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~ごみ問題のスクラップブックとして~

中国の環境規制の影響、2019年日本の古紙輸出実績、中国の古紙輸入実績など、、

2020年02月21日 20時33分41秒 | 紙・古紙関連

古紙の輸出・輸入推移

 

古紙再生促進センターHP、古紙輸出の12月分、中国古紙輸入12月分を更新

2019年の統計の確定値は例年3月頃になるのかな?
とりあえず12月までの実績暫定値でグラフを更新した~

 


2019年の古紙輸出は3,141,113トンと対前年比の83.1%となった、
2020年の古紙輸出はどうなるか~

中国の環境規制、 固体廃棄物の輸入制限の動きは
 ・2017年12月より4種類24品目の(未選別古紙、生活由来廃プラ、金属くず、廃棄紡績品)の輸入禁止。
 ・3月より輸入固体廃棄物の規制混入物比強化(古紙:混入比率1.5%→0.5%
 ・4月に18年末(16品目)、19年末(16品目)の輸入禁止品目(古紙はなし)を追加発表
 ・6月に国務院は“2020年末までに固体廃棄物の輸入0を目指す”との方針を発表

ということであったが、いつの間にか、「固体廃棄物の輸入ゼロ方針」が、古紙に関しても「2020年末に古紙輸入禁止の方向性」ということになっている~ 輸入規制の対象が、「未選別古紙」から「古紙」と変化? これは、10月30日開催の「紙リサイクルセミナー」でもそういう話があった。古紙ジャーナルの記事でも「【中国環境規制・2020年問題】中国の古紙輸入量はゼロまたはゼロに限りなく近くなる」といっている、、

はたしてどうなるかはわからないが、、、
中国も、国内古紙回収量を拡大するにしても、古紙輸入ゼロでは立ちゆかないだろうから、東南アジアでの古紙パルプ生産に拍車がかかっているようだし、日本国内も、中国向けの古紙が余剰となれば、中国以外の東南アジアへの代替輸出も増えるだろうし、国内でだぶつかないように、さらなる国内古紙利用率を高める努力をするしかない、当面は、古紙価格の低迷をどう乗り切るか、採算とれずに古紙回収業界も大変な事態ではあろうが、、

当面は、中国の2020年第1弾の古紙輸入ライセンス計278万トンを交付したということである。



古紙再生促進センターHP
第8回日中古紙セミナー
開催報告が「会報(2020年1月号)」に掲載されていた。
セミナーの中国側の講演者の発言を抜粋すると、、、

国製紙業の現状と原料の需要」 中国造紙協会 秘書長 銭 毅氏
・2018 年の紙・板紙の中国の消費量は 10,439 万トン。2000 年の 3,575万トンの 2.92 倍。
・中国の古紙回収率は伸びており、回収量は 5,000 万トンを超え、現在の回収可能量の 90%以上を占める。回収可能量は 5,200 万トン~ 5,400 万トン
・中国の古紙を原料とするパルプの消費量はパルプ総消費量の 63%を占め、古紙の利用量は世界の3分の1以上を占めている。

国製紙企業における繊維原料使用の現状」    中南(天津)再生資源有限公司 張氏
輸入古紙の急激な減少により、2つの課題に直面している。1つが製紙原料を古紙以外の他の繊維原料で補充しなければならないこと、もう1つは中国国内の古紙はリサイクルを繰り返しているため繊維の強度が大幅に低下し、このままでは製品の品質要求を満たせないことである。
・ 2018 年の中国製紙企業の繊維系原料の使用割合は、木材パルプが35%(輸入 23% 国産 12%)、古紙パルプは 58%(輸入 16% 国内古紙 42%)、非木材パルプが7%である。
古紙パルプの輸入量は、大手製紙会社の海外投資による再生パルプ工場の建設に伴い大幅に増加している
・中国の古紙輸入は 2017 年 2,572 万トン、2018 年に 1,705.5 万トン。2019 年1~8月は730 万トン。今後の輸入ライセンスは大幅な頭打ちが予想される。    
・ 古紙の価格は、2019 年はすべて 2018 年同期を下回り、また同時に比較的安定している。古紙は供給不足にあるが、製品販売等の影響を受けていることや古紙産業が健全で合理的な発展モデル段階に移行しつつあることがその理由である。

・段ボール古紙は米国からの古紙を優先調達し、日本からの古紙は補完的な調達



2019年の統計確定値がでる前に、
12月実績までの暫定値でグラフの更新、

気になる部分のみ、、

日本の古紙輸出統計データ

●古紙主要国別輸出量内訳

中国の輸入規制で、周辺国への輸入拡大もいわれていたが、、、、、
それでも2019年も中国向けが52%


●古紙輸出、輸出先別輸出実績

2018年は中国向けが少し持ち直したが、2019年はかなり減少
台湾、ベトナム、インドネシア向けが拡大、


●古紙輸出、品種別輸出実績

 

●中国向け輸出古紙 品種別輸出量

2017年の輸出量は約244万トン、2018年は30万トン増加で約274万トン、
2018年は、品質のよい、段ボール古紙や新聞古紙の輸出量が大きく増加したため、
2019年は約164万トンと大きく減少

 

●中国向け輸出古紙 品種別金額

輸出量が減少傾向の年も、金額は増加もあり、古紙価格の変動は大きいので、、、

 

