前提:FMP7で曲データを作ってみよう!(補足編:連符について)を読んでいること
前回の補足編では、連符の説明の中で「音長」のお話をしました。
音長は下の図のように、音符に対応した数値を音階の後ろにくっつけることで指定できます。
ただ、この指定方法だと、音長「6」「12」「24」「48」といった中間値までの指定が限界で、それ以上細かい音長指定はできません。
音長は下の図のように、音符に対応した数値を音階の後ろにくっつけることで指定できます。
ただ、この指定方法だと、音長「6」「12」「24」「48」といった中間値までの指定が限界で、それ以上細かい音長指定はできません。
ギターソロでのグリッサンド、ボーカルのしゃくりといった絶妙な部分を表現しようとするために、もっと細かい音長指定が欲しくなりますよね。
そういった場合、クロックカウント数で音長を指定する方法があります。
そういった場合、クロックカウント数で音長を指定する方法があります。
■クロックカウント数で音長を指定する方法
まずここで言う「クロックカウント」とは、全音符の分解能を定義することをいいます。
MMLの冒頭で「おまじない」のように指定している
まずここで言う「クロックカウント」とは、全音符の分解能を定義することをいいます。
MMLの冒頭で「おまじない」のように指定している
ClockCount=192
この指定で、全音符(つまり音長「1」)=クロックカウント数「192」と定義しています。
あとは音階の隣に「c#192」といった感じで「#」をつけることでカウント数として音長を指定することができます。
この例だと全音符のド「c1」と同じになりますね。
そのほかの音長も、192から割り算してあげれば、おのずとカウント数が算出できます。(下図、参照)
上の数値を参考にしてあとは、ちょっと長くする、ちょっと短くするといった細かい音長指定が可能になります。
この例だと全音符のド「c1」と同じになりますね。
そのほかの音長も、192から割り算してあげれば、おのずとカウント数が算出できます。(下図、参照)
上の数値を参考にしてあとは、ちょっと長くする、ちょっと短くするといった細かい音長指定が可能になります。
ただ、全音符を192カウントと定義している以上、「1小節内の合計カウント数を192」で納めないといけません。
あまり多用しすぎると計算ミスなどで、192カウントに足りなかったり、オーバーしたりして音ズレが発生しやすくなります。
さらに通常の音長指定とカウント数指定を混ぜて使用してしまうと、更に計算がややこしくなってきます。
あまり多用しすぎると計算ミスなどで、192カウントに足りなかったり、オーバーしたりして音ズレが発生しやすくなります。
さらに通常の音長指定とカウント数指定を混ぜて使用してしまうと、更に計算がややこしくなってきます。
ですので、カウント数指定は「音階+音長」の「音長指定側」で使うよりも、ピッチベンドやLFOの「開始タイミング(遅延)」といった「オプション側」で使うほうが、音ズレの発生をさせずに細かい調整ができます。
例えば、大本が「c4」だったギターパートのMMLを後半、グリッサンドにしたい場合
(音ズレしやすい使用例)c#34 & c#14_<c
(メンテしやすい使用例)c4_<c#34
(音ズレしやすい使用例)c#34 & c#14_<c
(メンテしやすい使用例)c4_<c#34
どちらの例も同じ再生結果になりますが、
前者の場合、グリッサンド部分の音長#14を変更したい場合、前半の#34も変更を余儀なくされます。
前者の場合、グリッサンド部分の音長#14を変更したい場合、前半の#34も変更を余儀なくされます。
(合計で4分音符分のカウント#48にしなければいけないため)
後者の場合、音長指定は変えていないため、#34の数値だけ調整してあげれば、音ズレの心配なく、最適値の調整を細かくしていくことが簡単になります。
後者の場合、音長指定は変えていないため、#34の数値だけ調整してあげれば、音ズレの心配なく、最適値の調整を細かくしていくことが簡単になります。
上記の例はギターのグリッサンドだけなく、ボーカルのフォールの時などにも有効ですね。
ボーカルのしゃくりの場合は、どうでしょう?
例えば、大本が「b4」だったボーカルパートの最初にしゃくりを入れたい場合、
(音ズレしやすい使用例)a24_b#7 & b&b12
(メンテしやすい使用例)a24_b#7 & b4~24
(メンテしやすい使用例)a24_b#7 & b4~24
これもどちらも同じ再生結果になります。
今回の例では「しゃくり用の音長」+「残りのビブラート用の音長」に分割して入力しています。
前者の場合、単純に音長を分割しているので、カウント数指定ではないにしろ計算が面倒ですし、メンテするにも見にくいですよね。
後者の場合、しゃくり用に確保した分の音長「24」を大本の「b4」から減算させています。
音長の減算には「~(チルダ)」の記号を使います。この記号の後に指定した音長分マイナスするので、結果差し引き4分音符の音長とイコールになっています。
前者の場合、単純に音長を分割しているので、カウント数指定ではないにしろ計算が面倒ですし、メンテするにも見にくいですよね。
後者の場合、しゃくり用に確保した分の音長「24」を大本の「b4」から減算させています。
音長の減算には「~(チルダ)」の記号を使います。この記号の後に指定した音長分マイナスするので、結果差し引き4分音符の音長とイコールになっています。
実際のMMLによる曲作りは、修正→コンパイル→試聴→修正→コンパイル→試聴の連続になります。
慣れるまで入力したパラメータに対して、コンパイル後の演奏イメージが直結しにくいためです。
なので、音長指定やカウント数指定、そして減算(~)を上手に使って、調整しやすいMMLにすることで、入力ミスなどを減らし、その分バランス調整に時間を費やせるようになります。
慣れるまで入力したパラメータに対して、コンパイル後の演奏イメージが直結しにくいためです。
なので、音長指定やカウント数指定、そして減算(~)を上手に使って、調整しやすいMMLにすることで、入力ミスなどを減らし、その分バランス調整に時間を費やせるようになります。
今回は少し難易度が高い補足編となってしまいましたが、是非このあたりを意識してみてください。
余計なミスでイライラすることがグッと減りますよ(笑)
余計なミスでイライラすることがグッと減りますよ(笑)
■最後に
グリッサンドや、しゃくりといった具体的な手法を例として挙げていますが、今回示したMML表記方法が、必ずしもそれらの表現を限定しているものではありません。
手法に対するMMLの表現方法は自由であってよいので、あくまで個人的な例として捉えてください。
グリッサンドや、しゃくりといった具体的な手法を例として挙げていますが、今回示したMML表記方法が、必ずしもそれらの表現を限定しているものではありません。
手法に対するMMLの表現方法は自由であってよいので、あくまで個人的な例として捉えてください。