純正600ccのインジェクターでは足らない部分が出てきてしまったデモカーのGT-Rに
サードの900ccインジェクターを装着し、再度セッティングしました。
高負荷、高回転域の噴射率も78パーセントほどに落ち着き、
厄介な燃料カットも全く入らなくなりました。
これで、気の済むまでセッティングに打ち込めます。
まずは前回のセッティング時に感じた4000rpm以降のパワーの落ち込みを
A/Fと点火を見直して改善しました。
5200rpmまでは予想どうりの結果でしたが、
5400rpmからレブまでのパワーが落ち込んでしまい、なかなか良い結果が出ませんでした。
A/Fを薄くしてパワーを出すことはやめて、燃料を増量、点火を進角
そしてVTCも進角させることで高回転時のパワーの落ち込みを消すことができました。
結果は
緑がノーマルインジェクターでいっぱいいっぱいだったときのパワーカーブです。
赤色が今回のセッティング完了後のラインですが
なんと触媒ストレート装着時のパワーよりも全域でアップしています。
セッティングをきちんと行えば触媒ストレートと同等かそれ以上のパワーが出る
サードの触媒は本当にお勧めのパーツです。
トルクなんかは95.9kと限りなく96kに近い数字を出していますが
常時95k以上を発揮させるとコンロッドが曲がると言う
HKSの開発エンジニアリングの言うことを聞いて
(たぶん98kぐらいは何とかなると思いますが、HKSの車は95kでこわれたらしい。)
エンジン保護の為、点火のリタードとブースト制御で94kほどに落としました。
これで一般にブーストアップと呼ばれるチューニングの中では
完成に近い状態になりましたので、ひとまずR35のパワーアップは終了です。
今後はMTの強化やメンテナンス、ブレーキ等のチューニングを紹介してゆきます。