「pukupukuさん もう面会に来られたのですか?」
~いいえまだです 仕事が忙しくて~ 警察署からの電話に言葉を濁した
拘留がもうすぐで終わるから、早く来て請求しないと、居場所が分からなくなるかも…と
電話の向こうで説得が続く うわ~っ どうしよう (・へ・))))
あ・・・ あの・・・ 私・・・ 対面した時に、暴言を吐きそうで怖いんです
それに、〇〇さんは凶暴犯じゃないんですよね それが気掛かりなんです
こんなやり取りの後、暫く考え相棒に相談した
「自分で開けた扉だろう 納得できるまで話をして来いよ」。。。背中を押された私です
げ、、、やっぱり私叫ぶかもよ 私たちが止めますからって、刑事さんは言ってたけど
野獣化した私を知らないから、保証出来ませんからね いいのね
そして私は出掛けた
警察署の駐車場は、何度か行ったことはあったけど、建物の中は初めて~
見取り図を見ても、何が何だか、何処が何処だか分からない 迷子になっちまうぞ
ウロウロ・・・ ドキドキ・・・ アタフタ・・・ 案内所は無いのかえ?
するとそこに婦警さん現る ちょっと聞いてみよう 「あのちょっと~」
「すみません 面談に来たんですけど、何処に行けばいいのでしょう?」
「面談? 面会の間違いでは?」
ありゃ
「あ~ 面会でした」 すっかり舞い上がってしまって、言葉が混乱してたわ
そのまま薄暗い廊下を、初めて踏み込む未開の地へと、歩いて行きました
通された部署に入ると、厳つい風貌の私服の警察官が迎えてくれた
ここは警察署だよね 〇〇組の事務所なんかじゃないよね そんな感じでしたゎ
手続きを終え、本人に面会の意志を訪ねて、了解を得たら会える~~~らしい
すぐさま了解の返事が返って来て、面会室の扉を開け中に入った
これかぁ~ 刑事さんが言ってた壁 ガラス張りで、穴ポコの空いたまあるい窓があるゎ
どうしよう やめとけば良かったかなぁ- い、いまさら遅いわ 割と小心者ね 私
目の前に、あの日の青年が現われた 勿論、麦わら帽子は無い
さぁ、何から話そうか 考える間もなく向かい合う ふぅ~
「どうしたの? 何があったの?」
「はい、色々と・・・」
「あなた、親御さんはいらっしゃるの?」
「はい、でも今は行き来してません」
「もっと自分を大事にしなさいね 今日は会ってくれてありがとう」
「明日ここを出ますから、きっとお支払いに行きます すみませんでした」
「わかったわ これで帰るわね どうもありがとう」
真っ直ぐ目を見て、笑顔で話せた 叫ばんかった 素晴らしい~^^
ものの三分も掛からなかった気がする 付き添いのお巡りさんは唖然としてた
面会室を出ると、厳つい顔の私服の警察官は、驚いた顔をして私を見た
「もう いいんですか?」 「はい ちゃんと払うと言いましたから、良いんです」
「本人がどんな奴で何をしたか知っているんですか?」 「いいえ 知りません」
逮捕の理由を聞けば話してくれたかもしれない でも、知らない方がいい気がした
私は、一礼して外に出た
警察署の建物から出た時、青い空を見上げながら私が呟いたこひとこと
=シャバの空気は美味しいのう= 地面の暑さで生温かった分、ホッとした
その翌日のことです
見知らぬ車がやって来ました
前日、壁の向こうにいた青年が、訪ねて来たのでした
「今、出て来ました」 手には、免許証のコピーを持っています
工場にいた相棒に会わせ、これまでの事を謝る青年がそこにいました
「少し待って貰えますか きっと支払いますから」 ペコリと頭を下げた
いつになるかは分からないけれど、私たちは青年を信じることにしました
警察署から解放されて、そのままやって来たその青年を、待つことにしました
「頑張りなさいよ 身体を大事にね」 車に乗り込む青年を見送った
本当は、言いたい事はいっぱいあるけどね じっくり待ってみます
追記
「騒動のお金が戻って来たら、伊勢海老でも食いに行こう」 相棒が言った
あはは・・・ 山男が・・・ いつも放ったらかしの女房に宣言しやがった
もしかしたら、戻っては来ないかもしれないお金なんだけど、伊勢海老なら話が違うわ
信じよう~♪