原恵一監督最新作『カラフル』を見てきました。
すごくよかったです。
以前のブログにも書いたとおり、ポロポロと涙がでました。
でも、予想通り重いテーマ性のある物語と淡々と日常が進んでいく展開だったので、正直小学生が見ても退屈な映画だったと思います。
実際、横で見ていた女の子は退屈そうに体を動かしてて、鬱陶しかったです。まぁ、一緒に来ていたお母さんは号泣してましたケドね。
とと、話を戻して。
映画のあらすじを初めに紹介しときますと。
「僕」は一度死んだはずだが、天使に「抽選にあたりました!」と言われ、生まれ変わり「小林真」という中学生としてもう一度人生をやり直すチャンスを与えられる。そして、小林真として生活が始まるのだがさまざまな困難が立ちはだかった。(ウィキペディアより)
なんかファンタジックな話なのかなぁ~と思いきや、”天使(本人は明確にしてない)プラプラ”が登場するシーン以外はほとんどが日常のシーンばっかりなんですけどね。
だからって別にそれが悪いワケじゃないですよ。むしろそこが原監督の真骨頂だったと思います。
アクションのシーンなんて当然ないんですが、キャラクターの細かい動きとかですごく”イイ演技”させてるのですよ~。
その演技と絶妙な脚本がいい化学反応を起こして、すごく魅力的でしたね~。
脚本でいえば現代の中学生が使っていそうな”ハブられる”とかそういう表現が出てきててすごく自然、それからプラプラはなぜか関西弁をしゃべります。
この関西弁のおかげで彼が一番キャラが立ってました。
それもあってか、たまに出てくるプラプラが物語のアクセントになっていましたね~。
そうそう、キャラの話でいえば、主人公に想いを寄せるクラスメートの”佐野唱子”がヒロインクラスの女性キャラなのに不細工!ってのがワタクシ的に最高ですね。
さらに唱子は主人公から「メガネをとっても不細工」と言われる始末。
それにもう一人のヒロインクラスの女性キャラ”ひろか”の泣き顔がまた不細工(というかキレイに泣かない)。
類型的なキャラづくりをしない原監督のイズムを感じました。
それから親友”早乙女くん”も見た目は冴えないケド、表情やセリフで彼の内面の良さを滲み出させていましたね~。
早乙女くんとのエピソードがこの映画のひとつの見所でワタクシもすごく好きなところでもありますね。
”キャラクターの演技”って書きましたケド。「アニメで演技?」と首をかしげるかもしれませんね。
アニメも実写と同様にキャラクターに演技させてるワケでそれが演出とか監督に仕事なんですが、昨今のアニメではキャラの演技そのものが類型化されてて、演技って気づかないんですよね。
それにひきかえ、この映画はちゃんとキャラに演技させてますのでその辺も必見です。
例えばベッドでふて寝する主人公にプラプラが説教するシーンではプラプラが足で主人公をグリグリ蹴ります(プラプラはちゃんと靴脱いでるところにも注目)。
普通のアニメならプラプラの顔アップ、ふて寝する主人公を交互に描写するとかで細かい演技なんてさせないと思うんですけどね。
それからワタクシの見間違いでなければ、終盤の食卓のシーンで主人公の兄が涙を拭くために主人公と母にティッシュを渡すシーンで、父もティッシュとろうとしてるのに、気づかれずにしまわれてしまい、次のカットにて指で軽くぬぐうところがあります。
家族全体が映ってるシーンなんで、たぶんよく見てないと気づかないところじゃないかと思うのです(でもこのシーンでワタクシ涙目だったので勘違いかも?)が、ほんとに細かい演技させてるなぁと感心しました。
ちなみにこのシーンはこの映画の一番の泣けるシーンで、今まで正面から向き合ってなかった家族が正面から向き合ってひとつになれたすごくあったかいシーンでした。必見です。
そうそう、俳優の声優起用について、他の方のレビューを読んでいると批判的な方もいるみたいですケド、ワタクシはむしろ今回の作品には合っていたと思います。
物語がアニメっぽくないので”普通な声”の方がよかったんでしょうね。
それに名のある俳優さん達は上手いですよ。一番上手かったのは唱子役の宮崎あおいさんでしたね。
どう上手いかは映画みてください。
一方、鑑賞前に一番心配していた主人公の兄・満役の中尾明慶さんでしたが、すごく自然な演技だったと思いますね。
正直、感心しました。やっぱり”役者さん”なんですね~。
気がつけば、キャラの演技とかばっかりダラダラ書いてしまいましたね。
で、この映画何がすごくよかったか?というと。やっぱりストーリーだと思います。
重いテーマを持ちながらも説教臭くならず、最後には爽やかであったかいものが心に残るストーリーこそがすごく魅力的でした。
ワタクシ的に大雑把にまとめれば”人間は様々な「色」をもっていること”、”傍にいて当たり前の人たちのありがたさ”、”もっと気楽に生きてもいいかな?”ってことがごく自然に心にしみこんでくる映画でした。
Colorful
いや~ホントにいいものを見せていただいたってカンジですね。DVDでたら絶対買おう!
でも小学生にはまだ難解でしょうね。ワタクシの隣にいた女の子も10年くらい経ってレンタルでもいいからもう一度見てほしいですね。そのころにはきっとこの映画の良さがわかってくれると思いますので。
あぁ感想書いてたら、原作も読みたくなってきましたね。買おうかな?
