『 ポートピア連続殺人事件(1985・FC版)』
どんなゲーム?
1985年11月29日にエニックス(現在のスクウェア・エニックス)より発売されたファミリーコンピュータ用ADV(アドベンチャーゲーム)。ドラゴンクエストで有名な堀井雄二さんが手がけたゲームですが、それよりも”日本一犯人が有名なゲーム”として知られています。
元々は1983年6月にPC-8801版から始まり、多くの家庭用PCに移植された後ファミリーコンピュータ版が発売され、FC初のADVとなりました。
ちなみにFC版への移植に際し、容量不足には苦しめられたとのことで、PC版から台詞を少しずつ削って容量を節約したとのことです。
本作はコマンド選択方式のADVでプレイヤーは刑事の”ボス”に成り代わって相棒の”ヤス”とともに犯人を追うことになります。
かつてPCのAVGはキーボードによるコマンド入力が主流であったのですが、ファミコンのコントローラーでそれは困難なためコマンド選択式を採用しています。このためゲームの難易度はPC版よりも下がっているとのこと。
ただし、コマンドを適当に選択しているだけでゲームが終わらないように画面内でカーソルを動かして任意の場所を指定して”さがす”&”たたく”要素や3DダンジョンがFC版オリジナルとして追加されています。
ちなみに相棒のヤスだって”たたく”ことができます(笑)。
本作の結末を知ってると相棒ヤスのこの反応に腹が立つんですがね・・・。
それはさておき子供時代にどんなにとんちんかんな行動をとってもヤスが漫才のようにツッコんでくれるのが楽しくていろいろ遊んだもんです。虫眼鏡で太陽を調べるとヤスに怒られるので一度やってみてください。
そして3Dダンジョン。RPGのように敵とエンカウントするワケではありませんが、何気に複雑でトラップも仕掛けられているためワタクシは子供時代にこの3Dダンジョンに手を焼き結局クリアを断念した苦い記憶があります。
それから効果音のみでBGMが一切ないことやコンティニュー用パスワードやバッテリーバックアップといった進行状況を保存する機能が存在しないことも本作の大きな特徴です。
どんなストーリー?
黒い噂の絶えない金融会社、「ローンやまきん」の社長・山川耕造が殺害された。しかし耕造の発見された部屋は完全な密室であった。兵庫県警察の刑事である主人公(ボス)は事件の究明のため、部下のヤス(真野康彦)と共に捜査を開始する(Wikipediaより引用)。
感想
およそ30年ぶりに遊びましたが、なかなか面白かったです。
本作はワタクシにとって初めてのADVだったためか苦戦した記憶しかありませんでした。
だから”遊び方がよくわからなくて、つまらないゲーム”と思っていたんですが、今回の遊び直しでその印象は180°転換しました。
だってストーリーが面白いんですもん!
二転三転する犯人探しの面白さとその犯人を追う過程で徐々に見えてくる悲しくも切ない物語がうまく絡み合っていて、まるで2時間ミステリードラマを観ているようでした。
昔のゲームであるがゆえに今のゲームと比べれば明らかにボリューム不足ですが、本当にしっかり作られていて感心しました。
ワタクシは子供時代、クリア前に本作の犯人を知ってしまったためにずっと本作をプレイする気になりませんでしたが、ちゃんと遊んでみると犯人がわかっていても楽しめるゲームであることがよくわかりました。
ゲームの性質上、この記事で詳しくストーリーを書きませんが、先日Twitterで呟いていたプレイの進捗状況をブログ記事にまとめているので興味があったらそちらを読んでみてください。
『ポートピア連続殺人事件』進捗ツイートまとめ第1夜(第9夜まであります)
そして、そのストーリーを支えているのが、登場人物の描写ですね~。
シンプルなグラフィックで数少ないテキストを駆使しながら、どの登場人物もキャラが立っていました。
特にこうぞうの甥・としゆきは発売当時の”不良キャラ”そのままのグラフィックや態度の悪さがにじみ出るテキストの巧みさには舌を巻きました。
リーゼント頭にサングラスで煙草を吸うとか時代を感じるお姿ですが、キャラを一発で理解できるわかりやすさ!
