東京23区のごみ問題を考える

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東京23区 ダイオキシン類〈雨水〉測定結果への対応姿勢

2009年10月04日 13時04分23秒 | 東京23区のごみ

■東京二十三区清掃一部事務組合のダイオキシン類〈雨水〉測定結果への対応姿勢はこれでいいのだろうか?!

●東京二十三区清掃一部事務組合の場合、中防灰溶融施設の「溶融スラグから基準値の96倍の鉛検出」や「排ガス中の水銀濃度が自主規制値を超過」でも、一組内部で原因調査をしてその結果を報告をする程度である。練馬や豊島等の焼却炉トラブルも、新聞報道があれば、その後、はじめて一組から何らかの公表もある場合もあるが~ おおむね、何か起こっても公表もないままに内部で処理されておしまいである。

●東京23区の複雑な清掃事業体制の中で、各区には「環境審議会」や「廃棄物審議会」等があり、一部の区には「清掃工場運営協議会」もある。「一部事務組合」が一つの地方自治体と同じであるならば、東京二十三区清掃一部事務組合のなかにも彩の国資源循環工場のように、環境調査結果について評価する委員会のようなものが必要なのかもしれない。

●日本でも最大規模であろう清掃一部事務組合、現状で21の清掃工場、7つの灰溶融施設、不燃ごみ処理センター、粗大ごみ破砕処理施設などを管理運営していて、環境面や事故トラブルに関しても全て内部で評価や対策をおこなっている。(唯一、「サーマルリサイクル実証確認結果の確認等検討委員会」は設置されてはいるが~)

●雨水のダイオキシン類環境基準に対する考え方はいろいろあるようだ。専門的なことは分からないが~ 練馬工場の6.8 pg-TEQ/Lはけっして一般的な雨水の数値ではなく、異常な高濃度であることはまちがいない事実である。たとえ、排水基準(10pg-TEQ/L)以内であれ、なぜ6.8 pg-TEQ/Lになったのかの調査分析は必要だと思う。全てアスファルト舗装されているとはいえ、植え込みなどもあるだろう敷地内の土壌の調査・公表も求める。是非、一般的な雨水のダイオキシン類と練馬工場のダイオキシン類(焼却由来のダイオキシン類がどの程度占めているのか)のデータを比較分析してほしい。
※練馬清掃工場の敷地内が全てアルファルト舗装されているのかの確認で、周辺をGoogle マップのストリートビューで見てみた。敷地内は他の工場に比べて緑が少ない。ほんとうにすぐそばに住宅があり、洗濯物を干している家もあった。一部に畑らしきものもあり。練馬に限らず、23区の清掃工場周辺住民の悲劇でもある。

●ダイオキシン類〈雨水〉に限らず、環境面の安全評価をしっかりと検討する場が必要なのではないだろうか。今後、大田第二工場の解体工事もある。東京二十三区清掃一部事務組合の環境対策がより確実におこなわれるように、東京二十三区清掃一部事務組合事業に対する環境安全評価委員会(仮称)のようなものを設置するというのはどうだろうか?

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以下、参考「彩の国資源循環工場の環境調査評価委員会の対応」

●彩の国資源循環工場で、雨水最終排水口において参考としている環境基準値を超過する濃度(平成18年10月に1.2ピコグラムTEQ/L、12月には6.1ピコグラムTEQ/L)のダイオキシン類が確認されたことで、「環境調査評価委員会」を設置し、流入経路を特定する調査を実施している。但し、サーモセレクトガス化溶融炉など個別事業などの環境測定は公表されていない。

