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23区 事業用大規模建築物「再利用計画書」のまとめ状況【平成25年度版(平成24年度実績)】

2014年06月09日 21時57分48秒 | 東京23区のごみ

事業用大規模建築物「再利用計画書」(データファイル)
各区とも、工夫を凝らして種類別や用途ごとのグラフや表でわかりやすくまとめてある。



23区の事業用大規模建築物「再利用計画書」からみえてくることは~
特に「紙類」の発生量、資源化量(率)、廃棄量を調査するため、6月6日、6月9日と、23区内で、事業系持込ごみの多い中央・港・新宿・江東・大田、渋谷・世田谷・足立の、区役所や清掃事務所をまわって「再利用計画書 平成25年度版(平成24年度実績)」のまとめをもらってきた。(千代田区はネット上で公開、渋谷区は配布できないといわれた。) 

各区の対応してくれた担当者には、紙類の資源化などの調査目的を告げて、古紙再生促進センターの「平成24年度 オフィス発生古紙リサイクル状況調査報告書」や「オフィス発生古紙リサイクルガイ」「リサイクル対応型機密文書処理ガイドライン」などを渡して、事業系廃棄物紙類のさらなる資源化指導をお願いしてきた。


事業用大規模建築物「再利用計画書」(データファイル)とは
23区、各区とも、事業用大規模建築物(延べ床面積3,000㎡以上or1,000㎡以上)から排出される一般廃棄物について、ごみの減量や適正処理の指導、立入検査等を行っている。事業者は、廃棄物管理責任者の選任、再利用計画書の提出、保管場所の設置などが義務づけられている。各区は、事業者から提出された「再利用計画書」をデータファイルとして年間集計し、事業者へ送付や、窓口で配布している。


●参考:東京23区の事業用大規模建築物の再利用計画の提出義務


「可燃ごみ」の集計部分をグラフ化した~
23区で共通の様式ではないので、飲料びん、飲料缶、ペットボトルなどの不燃・焼却不適物の集計は、やっている区とない区それぞれなので、「可燃ごみ」の部分をまとめてみた。



23区 事業用大規模建築物「再利用計画書」まとめ状況【平成25年度版(平成24年度実績)】

●再利用量と処分量の内訳(再利用率)

千代田区




千代田区、ミックスペーパは分けて分類しているが、それでも、その他の紙がかなり多い。病院や学校関係かともおもったが、やはり圧倒的にオフィスビルからの発生量が多いので、まだまだ資源化できる可能性は大きい。


 

中央区




 

港区

 

新宿区

 

江東区


 

大田区

 

世田谷区

 

足立区



各区の集計、微妙に数字が合わない、
合計と数値がずれている区もあったので、
合計も、大まかな傾向を見る程度に、



●各区の【可燃物】再利用量と処分量 
8区分の可燃物の再利用率 約57% 処分量(おそらく清掃工場)は約27万トン





●【可燃物】の処分量  8区分の処分量(おそらく23区内の清掃工場行き)約27万トン 




●「再利用計画書」再利用量と処分量【紙類】 8区分の紙類の再利用率は74.3%




●千代田、中央、港、新宿、江東、大田、世田谷、足立
【紙類】発生量 合計約40万トン
 紙類の発生量全体からみると、、
再利用率のやや低めのミックスペーパー、その他紙が45%を占めている。





●【紙類】処分量 区別内訳 紙類だけでも約10万トン、おそらく清掃工場で燃やされている!!




●千代田、中央、港、新宿、江東、大田、世田谷、足立
【紙類】再利用量と処分量 合計約40万トン
 
再利用率74.3%といえども、再利用されずに処分される紙が10万トンを超えている。

 

ということで、8区分だけの事業用大規模建築物「再利用計画書」からみえてくることは
可燃ごみ「紙類」「生ごみ」「草木」「その他」の発生量は約62万トン、再利用された量は約35万トンで資源化率は約57%、そして、処分量は約27万トンでおそらく清掃工場に持ち込まれたか?