それにひらたの娘ゆきこの喋り方も興味深かったですね~。
目上のボス達と話す時も父親のことは「おやじ」って言うし「しんない」って知らないの若者言葉(当時の)を使うし、テキストだけで元ヤン女子高生をうまく表現してますからね~。
ちなみにゆきこのグラフィックは当時人気アイドルだった斉藤由貴さんをモデルにしてるらしいです。
それはさておき、そもそも文字数を節約するだけなら、いちいち登場人物に話をさせる必要はないと思うのですが、それでは人物描写が不十分と考えたのでしょうね。
逆に事件のキーマンの一人である被害者こうぞうにはグラフィックやセリフも用意されず、終盤での証言や”あるもの”が登場するまでは、本当の人となりが巧みに伏せられているのも驚きました。こうぞうのことがわかり過ぎてしまうと事件が発展しませんからね~。
こういうところに堀井さんのセンスを感じてしまいます。
ところでストーリーは確かに面白いのですが、レトロゲームゆえの不親切な仕様もありました!
まずFC版で追加された”任意の場所”を探索できるシステムです。
上はこうぞうの書斎の画像ですが、この中に重要アイテムがいくつも隠されています。これを”任意の場所”を指定して探すんですから、かなり骨が折れます。
ワタクシは子供時代の遠い記憶(と攻略サイト)に助けられたのでそこまで苦労はしませんでしたが、パッと見でどこが怪しいのか全然わからないグラフィックで虱潰しに調べる苦労はさすがに嫌ですね~。
本作ではこれが結構重要になってくるから困ります。なにかすると怪しい場所が光るとか何かしらヒント的なものがないとノーヒントでの攻略はかなり骨が折れるでしょう。
それからパスワードやセーブといった進行状況を保存する機能が存在しないことも不親切ですね。せっかく捜査を進めても電源を落としてしまうと全部無駄になってしまいますからね~。
そしてワタクシに本作の攻略を断念させた3Dダンジョンです。
上にも書きましたが、結構複雑かつ仕掛けも施されたダンジョンにも関わらず、レトロゲームゆえにオートマッピングなんて親切な機能が搭載されてるハズもなく、3Dダンジョンの苦手なワタクシにとって、このダンジョンはトラウマでした。
今回の遊び直しで自力で攻略を目指したのですが、やはり上手くいかず攻略サイトの力を借りることにしました。
いくら難易度調整のためとはいえ、これらは不親切すぎましたね・・・。
FCポートピア連続殺人事件クリアまで
ゲームの開始からクリアまでの動画を借りてきました。これから本作を遊びたい人はご注意ください。まぁこのゲームの犯人を知らない人はいないでしょうけどね。
動画をご覧いただくとわかるかと思いますが、本作にはBGMが一切ありません。
これは物足りない印象であるのは間違いないのですが、大人になって遊んでみると意外に本作とBGMなしはマッチしてるとも思いました。
BGMで盛り上げても合うとは思うのですが、本作の子供のお絵かきようなグラフィックで描かれる死体の発見シーンは効果音だけの方が不気味で怖さが増すんですよね~。
そういえば子供が書いたみたいなグラフィックやBGMなしの仕様は子供の頃に”物足りない”と感じた要素のハズなんですが、大人になってプレイしてみるとあまり気にならなかったですね。
むしろ、”物足りない”部分を”余白”として受け止めて自分のイマジネーションで補完していたと思います。つまり漫画や小説を読むような感覚で本作を楽しんでいたということです。
これは人生経験の少ない子供時代にはできない楽しみ方かもしれませんね。人生経験だけなら子供時代に今の自分が負けるワケありませんから。
ワタクシは本作をそのストーリーから”子供向けのゲーム”じゃないと思いながら遊び直しましたが、その楽しみ方を考えるとそもそも”大人向けのゲーム”だったのかもしれないですね~。
だから、本作は不親切な部分を大目に見れば今でも十分に楽しめるゲームなっているのではないと思うのです。
いまのところFC版はダウンローと版などもリリースされていなくて実機でないと遊べませんね。質を問わなければAmazon経由で低価格にて入手できそうですね。
ワタクシはクイックセーブできるレトロフリークで遊びました。おかげで少しずつ進めることができました。
本作をセーブありで遊ぶのと無しで遊ぶのではだいぶ印象が変わるもので、ストーリーをしっかり楽しむにはレトロフリークがオススメです。
ということで今回はここまで、次回乞うご期待!
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どんなゲーム?
