられないから、経営不安定な農業への融資などしないことにしているのではないか。
 


言論の公的領域が狭まると『北朝鮮』になる」安保法案・小林よしのり氏に聞く(下)

2016-01-14 11:54:13 | 言いたいことは何だ
言論の公的領域が狭まると『北朝鮮』になる」安保法案・小林よしのり氏に聞く(下)
 
安倍独裁体制ができあがった
ーーなぜ今回のようなことが起きたのか。
ひとつには小選挙区制がある。郵政民営化選挙の時、異論を唱えた議員を公認しないで、「刺客」を送り込んで落選させるということをやった。今の議員には、官邸からにらまれたら生き残っていけないという恐怖感がある。
若手議員も、とにかく、安倍総理にどうやったら気に入ってもらえるかということだけになってしまって、なんとか安倍総理の覚えめでたき人間になれるかっていうことばっかりになってしまう。
すっかり安倍独裁体制ができあがってしまっているんです。
自民党の中も、全体主義になってしまって、異論を受けつけない。本当に良い法案を作りたいなら、百田尚樹を呼ぶんじゃなくて、安保法制反対派のワシを勉強会に呼んで、議論すればいいわけでしょ。
ワシの出席する勉強会に安保法制に賛成の人間がたくさん参加して、ワシに次から次へと議論で襲い掛かってくればいいんじゃないの。そしたら、ワシはひとりでも応対してあげるから。
民主主義の根幹は、議論だから。もし議論を封じてしまったら、もう民主主義は成り立たない。
安倍首相は今回、テレビではなくて、自民党が運営しているニコニコのチャンネルで、安保法制の説明をやった。首相が出演して、視聴者数が1万とちょっとくらいしか行かなかったっていうんだから、みじめなもんですよね。
安倍首相は、テレビが呼んでくれないっていうんだけど、嘘だと思う。テレビだって、安倍首相が「きちんと説明したいから出してくれ」っていったら、出演させると思う。
でも、安倍首相は、テレビに出たら反論されるから、それが嫌なんだよ。誰にも妨害されず、議論なしに言いたい放題言える、そういうところでしかやりたくないんだろうね。
「朝まで生テレビ」にも、自分の子飼いの議員を出さないでしょ。出ていって堂々と議論すればいいのに出てこない。議論をまったくしたくない。それが今の自民党の体質。民主主義を放棄した状態なんですよ。
国民に権利があり、権力者には義務がある
――問題になった「言論の自由」をどう考えればいいのか。
言論の自由というのは、国民の側からとってみたら権利です。我々には行使する権利があって、権力者の側はそれを守る義務があります。だから、言論の自由を阻害することはできない。それなのに自民党の議員は何も分かってない。
「国民の言論の自由をなくせ」と言っているわけだから。それはもう無茶苦茶だよ。権力者が言ったら絶対ダメな言葉だよね。
百田の「沖縄の2紙は潰してもいいんだ」発言もそうだよ。あれは権力の中で言って、焚き付けているんだから。「権力者よ、言論の自由を許すんじゃないぞ」と言って、バカな権力者が「そうだそうだ」と言っている。
だから、百田にだって言論の自由はあるけど、言論の自由は「批判されない権利」ではない。あんな発言は擁護できないよ。
産経新聞は新聞の役割を分かっていない
――メディアの役割についてどうとらえているのか。
朝日新聞だって、沖縄の新聞だって、たしかに左翼的ですよ。そりゃあね。ワシだって何度も煮え湯を飲まされたというか、腹立たしい思いはしたよ。けれども、なくなったら困るわけ。沖縄の新聞だって同様よ。
結局、言論の公的な領域が広ければ広いほどいいんですよ。そういうデタラメな意見も含めて、ある意味、広ければ広いほどいい。狭くなっていくと、北朝鮮や中国になる。公的領域をどれくらい広げておくかということが大切で、いざという時はそれが力になることがあるんだよ。
東京新聞とか、ほんとに極左だなと思うんだけど、記事の中に、週刊文春も週刊新潮も安倍批判に舵を切ったとかいう分析が載っていたり、中川淳一郎のネット分析があったりするから、ワシも面白くて読んでしまう。原発の問題とか一番手厳しいから、ものすごく快感を覚えるし、やっぱり、合意できるところもあるんだよ。
