夜叉 やしゃ
Skt:यक्ष yakṣa、パーリ語 : ञक्ख yakkha の音写、訳:暴悪・捷疾鬼・威徳、別名薬叉
古代インド神話に登場する鬼神。のちに仏教に取り入れられ護法善神の一尊となった。
一般にインド神話における鬼神の総称であるとも言われるが、鬼神の総称としては他にアスラという言葉も使用されている
(仏教においては、アスラ=阿修羅は総称ではなく固有の鬼神として登場)。
夜叉には男と女があり、男はヤクシャ(Yaksa)、女はヤクシーもしくはヤクシニー(Yaksni,Yakshni,)と呼ばれる。財宝の神クベーラ(毘沙門天)の眷属と言われ、その性格は仏教に取り入れられてからも変わらなかったが、一方で人を食らう鬼神の性格も併せ持った。ヤクシャは鬼神である反面、人間に恩恵をもたらす存在と考えられていた。森林に棲む神霊であり、樹木に関係するため、聖樹と共に絵図化されることも多い。また水との関係もあり、「水を崇拝する(yasy-)」といわれたので、yaksya と名づけられたという語源説もある。バラモン教の精舎の前門には一対の夜叉像を置き、これを守護させていたといい、現在の金剛力士像はその名残であるともいう。
(wikipedia)
didarganj yaksni...oldest buddhist yakshni
払子をもったヤクシニー Deedarganj Yakshni at Patna museum
正面からよりも背面からの影像を観れば、膝と腰そして首をわずかばかり傾けているのが、見て取れる。これ三曲法という彫像作成の手法である。
樹の精
砂岩 高 45.7㎝ 11~12世紀
ジャーラスプル グワリオール考古博物館
樹の幹を背に、体の上半身をはげしくねじって立つ若い女で、一般に"ヴリクシャカ"=樹の精と称される。
長い髪に花飾りをつけ、三重の首飾りにくわえて丸い乳房の間に真珠の紐をたらしている。
今は欠けている両手で、花模様のある腰布をしめていたに違いない。
【インド古代美術展】