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小寺先生へ想いを寄せて

2015年04月12日 | 和の輪鍼灸院
小寺敏子先生のご葬儀が
4月8日に
しめやかに執り行われたことを
椿野先生から
ご連絡いただきました。

尊敬する師が
自分が来るまで
待っていてくださったがごとく
目の前で昇天されたことは
弟子にとり
なんという
ありがたいことでしょうか。

椿野先生に
後を託されたのだと
思います。

ここに謹んで
東洋医学を開かれた功績に感謝して
小寺敏子の肉体に
お別れしたいと思います。
小寺先生の魂に触れる旅は
まだ始まったばかりです。
お導きください。 合掌

椿野先生の弔辞


   弔辞
 小寺先生〜聞こえますか〜?椿野で〜す。
先日から、気持ち良くお休みのところ、
耳元でうるさく言って申し訳ございませんでした。
 私が現れるのを待つかのように、
最後の一息まで最後を看取らせていただき、
本当に幸せでした。
最後の最後まで、
私にご自分のお身体まで提供してまでもお教えいただき
本当に幸せな弟子です。
 私が初めて先生にお会いしたのは、
確か私が鍼灸学校を卒業した昭和五十一年(三十八、九年前)
先生が五十六歳、私が二十八歳の頃でした。
その頃からすでに、魔法使いのような印象でした。
どこに行かれるにもホウキに乗って、ではなく、
いつもこうもり傘とキャリアーバグを持たれてあちこちと講義にお出かけでしたね!?
フランスの国際鍼灸学会やスリランカにも、
そもそも、
私が東洋医学を勉強したいと思って、
鍼灸学校に入学しましたが、
その期待に外れ、
どの先生方も古典医学について教えてくださる先生はおられませんでした。
 私が鍼灸学校を卒業したある日、
先輩が君が勉強したいような研究会があるから連れて行ってあげようと、
訪れたのが、小寺先生の黄帝内經素問の勉強会でした。
 しかし、教科書は全て漢字ばかり。
どこを読んでおられるかすら、チンプンカンプンでした。
しかし、聞いているだけで、内容はわからないが、
何かすごいフィーリングが伝わってくるのはわかりました。
 私はその時、これだ〜!この感覚。
このひとだ〜!間違いなし。やっと見つけた〜!
という感じでした。
 それから、毎回、勉強会に参加し、
全くわからなかった漢文が、少しずつ、読めるようになってきました。
なんども原典を書き写し、分解し、並べてみたり、しているうちに、
不思議なもので、白文でもスラスラ読めるようになってきました。
 幼少より勉強嫌いの私が、不思議なことに、
その気さえあればなんでもできるという自信がついてきました。
 そして、このような私でも少しずつ講義ができるようになってきました。
 小寺先生は黄帝内經素問のカナ読み本を出版され、
続いて黄帝内經霊枢なども出されることになり、
私ども会員たちは校正など出版のお手伝いに関わっていましたが、
先生の意向と私たちの思いが合わず。
互いに感情的になり、私たちは、自ら破門させていただいました。
 それから十年ばかり、
先生とは疎遠になっておりましたが、
ある日、先生がご病気で寝込まれているということを聞き、
それから度々、先生の治療に通うこととなり、
再び先生のお側につくことになりました。
 その後、五年前に腹痛を訴えられ、
市橋研一先生にお世話になり、
腹部に超大な腫瘍が発見され、
漢方薬や弟子たちが頻繁に治療に通っていたところ、
ある日、全く腫瘍の影が無くなっていました。
 そして、その後、
市橋先生の老健施設に四年お世話になり、最後をお迎えになりました。
 
 お会いした初めはは学問で、
さらに臨床や実技もお教えいただき、
最後はご自分の体をも提供していただき、
最後までお教えをこい、
最後の一息、一脈まで観察させていただきました。
親の死目にも立ち会えなかったのに、
これほど幸せな弟子は滅多にいないと思います。
 それから、ジョン万次郎様のDNAにもずっと触れさせていただけて、光栄でした。
 本当にありがとうございました。
 私が素問や霊枢の講義をさせていただいておりますと先生に話しましたら、
先生は「本当のことは私とあなただけの秘密ですよ。滅多なことで話してはダメですよ!」
私は「はい、分かりました。いい加減に喋っておきます」
「その人にあらざれば、教うる無かれと素問に書いてありましたね」と答えました。
これからも、あの世から指令をお願いします。
 本当にありがとうございました。

(棺に入れようと思っていた書物に挟まっていたメモを皆様にご披露。
まさに先生の最期を象徴する文章)

天の我に在る者は徳なり
地の我に在る者は気なり
徳流れ気薄りて、生ずるものなり
故に生の来る・これを精という
両精相拍つこれを神という
神に従って往来するものを魂という
精に並びて出入するものを魄という
   小寺先生のメモより抜粋 靈樞本神第八

平成二十七年四月八日
    皇漢醫學林   椿野 央



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