●中国向け輸出古紙 古紙価格の推移

これは単純に中国向けの輸出金額を輸出量で割ったもの。

 


●中国古紙輸入統計のデータ
●中国の古紙輸入量推移
2019年は大きく減少
 

●中国の古紙輸入量推移

北米、EUの輸入量は大きく減少で、日本以上のダメージを受けている


●中国の古紙輸入量、2019年
 

いつもは、日本の輸出量だけをみていたが、中国の古紙輸入量を世界全体でみてみると、、
日本の古紙が占める割合は16%なんだ、、、、、、

●中国の古紙輸入量(段ボール)、2019年
2019年、日本の段ボール古紙は11%

●中国の古紙輸入量(新聞など)、2019年
2019年、日本の新聞古紙は31%
日本の新聞古紙は品質面で買われている、、
北米やEUはミックス古紙での回収かな、

●中国の古紙輸入量(上質古紙)、2019年
2019年日本の上質古紙は34%
さすがに、日本の古紙は品質面で買われている、、


 

関連(本ブログ) 再掲
中国の環境規制、2020年日本の古紙輸出はどうなるか~ 2020年01月08日

あれこれ考えても所詮は素人の戯言ではあるが、、、

中国の紙・板紙の生産量は、日本・米国を追い越してダントツに桁違いの世界一である。参考「世界の世界の紙・板紙統計【パルプ及び紙・板紙生産量と紙・板紙消費量など】(2016年、2017年)

2017年データでみると、

中国とアメリカの紙・板紙の生産量と消費量は、3位の日本を大きく引き離しての1位、2位である、

そして、中国の場合は、2017年古紙の消費量も81,800千トンと、ダントツの世界一である。

しかし、中国国内の古紙回収量は徐々に増加傾向で56,083千トンとなったが、消費量の7割弱程度で回収率が約50%である。中国の国内古紙の回収率47.8% ( 2017年)は見かけ回収率であって、実際の回収率には大きなギャップがある。第8回 日中古紙セミナー講演「中国製紙業の現状と原料の需要」で、中国の古紙回収量は 5,000万トンを超え、現在の回収可能量の 90%以上を占めるとなっていた。 

一方、古紙の輸入量は25,719千トンと、他に類をみない古紙の輸入国でもある。

日本の古紙輸出量は3,734千トンで、その多くは中国向けとなっている。

中国はじめ東南アジアの各国も、年々、自国の国内古紙の回収に力を入れているので、いずれは古紙の回収率も上がり、輸入量も減っていくことだろう。

日本の古紙循環、いまは、古紙の回収率が上がれば上がるほど、輸出頼みとなっている。この先、中国国内の古紙循環が更に進めば輸入依存は減少していくことだろう、、そして、中国の環境政策で、品質の悪い古紙は受入規制、「2020年末に古紙輸入禁止の方向性」という話しも聞こえてくるので、、

 

世界の紙・板紙統計データ

●2017年主要国の古紙回収量、消費量、輸入量、輸出量

 

 



●国内 紙・板紙国内消費量と古紙回収量・輸出量推移

2019年、紙・板紙の国内消費量も古紙回収量もかなり減少か、

 
横浜市の古紙回収が停止中、古紙回収事業者 中国の輸入規制のあおりを受け業務停止か?」という報道以来、古紙の回収状況も気になって仕方がないが、、、

これまで「日本の古紙」は、品質が良いということが自慢のように言われてきた。ごみ減量の観点から古紙の行政回収が増えて、古紙の回収量は大きく増大した。そして、国内で使われない古紙は輸出となり、、古紙の輸出が増大するにつれ、どんどん品質劣化を招いたのではないか。なにしろ、多少はごみ混じりでも国内価格よりも高く売れていたのだから~

今一度、初心に戻って、古紙を排出する側の基本的なルール、禁忌品を入れないなどの徹底を行政も広報してほしいものだ。せっかく「雑がみ」回収も増えてきているので、、ごみ化しない「雑がみ」回収のルールを徹底させて、、、

とりあえず~
2019年の確定値が出たらまた~


関連(本ブログ)
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中国の廃棄物輸入制限「未選別古紙 輸入禁止」の動きは? 日本の古紙輸出への影響は?2018年07月31日

 


 

関東製紙原料直納商工組合(古紙直納問屋の組合)

需給委員会

  1. 古紙価格は、東京都内及びその近郊の古紙問屋店頭渡し価格を表示したもの。
    店頭渡し価格では、古紙問屋から製紙メーカーまでの輸送運賃は含まれない。
    価格に幅がある場合は、単純平均価格をグラフ化(2009年1月〜)。
    但し、価格幅を示す「〜」以降が空白のものは記載されている数字のみをグラフ化。
  2. 価格は、円/tでいずれもプレス品。プレス品とは、大型梱包機によりプレス梱包をしたもの。
  3. 輸出価格は「古紙品種別輸出先別輸出実績」の各輸出金額計を各輸出数量計で除算し算出。
  4. 公益財団法人古紙再生促進センター調査。

古紙価格推移グラフ(3年間)


古紙価格推移グラフ(PDF形式)

 
古紙価格推移グラフ(2000年1月〜)


古紙価格推移グラフ(PDF形式)

 

 

 

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