区によって発生量の割合もそれぞれ異なるが、、どこの区も、紙類の資源化はかなりよい。8区分ではあるが、紙類の発生量は約40万トンのうち、74.3%は資源化されている。そして、資源化されずに処分される紙が10万トンを超えている。そして、オフィスペーパー、ミックスペーパーといわれる紙類は、あまり手がつけられていないという実態がみえてくる。大規模事業所でそうだから、、小規模事業所などでは資源化率はもっと低いのかもしれない。また、8区全てで、生ごみ、草木の資源化は非常に悪い。

これは千代田、中央・港・新宿・江東・大田、世田谷・足立の事業用大規模建築物「再利用計画書」からの集計である。23区の事業系持込ごみ量は年間約96万トンである。また、、都心部の区収集の事業系ごみもかなりの量が想像できる。

23区の各区とも、家庭ごみに関しては各種リサイクルを実施している。紙類に関しても、新聞、雑誌、段ボール、紙パックの他に、いまでは「雑がみ」回収にも力を入れている。事業系ごみに関しても、もっともっとオフィスペーパー、ミックスペーパーの資源化に取り組む仕組みを充実すべきとおもう。

 




東京二十三区清掃一部事務組合の、一般廃棄物処理基本計画の改定のなかで
事業系ごみ量予測で、排出抑制量として、

大規模事業所は再利用計画書による資源化量をもとに、
資源化率 58%(平成24年度)→ 60%(平成32年度)、

紙の資源化率を平成24年度の45%から平成32年度に50%に増加すると見込むと、全体の資源化率は26%となるが、過去5年間の全体の傾向からは27%と見込めるため、本推計では平成32年度の排出抑制率を27%とした。←遠慮せずに、もっと資源化率見込めと、資源化可能な紙類の清掃工場への持ち込み禁止に結びつけたくて、、、、、
中小事業所は、調査における過去の資源化率の傾向により、
資源化率 24%(平成24年度)→ 27%(平成32年度)と予測していた。


23区の「紙の資源化率を平成24年度の45%」となっているが、8区分を調べた限りでは74.3%である。調べていない15区の資源リカ率がよほど悪いのか?!
(またしても勘違い発見、「紙の資源化率を平成24年度の45%」は、大規模事業所ではなく、中小規模事業所の資源化率であった。大規模事業所に関しては、紙類のうちの雑がみの資源化率(H24:46%→H32:50%)ということで、ほぼそんなものかもしれない。8区分では、ミックスペーパーとして資源化している区と、その他としている区があるのではっきりした数字はでてこなかった。追記2014/06/14)


ということで、とりあえず、資源化率 58%(平成24年度)の再確認と、紙類に関してはミックスペーパーの資源化率、生ごみが足を引っ張っての可燃ごみ60%台となっている状況をデータファイルからみることにした。(食品リサイクル法適用時業者の業種別削減目標などもどうなっているのか?)


紙類の発生量は約40万トン、廃棄分だけでも10万トンを超え
経済センサス‐基礎調査(平成21年)によると、23区の総事業所数は553,684事業所。そのうちの、千代田、中央、港、新宿、江東、大田、世田谷、足立の事業用大規模建築物の事業者 6,031件の事業者分をみただけで、、なにがわかるわけでもないのだろうが、おおまかな傾向くらいは読み取れそうだと、、じっくりと、用途別、業種別などで紙類の資源化などを比較してみようと思う。しかし、これだけの事業者の紙類の発生量は約40万トン、廃棄分は10万トンを超えている。とりあえず~ 

 



23区 古紙発生量推計(平成19年度推計)年間162万5千トン
23区だけで、年間162万トンも古紙が発生しているのかと、少し眉唾にも感じていたが、平成19年当時は、国内の紙・板紙消費量も3千万トンを超えていたので、それもあり得るのかもしれない、しかし、平成21年頃から大幅に紙・板紙の消費量は、大幅に減少し2700万トン台まで落ち込んでいるので、今では、古紙発生量も大幅に減少していると思うが~ 9区分の大規模建築物からの発生だけでも40万トン(段ボール含む)なので、23区全体からみると、、、、

オフィスで発生する古紙の量
 財団法人古紙再生促進センターが平成15年度に実施した調査の発生量原単位及び東京23区清掃一部事務組合が実施した平成16年度~18年度の事業系ごみの原単位調査のデータを活用して、全国のオフィスで発生した古紙、OA用紙、機密文書、シュレッダー古紙の発生量を推計すると、


東京23区 発生量(平成19年度推計)
オフィス発生古紙 1,288千トン/年
OA用紙       186千トン/年
機密文書      107千トン/年
シュレッダー古紙  44千トン/年





●23区ごみ量実績(区収集+持込みごみ)(平成24年度)



