7月10日、金柑の花は今ごろ咲きます。
1センチ強の小さな花で、白い五弁の花です。
金柑以外の柑橘類の花は、おおむね5月上旬に咲き終わっています。
今はそれが1センチ強の果実となり、
それを肥大させつつあるのが今どきの姿です。
金柑の花は7月に、2ヶ月くらいずれて咲きます。
開花した金柑の花には、ミツバチが飛びまわって、
一生懸命になって蜜を集めていました。
みかんの花は幼果にかわりました
みかんの花の季節はやはり5月でした。
まだ遅れて咲いた花がポツポツとありますが、
大半の花は、すでに花びらを散らせてしましました。
みかんの花の季節が終わりました。
まだほのかに花の香りがただよっています。
花びらを落とした後には、小さな幼果が残っています。
幼果をみると雌しべがまだ残っています。
これが「玉に抜く」と歌われた姿でしょう。
「ジューンドロップ」といわれますが、
幼果の多くはこの時点で落果してしまいます。
そして残った果実が秋にかけて大きくなっていきます。
いよいよ果実の肥大がはじまりだすときです。
『万葉集』からです
我が宿の花橘をほととぎす来鳴きとよめて本に散らしつ (巻第八・1493)
我が宿の花橘のいつしかも玉にぬくべくその実成りなむ (家持 同・1478)
みかんの実-「玉に抜く」幼果
みかんの花の季節は終わってしまいました。
日曜農夫は、満開の時を行くたびに、「次の時か」「次の時か」注目していたのですが…。
5月22日には、除草した樹冠の下の地面に、パラパラと花びらが散っていました。
遅咲きの部分もありますから、まだみかんの花を見ることは出来るのですが、
しかし花の盛りは過ぎた一週間で、過ぎてしまったようです。
花の香りも前回より薄くなったような気がしました。
万葉人が感動した、゛みかんの花の散る゛歌は、この時期でしょう。
そしてその散った後には、小さな果実が生育を始め出しています。
花の季節は終わって、これからは幼果が生育していく季節です。
大伴家持が『万葉集』で歌ったのは、写真のころだったんじゃないでしょうか。
○我が宿の花橘は散り過ぎて玉に抜くべく実になりにけり (巻第八・1489)
この時期の雨、入梅はまだですが、植物たちは大喜びです。
○雨間あけて国見もせむを古里の花橘は散りにけむかも (巻第十・1971)
「鳴く」というだけで、ほととぎすが連想された万葉人たちです。
○ 玉にぬく花橘を乏しみしこの我が里に来鳴かずあるらし (巻第十七・3984)