むしろ腹立つのは産経新聞で、本当にこいつら新聞の役割を全然わかってない。権力に追従するふざけた奴らだ。「自民党の広報誌」とちゃんと書けよと言いたくなるようなひどい新聞。だから、今の状態だったら、「産経新聞、つぶしてしまえ」と言いたくなるよ。でも、それは言えない。産経新聞も必要だからしょうがないわけですよ。公的領域はなるべく広く持っておかないといけない。
対立する主張を一生懸命に読む
――自身の意見と異なるメディアにも触れているのか。
むしろワシの主張と対立する主張を一生懸命に読むんですよ。説得されちゃうような何かがあるのだろうかと。なんで、それにみんなが共感しているのかと、一生懸命読むのよ。そうすると、「ここ違う。嘘言ってるじゃん」となるわけです。
中には、説得されちゃうものもあるんですよ。ぜんぜん違うと思っていても、読むと「うーん、やっぱり、こりゃあ、ワシの考え方、間違っていたのかな」と思うものもあるんですよ。
例えば、以前はほんとにゲイとかレズとかも全て嫌いだと思っていて、同性婚も許したらダメだと思ってたけど、最近はその考えが変わってきた。財産を相続できないとか、病院で面会させてくれないとか、確かにこれは不都合ありそうだなと。
慰安婦問題でも、昔は慰安婦を「奴隷」というのはおかしいと思っていたけど、明治時代の政治家の中にも、奴隷扱いされていた娼婦を解放しようとする動きがあったりとか、そういう過去を学ぶと、「問題ない」とは言えないという気持ちも芽生えた。
共同体が崩壊して、誰からも教わらなくなった
——やはり異なる意見に触れることが大切だということか。
右も左もそうだよ。左も左で、自分がこのポジションだと決めたら、自分のポジションに利する言論しか耳に入ってこないんだよ 。相手はなぜそう主張しているのかを考えることができなくなる。ものを考える事よりも、自分のポジションでものを言う事に正義を感じてしまうわけ。
プライドがやっぱりあるんだろうね。意見を変えたら、自分のアイデンティティが崩壊すると思ってるんじゃないの。でも気がついたら意見を変えてもいいんだよ。
右の側も、歴史を知らなくて、バランス感覚がない。だから全然保守じゃない。勉強しなきゃいけないんだけれども、彼らは勉強してない。
これまでは、共同体が存続していたので、自分のおじいちゃんやおばあちゃんを通じて、ご先祖様の考え方がずっとつながっていたんです。けれども今はそういうものが断絶しちゃった。しかも近所、あるいは会社、地域すべての共同体が崩壊したから、まったく個人として取り残されている。誰からも教わってないのよ。
そうするとまったくの個として、砂粒の個が放り出されているだけの状態になってしまう。ある意味、振る舞いみたいなものを見せる先輩がいないわけ。そこにネットの情報だけが入ってきて、それが勉強ということになってしまっているんでしょう。
 

自民党議員は『保守』ではなく『ネトウヨ』」安保法案・小林よしのり氏に聞く(上)

2016-01-14 11:50:20 | 言いたいことは何だ
自民党議員は『保守』ではなく『ネトウヨ』」安保法案・小林よしのり氏に聞く(上)

与党が715日にも、衆議院の特別委員会で採決する構えをみせている安全保障関連法案。この法案をめぐっては、多くの憲法学者が「憲法違反だ」と声をあげるなど、反対論が根強い。安保法案をめぐる政治の動向をどうみればいいのか。安保法案に異をとなえる漫画家の小林よしのり氏に聞いた。
安保法案は「従米法案」
ーー安保法案について、どう考えているのか。
ワシはそもそも改憲派で、いまの「自称保守」の連中よりタカ派だと思ってる。けれども、今の安保法案には反対しないといけない。それは、あの法案がひとえに「アメリカ」を向いているから。
政府があの法案を通したい理由は、「夏までにこの法案を通す」ってアメリカに約束したからです。あの法案を一番正確に言い表す言葉は「従米法案」。
戦争法案っていう表現は、的確ではない。これは、アメリカについてくためだけの法案だから「従米法案」で、だからダメだってワシは言ってる。
こんな法案に賛成するやつのどこが保守ですか。屈辱ですよ。ワシは別に左翼になったから、法案に反対って言ってるわけじゃない。
集団的自衛権を使いたいなら、憲法改正するしかない
