

冬枯れで貧弱な様相の自宅花壇に、春を吹き込もうと出向い
た園芸店にて、私は偶発的な出会いをしてしまった
これは笑い話か? そうでなければ何なのだ???

こんなお店は、ひとりで行って気ままに選ぶのがイイのよね
黄色い籠をぶら下げて、お気に入りを次々にゲット~



誰にも邪魔されずに、思う存分花の苗を物色しておりました
ただ…お財布の中身との葛藤はあったけど、そこは何とか~

「あらぁ~綺麗な花ね それ何処にあったの?」と、唐突なる
掛け声に、私はそこから暫くは動けなくなった なぁ~ぜぇ-
だってだって… 目の前に現れた人に、次から次に質問だの
意見だの求められたりで、籠を小脇に抱えたまま固まったよ

知ってる人? ううん~初めて会った女の人

何でも彼女~植え替えたガザニアが咲いたとか何とか色々と
「奥さんこの花は何処に植えるの? え!庭の花壇?凄いね
私は花壇を潰して駐車場にしたから、プランターしかないわ」

「え!え!え~!!」がひと段落付くと、彼女は私の視線を
察知したのか、急に話題を変えて、また聞き役に戻った
「奥さん~あなたの眉毛、綺麗に書けてるね」と来たもんだ
眉毛が命です…と答えると、彼女は私を下から覗きこんでる

な、何?(((

「ねぇ~剃刀で剃ったの?毛抜きで抜いたの?」と興味津津
「人並みにカットしてお手入れしてますが、何でしょ?」私が
そう答え、次に放たれた彼女の言葉に、つい眩暈を覚えた…


「奥さん~顔洗ったら、眉毛無いんじゃないの」とホザキおった
≪ハァ~? 今、何と言うた? どのお口が?≫呑み込んだ




自分の名誉の為にも言っておきますが、眉毛はちゃんとあるよ
綺麗な眉が書ける様に、カットしてあるだけなのに-





だって・・・彼女の眉毛は・・・

初めて出会った名も知らぬ人ですけど、訴えられても困るし-
勿体ぶるな? ハァ… そうですけどね どう言っていいか
それなら言うのやめろ? うん~ 滅多にない笑劇かと思って

出会った時から、衝撃を受けていたその人の眉毛は完全に
剃り込まれ青々としてたのよ 剃刀で剃りおとしたのね
そして、その下を一直線の弧を描いて、眉毛の恰好の線が
左右対称?に引かれておりました 歪に曲った細い線がね


それでも私は我慢したのよ 笑っちゃいけないから我慢したの
腹の中はグツグツと煮えたぎっていたんだけど、我慢したの!
あんまりシツコイから、別れ際~刺青眉毛を進めておきました
あはは。。。 オトナゲナイお話にござ候~






あの人、何も言ってクルメ・・・