1985年11月29日にエニックス(現在のスクウェア・エニックス)より発売されたファミリーコンピュータ用ADV(アドベンチャーゲーム)。ドラゴンクエストで有名な堀井雄二さんが手がけたゲームですが、それよりも”日本一犯人が有名なゲーム”として知られています。
元々は1983年6月にPC-8801版から始まり、多くの家庭用PCに移植された後ファミリーコンピュータ版が発売され、FC初のADVとなりました。
ちなみにFC版への移植に際し、容量不足には苦しめられたとのことで、PC版から台詞を少しずつ削って容量を節約したとのことです。
本作はコマンド選択方式のADVでプレイヤーは刑事の”ボス”に成り代わって相棒の”ヤス”とともに犯人を追うことになります。
かつてPCのAVGはキーボードによるコマンド入力が主流であったのですが、ファミコンのコントローラーでそれは困難なためコマンド選択式を採用しています。このためゲームの難易度はPC版よりも下がっているとのこと。
ただし、コマンドを適当に選択しているだけでゲームが終わらないように画面内でカーソルを動かして任意の場所を指定して”さがす”&”たたく”要素や3DダンジョンがFC版オリジナルとして追加されています。
ちなみに相棒のヤスだって”たたく”ことができます(笑)。
本作の結末を知ってると相棒ヤスのこの反応に腹が立つんですがね・・・。
それはさておき子供時代にどんなにとんちんかんな行動をとってもヤスが漫才のようにツッコんでくれるのが楽しくていろいろ遊んだもんです。虫眼鏡で太陽を調べるとヤスに怒られるので一度やってみてください。
そして3Dダンジョン。RPGのように敵とエンカウントするワケではありませんが、何気に複雑でトラップも仕掛けられているためワタクシは子供時代にこの3Dダンジョンに手を焼き結局クリアを断念した苦い記憶があります。
それから効果音のみでBGMが一切ないことやコンティニュー用パスワードやバッテリーバックアップといった進行状況を保存する機能が存在しないことも本作の大きな特徴です。
どんなストーリー?
黒い噂の絶えない金融会社、「ローンやまきん」の社長・山川耕造が殺害された。しかし耕造の発見された部屋は完全な密室であった。兵庫県警察の刑事である主人公(ボス)は事件の究明のため、部下のヤス(真野康彦)と共に捜査を開始する(Wikipediaより引用)。
感想
およそ30年ぶりに遊びましたが、なかなか面白かったです。
本作はワタクシにとって初めてのADVだったためか苦戦した記憶しかありませんでした。
だから”遊び方がよくわからなくて、つまらないゲーム”と思っていたんですが、今回の遊び直しでその印象は180°転換しました。
だってストーリーが面白いんですもん!
二転三転する犯人探しの面白さとその犯人を追う過程で徐々に見えてくる悲しくも切ない物語がうまく絡み合っていて、まるで2時間ミステリードラマを観ているようでした。
昔のゲームであるがゆえに今のゲームと比べれば明らかにボリューム不足ですが、本当にしっかり作られていて感心しました。
ワタクシは子供時代、クリア前に本作の犯人を知ってしまったためにずっと本作をプレイする気になりませんでしたが、ちゃんと遊んでみると犯人がわかっていても楽しめるゲームであることがよくわかりました。
ゲームの性質上、この記事で詳しくストーリーを書きませんが、先日Twitterで呟いていたプレイの進捗状況をブログ記事にまとめているので興味があったらそちらを読んでみてください。
『ポートピア連続殺人事件』進捗ツイートまとめ第1夜(第9夜まであります)
そして、そのストーリーを支えているのが、登場人物の描写ですね~。
シンプルなグラフィックで数少ないテキストを駆使しながら、どの登場人物もキャラが立っていました。
特にこうぞうの甥・としゆきは発売当時の”不良キャラ”そのままのグラフィックや態度の悪さがにじみ出るテキストの巧みさには舌を巻きました。
リーゼント頭にサングラスで煙草を吸うとか時代を感じるお姿ですが、キャラを一発で理解できるわかりやすさ!
それにひらたの娘ゆきこの喋り方も興味深かったですね~。
目上のボス達と話す時も父親のことは「おやじ」って言うし「しんない」って知らないの若者言葉(当時の)を使うし、テキストだけで元ヤン女子高生をうまく表現してますからね~。
ちなみにゆきこのグラフィックは当時人気アイドルだった斉藤由貴さんをモデルにしてるらしいです。
それはさておき、そもそも文字数を節約するだけなら、いちいち登場人物に話をさせる必要はないと思うのですが、それでは人物描写が不十分と考えたのでしょうね。
逆に事件のキーマンの一人である被害者こうぞうにはグラフィックやセリフも用意されず、終盤での証言や”あるもの”が登場するまでは、本当の人となりが巧みに伏せられているのも驚きました。こうぞうのことがわかり過ぎてしまうと事件が発展しませんからね~。
こういうところに堀井さんのセンスを感じてしまいます。
ところでストーリーは確かに面白いのですが、レトロゲームゆえの不親切な仕様もありました!