そもそも、自衛隊は軍隊じゃないんですよ、やっぱり。自衛隊は軍隊じゃないっていうことを、みんなどうやら忘れて議論しているみたいで。軍隊じゃないもので集団的自衛権をやろうとすると、これはどうしても矛盾が出てくるんですよ。
軍隊は「やったらダメだ」と言われたこと以外はできる。でも、自衛隊は予め「やっていいよ」と決められた範囲内でしか活動できない。軍隊が軍隊じゃない組織と共に戦うとなると、これはもう矛盾だらけになっていくわけよ。
集団的自衛権っていう風になると、軍隊じゃないものを軍隊として動かすということになってしまうから、やっぱり違憲になっちゃう。
集団的自衛権をやりたいなら、憲法を改正して、自衛隊を軍隊にするしかない。絶対にそれしかない。ただ、憲法を変えるにしたって、アメリカに付いていくための憲法改正だったら、わしは反対しちゃうけどね。
原発にミサイル落とされることのほうが危機
法案を通したい人たちは、もはや一国では守れない世界になりましたという。でも、これは全くのウソ。軍事同盟を結んでない国って、世界にいくらでもあるわけ。それで、国は守れないっていうのはウソなわけ。ペテンのプロパガンダだよ。
ーーどういうプロパガンダなのか。
やつらのプロパガンダは「国際安全保障環境が非常に厳しい状態になった」「激変しています」っていうわけ。これがまたペテンなんでね。国際安全保障環境がものすごいきびしいって・・・冷戦時代のほうがすごかったよ。米ソが核開発競争をやってたときは、明日にも核戦争が始まるってぐらいの感覚だった。
ワシが子どもの頃なんかは、いつ核戦争が始まるんだろう、って思ってたよ。子どもがだよ。テレビや新聞でも、核戦争による人類滅亡までの危うさを示す「世界終末時計」なんていうものが「人類滅亡まであと2分」って報じていた。
子どもながらに「えー、もうだめだおしまいだ」って、それくらいの緊迫感があった。実際キューバ危機とかもあった。みんなそういうリスクを抱えながら生きてた。よっぽどその時のほうが緊迫してた。そのときと比べたら、今はなんてことはないという状態なわけですよ。
もっというなら、日本海側に原発がぶわーっとあるでしょ。ここにミサイルが落とされたら終わりでしょ。これのほうが危機だよ。日本の一番の危機は、ここにミサイル落とされておしまいってことよ。ノドンだろうとなんだろうと。それでもう終わりなんですよ。
若狭湾の原発に何発か落とせば、日本列島は分断される。六ヶ所村にも核廃棄物が一杯あるでしょ。あれを撃たれたら大変なことになるよ。この危機は、存立危機ですよ。なんでこれ、ほっぽらかしてるの?
北朝鮮の軍事力は、韓国と戦うのにほとんど全力を傾注して、やっとというレベルだけど、もし北朝鮮が暴走したら、日本の原発と米軍基地にミサイルが飛んでくる可能性はなくはない。でも、日本の領土を守ることは「個別的自衛権」の話だからね。
「存立危機」は存在しない
ーー政府が主張している「存立危機」をどう考えればいいのか。
政府は、さっき触れたような話を全く言わないで、尖閣諸島の無人島を取られることが存立危機だとか言ってる。
スクランブル発進が多すぎると言うけど、あそこは日中間で棚上げ合意がされていたところを、日本側が刺激した。そうなったら、にらみあうのは前提で、その緊張感に耐えないと仕方ない。
それにもし仮に、あの島に上陸したとして、維持はどうするんですか。海上を封鎖されたり、空爆をされたりしたら、どうしようもない。結局、どこに危険があるかというと、ないんですよ。
万が一、仮に中国がシーレーンを封鎖したら、存立危機がくるかもしれないよ。でも、シーレーン封鎖を中国がやりはじめたら、これはもう周辺諸国への宣戦布告になる。中国もそんなことは絶対にしない。
中国経済は崩壊しつつあるし、中国はこれから国内問題で大変だよ。ちょっと海を取ったところで、国内問題がどうかなる状態ではない。そんな中、東南アジア諸国の反発も全部無視して出てくるとか、相当難しい話だよ。
アメリカも、アジア経済圏の地歩を固めようとしている。アメリカは絶対、中国の市場を狙っているわけね。資本主義ってそういうものだから、周縁の途上国に拡大しないと発展はないから、アメリカがそれをやらないわけがない。でも、アメリカも中国も核を持っているし、米中間は絶対に戦争はしない。結局のところ、「存立危機はない」ってことでしょう。
立憲主義の原則を崩してはならない