**2019年1月8日加筆・修正いたしました**
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すごくよかったです。
以前のブログにも書いたとおり、ポロポロと涙がでました。
でも、予想通り重いテーマ性のある物語と淡々と日常が進んでいく展開だったので、正直小学生が見ても退屈な映画だったと思います。
実際、横で見ていた女の子は退屈そうに体を動かしてて、鬱陶しかったです。まぁ、一緒に来ていたお母さんは号泣してましたケドね。
とと、話を戻して。
映画のあらすじを初めに紹介しときますと。
「僕」は一度死んだはずだが、天使に「抽選にあたりました!」と言われ、生まれ変わり「小林真」という中学生としてもう一度人生をやり直すチャンスを与えられる。そして、小林真として生活が始まるのだがさまざまな困難が立ちはだかった。(ウィキペディアより)
なんかファンタジックな話なのかなぁ~と思いきや、”天使(本人は明確にしてない)プラプラ”が登場するシーン以外はほとんどが日常のシーンばっかりなんですけどね。
だからって別にそれが悪いワケじゃないですよ。むしろそこが原監督の真骨頂だったと思います。
アクションのシーンなんて当然ないんですが、キャラクターの細かい動きとかですごく”イイ演技”させてるのですよ~。
その演技と絶妙な脚本がいい化学反応を起こして、すごく魅力的でしたね~。
脚本でいえば現代の中学生が使っていそうな”ハブられる”とかそういう表現が出てきててすごく自然、それからプラプラはなぜか関西弁をしゃべります。
この関西弁のおかげで彼が一番キャラが立ってました。
それもあってか、たまに出てくるプラプラが物語のアクセントになっていましたね~。
そうそう、キャラの話でいえば、主人公に想いを寄せるクラスメートの”佐野唱子”がヒロインクラスの女性キャラなのに不細工!ってのがワタクシ的に最高ですね。
さらに唱子は主人公から「メガネをとっても不細工」と言われる始末。
それにもう一人のヒロインクラスの女性キャラ”ひろか”の泣き顔がまた不細工(というかキレイに泣かない)。
類型的なキャラづくりをしない原監督のイズムを感じました。
それから親友”早乙女くん”も見た目は冴えないケド、表情やセリフで彼の内面の良さを滲み出させていましたね~。
早乙女くんとのエピソードがこの映画のひとつの見所でワタクシもすごく好きなところでもありますね。
”キャラクターの演技”って書きましたケド。「アニメで演技?」と首をかしげるかもしれませんね。
アニメも実写と同様にキャラクターに演技させてるワケでそれが演出とか監督に仕事なんですが、昨今のアニメではキャラの演技そのものが類型化されてて、演技って気づかないんですよね。
それにひきかえ、この映画はちゃんとキャラに演技させてますのでその辺も必見です。
例えばベッドでふて寝する主人公にプラプラが説教するシーンではプラプラが足で主人公をグリグリ蹴ります(プラプラはちゃんと靴脱いでるところにも注目)。
普通のアニメならプラプラの顔アップ、ふて寝する主人公を交互に描写するとかで細かい演技なんてさせないと思うんですけどね。
それからワタクシの見間違いでなければ、終盤の食卓のシーンで主人公の兄が涙を拭くために主人公と母にティッシュを渡すシーンで、父もティッシュとろうとしてるのに、気づかれずにしまわれてしまい、次のカットにて指で軽くぬぐうところがあります。
家族全体が映ってるシーンなんで、たぶんよく見てないと気づかないところじゃないかと思うのです(でもこのシーンでワタクシ涙目だったので勘違いかも?)が、ほんとに細かい演技させてるなぁと感心しました。
ちなみにこのシーンはこの映画の一番の泣けるシーンで、今まで正面から向き合ってなかった家族が正面から向き合ってひとつになれたすごくあったかいシーンでした。必見です。
そうそう、俳優の声優起用について、他の方のレビューを読んでいると批判的な方もいるみたいですケド、ワタクシはむしろ今回の作品には合っていたと思います。
物語がアニメっぽくないので”普通な声”の方がよかったんでしょうね。
それに名のある俳優さん達は上手いですよ。一番上手かったのは唱子役の宮崎あおいさんでしたね。
どう上手いかは映画みてください。
一方、鑑賞前に一番心配していた主人公の兄・満役の中尾明慶さんでしたが、すごく自然な演技だったと思いますね。
正直、感心しました。やっぱり”役者さん”なんですね~。
気がつけば、キャラの演技とかばっかりダラダラ書いてしまいましたね。
で、この映画何がすごくよかったか?というと。やっぱりストーリーだと思います。
重いテーマを持ちながらも説教臭くならず、最後には爽やかであったかいものが心に残るストーリーこそがすごく魅力的でした。
ワタクシ的に大雑把にまとめれば”人間は様々な「色」をもっていること”、”傍にいて当たり前の人たちのありがたさ”、”もっと気楽に生きてもいいかな?”ってことがごく自然に心にしみこんでくる映画でした。
Colorful
いや~ホントにいいものを見せていただいたってカンジですね。DVDでたら絶対買おう!
でも小学生にはまだ難解でしょうね。ワタクシの隣にいた女の子も10年くらい経ってレンタルでもいいからもう一度見てほしいですね。そのころにはきっとこの映画の良さがわかってくれると思いますので。
あぁ感想書いてたら、原作も読みたくなってきましたね。買おうかな?
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**2019年1月8日加筆・修正いたしました**
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