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FM音源ドライバ「FMP」で作成した曲を公開しています。
FMP7の使い方からMMLによる曲データ作成の方法も掲載!

応用編9:いろいろなFM音源音色を使ってみよう

2018-01-30 22:33:36 | 曲データの作り方(応用編)

随分とご無沙汰となってしまった応用編ですが、今回からいよいよFM音源音色について説明していきたいと思います。

FMP7ではプリセット音色(つまり内蔵されたすぐ使える音色)が無いため、FMP7でFM音源を使う上では音色はゼロから作る必要があります。
昔からFMPを使ってた人なら自分自身の音色ライブラリを持っていると思いますが、これからFMP7を使いたい人にはそれがありません。
さらに、ゼロから音色を作るにしても、FM音源の原理や知識を知っていないとなかなか思ったような音色を作ることは難しいです。

余計な「うんちく」を知らなくてもFMP7を使えるようになって欲しいのがこのブログの狙いでもあるので、今回はゼロから音色を作るのではなく、PC-88のプリセット音色データをFMP7用に転用する方法を学びましょう。

まずは実際にFM音源音色データを見てみましょう。
今回はPC-88のプリセット音色データベースを公開しているゆい氏のブログ「狸寝入り亭」を使わせて頂きます。

(1) PC-88プリセット音色データベースのサイト(https://tanukineiritei.mydns.jp/FMtoneFront/)にアクセスする

(2)欲しい音色の「MUCOM」列の「パラメータ」をクリックすることで、FM音源音色データが表示されます。

ただし、ここに表示されたパラメータはMUCOMという他のFM音源ドライバ用のパラメータですので、これをそのままFMP7用として使うことができないため変換する必要があります。

■MUCOM用のFM音源音色データをFMP7用に変換する方法
※今回の例は、音色番号91の「ディストーション・ギター」のパラメータを選択し、表示された音色データで示します

①音色データの2行目(黄色枠)を、最後の行へ移動し、更に2つの数値を入替える(矢印下が変更後)

②音色データの1行目と5行目の最後の文字(黄色枠)を削除する(矢印下が変更後)

③音色データの各行の先頭に「'@」を追加する(矢印下が変更後)

これで、FMP7用音色データへの変換が完了しました。

今回の例では、パラメータ転用前の音色番号と同じ「91」のデータを定義してみました。
あとは、この音色番号「91」をPartFM4またはPartOPNAで定義したFM音源チャンネルで「@91」として指定してあげることで、利用可能となります。

'{
 Title=サンプル
 DataCreator=test

 PartFM4=A1
 PartMixLevel=100
 ClockCount=192
}

'A1 T140

'A1 v 80 o4 l8

'A1 @91 cdefgab>c<

'@  F 91
'@  24,  23,  04,  05,  04,  25,  01,  07,  02
'@  30,  04,  04,  05,  08,  25,  01,  02,  03
'@  30,  04,  04,  05,  03,  31,  01,  02,  03
'@  30,  05,  05,  09,  03,  00,  01,  04,  04
'@  00,  07

複数の音色を使いたい場合、①~③の作業を繰り返して、どんどんMMLソースに貼り付けていきます。
ここで、注意したい点として、③の音色番号は重複しないようユニークな番号にする必要があります。
もし、同じ音色番号の音色データを複数設定した場合、最後に設定した音色が適用されます。

ということで、これでまずはFMP7の敷居が高かった1つの要因が解消されたと思いますので、どんどん作品作りに活用してみ下さい。

さて、次回ですが、FM音源音色についてもう少し深掘りしていきたいと思います。
とはいえ、最初にお話したとおり、FM音源音色はゼロから作ることはとても大変ですので、今回の音色データを基に改造してみることでFM音源の音色の仕組みを理解していく。
という進め方にしてみようと思います。
今後は多少「うんちく」を説明せざるを得ない状況になってきますが、なるべく分かりやすく解説していきたいので宜しくお願いします