ーー今回の安保法案については、憲法学者から「違憲」との声が多く出ているが、憲法問題としてどうとらえればいいのか。
結局いま、立憲主義を守るのか、国際関係の逼迫感なのか、この2つが天秤にかかっている。ワシが問題視しているのは、「立憲主義の危機」なんですよ。憲法9条の危機ではない。左翼は憲法9条の話をするけど、ワシは違う。「立憲主義が壊れることがとってもまずい」って言っているんです。
日本が近代国家として、「法の支配」を守ろうという前提があるのなら、立憲主義を大事にしないと何にもならない。憲法を守らなくていいなら、憲法改正の意味はなくなる。やはり権力の暴走は法でしか止められない。法で国民は戦うしかない。
立憲主義を壊してでも、対処しなければならない危機があるというけど、それは「権力に暴走を許せ」ということ。それが自称「保守」の論理なんだ。
ワシは違う。
権力が暴走して国を滅ぼすことは、現実にあった。権力はやはり縛らないといけない。必ずしも軍人だけが暴走するのではなくて、シビリアン・コントロールをしても、シビリアンだって暴走する可能性があります。権力をしばる立憲主義の原則は絶対に崩してはならない。
昔は天皇に軍隊を統べる大権があって、それが利用されてしまった。天皇に統帥権があったから、シビリアン・コントロールがうまくいかなかった、という反省が今の憲法にはある。そのへんを自称保守の連中はわかってない。
「改憲」だって、憲法を無視しないことが前提です。立憲主義じゃないと意味が無い。それを保守の側から言わないと分からなくなってしまう。
自称「保守」の理念は、反サヨク。だから、何かを守るといった理念はない。左翼の反対をやろうとしてるだけだから。
みんながネトウヨ化している
ーー自称「保守」とはどのようなものなのか。
自称「保守」の感覚と、ネット保守の感覚って同じなのよ。より罵倒語をネットのほうが使うだけで、原理は一緒。自民党の議員は、『WILL』みたいな雑誌を読んで影響を受けているし、ネットもよく見ているし、『チャンネル桜』みたいな番組を見ている。勇ましくても、論理が破たんしている情報ばかり話すんです。
勉強がめちゃくちゃ浅いわけですよ。だから、在特会とかと一緒に写真を撮ってたり、仲良くしているような連中がおるわけですよ。みんながネトウヨ化しているんだよ。
安倍首相のフェイスブックでも、ネトウヨが発信した情報をシェアしちゃう。それにネトウヨがいいね、いいねと押して、全部ネトウヨ化という状況なのよ。
沖縄のことなんかも、全然知らない。百田尚樹は、普天間基地がある所はもともと田んぼしか無かったというけど、その時点ですでにおかしい。田んぼだって沖縄県民のものですよ。もう無茶苦茶な、もう何のことを言っているのかわからんレベルの話が、ネトウヨの中では通用している。
アメリカ軍が沖縄の土地を徴用したときの「銃剣とブルドーザー」という、沖縄県民なら誰でも知っている言葉ですら知らないんですよ。沖縄の歴史を根本的に知らない。
そういうことは『沖縄論』を出した時に全部書いたけど、自称保守は「汚点になる」と思って読まない。気持ちよくなるところだけは見るけど、日本のまずいところは見ない。見たいものしか見ない、見たくないものは見ないということになってしまっている。
たとえば、安倍首相が、米議会で演説したとき、「日本にとって、アメリカとの出会いとは、すなわち民主主義との遭遇でした」と言っちゃったわけ。ホントだったら、保守だったら、激怒しないといけない発言ですよ。
違いますよ。日本とアメリカの出会いは、砲艦外交と不平等条約だから。幕末にだって、横井小楠のように議論で政治をすべきだと言っている人がいた。
以前改憲論議が盛り上がった際に、美智子皇后さまが「五日市憲法」に触れられた意味を考えないといけない。明治時代にも、日本国民が自ら憲法を作ろうという動きは、いっぱいあったんだ。だから、アメリカに民主主義を教えてもらったわけではない。
日本を誇りたいのなら、あんなバカなウソはゆるしちゃいかん。でも「保守」は「あの演説はよかった」というんだから、無知だよ。それほど保守論壇は劣化している。ネトウヨと何も変わらない。それに影響を受けた議員もネトウヨ化している。保守がいなくなってネトウヨしかいないんだ。
小林よしのり氏インタビュー(下)に続く