まずFC版で追加された”任意の場所”を探索できるシステムです。
上はこうぞうの書斎の画像ですが、この中に重要アイテムがいくつも隠されています。これを”任意の場所”を指定して探すんですから、かなり骨が折れます。
ワタクシは子供時代の遠い記憶(と攻略サイト)に助けられたのでそこまで苦労はしませんでしたが、パッと見でどこが怪しいのか全然わからないグラフィックで虱潰しに調べる苦労はさすがに嫌ですね~。
本作ではこれが結構重要になってくるから困ります。なにかすると怪しい場所が光るとか何かしらヒント的なものがないとノーヒントでの攻略はかなり骨が折れるでしょう。
それからパスワードやセーブといった進行状況を保存する機能が存在しないことも不親切ですね。せっかく捜査を進めても電源を落としてしまうと全部無駄になってしまいますからね~。
そしてワタクシに本作の攻略を断念させた3Dダンジョンです。
上にも書きましたが、結構複雑かつ仕掛けも施されたダンジョンにも関わらず、レトロゲームゆえにオートマッピングなんて親切な機能が搭載されてるハズもなく、3Dダンジョンの苦手なワタクシにとって、このダンジョンはトラウマでした。
ポートピア連続殺人事件を本格的に遊ぶ前に地下ダンジョンを自力でマッピングしようと思ったのですが、意外に広くて断念しました😭方眼紙さえあれば❗方眼紙さえあれば❗という訳でダンジョンのマップは攻略サイト見ることにしました😆てへぺろ😋 pic.twitter.com/rQRcVobwL4
— ヴァニラ☆エース (@ace40_vanilla) June 28, 2019
今回の遊び直しで自力で攻略を目指したのですが、やはり上手くいかず攻略サイトの力を借りることにしました。
いくら難易度調整のためとはいえ、これらは不親切すぎましたね・・・。
FCポートピア連続殺人事件クリアまで
ゲームの開始からクリアまでの動画を借りてきました。これから本作を遊びたい人はご注意ください。まぁこのゲームの犯人を知らない人はいないでしょうけどね。
動画をご覧いただくとわかるかと思いますが、本作にはBGMが一切ありません。
これは物足りない印象であるのは間違いないのですが、大人になって遊んでみると意外に本作とBGMなしはマッチしてるとも思いました。
BGMで盛り上げても合うとは思うのですが、本作の子供のお絵かきようなグラフィックで描かれる死体の発見シーンは効果音だけの方が不気味で怖さが増すんですよね~。
そういえば子供が書いたみたいなグラフィックやBGMなしの仕様は子供の頃に”物足りない”と感じた要素のハズなんですが、大人になってプレイしてみるとあまり気にならなかったですね。
むしろ、”物足りない”部分を”余白”として受け止めて自分のイマジネーションで補完していたと思います。つまり漫画や小説を読むような感覚で本作を楽しんでいたということです。
これは人生経験の少ない子供時代にはできない楽しみ方かもしれませんね。人生経験だけなら子供時代に今の自分が負けるワケありませんから。
ワタクシは本作をそのストーリーから”子供向けのゲーム”じゃないと思いながら遊び直しましたが、その楽しみ方を考えるとそもそも”大人向けのゲーム”だったのかもしれないですね~。
だから、本作は不親切な部分を大目に見れば今でも十分に楽しめるゲームなっているのではないと思うのです。
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いまのところFC版はダウンローと版などもリリースされていなくて実機でないと遊べませんね。質を問わなければAmazon経由で低価格にて入手できそうですね。
レトロフリーク (レトロゲーム互換機) メガブラック ギアコンバーターセット | |
サイバーガジェット | |
サイバーガジェット |
ワタクシはクイックセーブできるレトロフリークで遊びました。おかげで少しずつ進めることができました。
本作をセーブありで遊ぶのと無しで遊ぶのではだいぶ印象が変わるもので、ストーリーをしっかり楽しむにはレトロフリークがオススメです。
ということで今回はここまで、次回乞うご期待!
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