久しぶりの23区役所巡り
23区の各役所は、容器包装プラスチックの資源化取組の先進区や、廃プラサーマル時の先発区などに、聞き取りかねてまわって歩いたことはあるが、今回の「再利用計画書」は、清掃事務所が担当の区も多く、まわって歩くのも,ネットで場所確認から、なにしろ方向音痴なので。そして、事前に電話での確認時にも、いろ~~んなやりとりがあった。結局、23区の全ての区は諦めて、年間持込みごみが4万トン以上(渋谷を除く)の区のみ集めることにした。いつもは、パソコン画面に向かって、コピペばかりしているので、久しぶりに、いろんな区の担当者とやりとりしてとても有意義であった。名は体を表すとはいうが、「ごみ減量課」「ごみ減量推進課」「事業系ごみ減量課係」と、、、いいですね。うちの区は「清掃・リサイクル課」、、各区とも、ごみ減量に力をいれてはいるが、資源化率を上げるだけではなく、発生抑制をもっと前面に出した取組もみていきたい。


関連(本ブログ) ↓↓事業系ごみ含む数値目標を掲げている区も増えてきた~
■23区の「一般廃棄物処理基本計画」からごみ減量目標を抜粋(2014年06月08日)


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おさらい(過去の本ブログから)
23区の事業系古紙(オフィス発生古紙)にスポットをあてってみる~
古紙再生促進センターの「平成24年度 オフィス発生古紙リサイクル状況調査報告書」によると、『従業員規模が300人以上の事業所は、回収量も多く、回収率も高い。従業員規模が50~299人では、回収量は少ないが、回収率は80%を上回っている。従業員数がそれ以下の事業所は、回収量も少なく、回収率も平均値を下回っている。』となっている。

事業系のオフィス発生古紙の流通と課題として
事例を元にまとめられているのだが、主なものを取り出すと、
・オフィスビルの保管スペースの問題(古い建物)
・オフィスビルの指導も必要
(廃棄物の処理はオフィスビルが一括で廃棄物処理業者に委託が多い)
・再利用計画書の課題(3,000m2以上の事業者から1,000m2以上への拡大?)
・23区の統一したルール(現状は各区によって違いがある)
(廃棄物処理業者は23区の垣根はない)
・ごみと資源の混載禁止の問題
・オフィス発生古紙の回収量を増やすにはミックスペーパーの回収量拡大を
・ミックスペーパーの品質

参考
古紙再生促進センター資料
■平成24年度 オフィス発生古紙リサイクル状況調査報告書 (7.4 MB)

23区の取組
事業系古紙の資源化状況 (積極的な取組事例)

千代田区:事業所の古紙リサイクル(エコオフィス町内会)
世田谷区:事業系リサイクルシステム
杉並区:事業系リサイクル
板橋区:板橋区オフィスリサイクルシステムについて(古紙回収)
練馬区:事業系のごみ処理 古紙は民間回収ルートへ
ウエーブ上で検索した限りでは、その他の区は、事業系ごみの減量・リサイクル「適正処理ハンドブック」等のようなものや、3000m3以上事業者への講習会などの指導、小規模事業者には、行政の古紙回収にごみ処理券をはってだせるようにしている区も多い。

経済センサス‐基礎調査は、業種別や従業員数はあれど、事業所の延べ床面積別の分類はないので、、、、

●23区 総事業所数は553,684事業所


参考
総務局 平成23年7月27日
平成21年経済センサス‐基礎調査報告
― 東京都分 (平成21年7月1日現在) ―

平成21年経済センサス‐基礎調査の東京都分の集計結果(確報値)がまとまりましたのでお知らせします。
「経済センサス‐基礎調査」は、すべての産業分野における事業所及び企業の活動からなる経済の構造を全国及び地域別に明らかにすること、各種統計調査実施のための基礎資料を得ることを目的として創設され、平成21年7月に第1回目の調査が実施されました。
1 概 況
○ 事業所数69万4212事業所、従業者数952万835人でともに全国第1位 (図1)
 対全国比で事業所数が11.5%、従業者数が15.1%
○ 全国の本所(本社・本店)の16.3%が東京都に集中 (図2)
 対全国比で第2位の大阪府(9.0%)を大きく引き離す
○ 「情報通信業」の従業者数は東京都が全国の49.4%を占める (図3)
 事業所数では、対全国比で32.9%

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