【彩の国資源循環工場の「雨水」環境基準の考え方】
 彩の国資源循環工場運営協定に基づいて実施した環境調査において、防災調節池に流入する直前の雨水排水から、平成18年10月に1.2ピコグラムTEQ/L、さらに、12月には6.1ピコグラムTEQ/Lのダイオキシン類を検出しました。雨水排水にはダイオキシン類濃度の基準はありませんが、いずれも水質環境基準(1ピコグラムTEQ/L)を超過しました。このため、県は予防的観点から、原因を把握するために追跡調査を実施しました。
彩の国資源循環工場環境調査評価委員会(第1回)より
詳細は:http://www.pref.saitama.lg.jp/A09/BC01/jyunkan/sokuho/assesscommittee1.pdf

「彩の国資源循環工場」とは
オリックス資源循環(サーモセレクトガス化溶融炉)のサーマルリサイクルや、生ごみ、蛍光管、建設廃材等の各種リサイクル施設の集合体
http://www.pref.saitama.lg.jp/A09/BC01/jyunkan/jyunkan.html

彩の国資源循環工場環境調査評価委員会
  平成19年3月9日に、環境調査の結果・超過原因の特定・改善対策などについて評価を求めるため、外部有識者や地元住民代表からなる評価委員会を設置しました。
http://www.pref.saitama.lg.jp/A09/BC01/jyunkan/assesscommittee.html

■彩の国資源循環工場環境調査評価委員会(第3回)について
平成19年12月6日(木)
 昨年度、彩の国資源循環工場雨水最終排水口において参考としている環境基準値を超過する濃度のダイオキシン類が確認されたことについて流入経路を特定するための調査を実施しました。
○調査の目的
昨年度、雨水最終排水口で参考としている環境基準値を超過する濃度のダイオキシン類が確認されたことについて流入経路を特定する。
また、降雨とともに雨水排水路に流入する周辺土壌についてもダイオキシン類を測定し、周辺土壌の流入による雨水排水への影響を確認する。
○測定結果(測定地点図はこちら
・雨水排水調査(試料採取平成19年10月1日(月)天候:小雨のち曇り)
雨水排水中(懸濁態+溶存態)のダイオキシン類濃度(pg-TEQ/L)は、
 C1地点 0.33pg-TEQ/L
 C2地点 0.088pg-TEQ/L
 B1地点 1.1pg-TEQ/L
 B2地点 0.066pg-TEQ/L
 H地点 3.3pg-TEQ/L

 雨水排水中のダイオキシン類は、主に懸濁物質(土砂等)に付着して存在していたものとみられる。
 また、懸濁態のダイオキシン類の同族体構成比を調べたところ、山側の雨水のみが流入するC2と類似の構成比をもつB1、B2、C1各地点については、主体は土壌に由来するものと考えられる。H地点のダイオキシン類は同族体構成から焼却に由来するものと考えられる。
○結果のまとめ
① 運営協定で定められた雨水最終排水口であるC1地点では0.33pg-TEQ/Lと参考としている環境基準値以内であり、ダイオキシン類の同族体構成は土壌に由来するものとみられる。
また、防災調節池の水質・底質調査においても、参考としている環境基準値を下回り、外部への影響は認められなかった。
② 上流部の雨水排水調査において、B1、B2の各地点は、対照としたC2地点とダイオキシン類の同族体構成が類似しており、雨水排水のダイオキシン類は主に一般的な土壌に由来するものと推定された。
一方でH地点のダイオキシン類は同族体構成から焼却に由来するものとみられる。H地点は雨水排水の集水域の大半が道路であることから、道路に付着している塵等の流入によるものと考えられ、通行する車両の影響が大きいものと推察されるが原因を特定することは困難である。
○今後の対応
 防災調節池への懸濁物質の流入を低減するため、路面、雨水排水路、事業場内等の清掃管理の徹底や、雨水排水路周辺裸地の植栽を行うとともに、雨水排水路内に濾過施設の設置を行う。これらの対策とあわせて、定期の環境調査等でモニタリングを強化し、注意深く観察していく。
以上、「彩の国資源循環工場環境調査評価委員会(第3回)」より抜粋
詳細は:http://www.pref.saitama.lg.jp/A09/BC01/jyunkan/sokuho/assesscommittee3.pdf

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