スウェン:「なぜ助けた?」
セレーネ:「寂しいから・・・、一人で死ぬのが寂しかったから・・・」
『機動戦士ガンダムSEED C.E.73 STARGAZER』の終盤でのシーンです。
ワタクシにとってこの作品での一番お気に入りのシーンなんですが、このシーンを見て感じたこと、それはどんな理屈よりも人間にとって根源的な感情が戦争を止められるのではないかという希望を抱かせてくれたことです。
『機動戦士ガンダムSEED C.E.73 STARGAZER』は、"X" plosion GUNDAM SEEDの企画第1弾としてインターネット配信やイベントでの上映で公開されました(1話15分、全3話)。
で、今回見たのが3話をまとめて、新規のエンディング映像が追加したDVD版です。
-あらすじ-
C.E.73年、ユニウスセブンの地球降下作戦を仕組んだザフト軍脱走兵達の部隊は、乱戦の中、ザフト軍ミネルバとジュール隊の活躍によって壊滅し、地球に向かっていたユニウスセブンも設置されたメテオブレイカーによって破砕された。しかし、砕かれた破片は地球に向かって次々と落下し、地球に残されたのは落下片による多くの人々の死、そして平和を奪われた者達の止め処なく溢れる憎悪と怒りだけであった。
地球が再び混迷の戦場となった中、D.S.S.D技術開発センターは、1機のMSを宇宙へと打ち上げるプロジェクト「スターゲイザー計画」の準備を行っていた。静かに空を見上げ続ける純白の機体「スターゲイザー」。
宇宙に生まれ、宇宙で育ち、人は宇宙を目指すべきと信じるコーディネイターの女性セレーネ・マクグリフ。そして、幼い頃の出来事によってコーディネイターを激しく憎み続けるストライクノワールのパイロット、スウェン・カル・バヤン。この2人を中心に、スターゲイザー…「星を見つめる者」の物語は動き出す…。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
「ガンダムSEED」の世界というのは遺伝子操作され強化された「コーディネーター」とそうではない「ナチュラル」との血で血を洗う絶望的な戦いが展開されます。
ガンダムSEEDのサイドストーリーである本作も例外ではなく、凄惨な戦いが繰り広げられます。
ちなみに原典である「SEED」、「SEEDデスティニー」よりリアルにそして悲惨に戦争を描いています。
殺されたから殺し返すという憎しみの連鎖はいつ果てることなく続くのか?
現実の世界でも同じような状況があってその連鎖を断ち切ることができずにいます。
ワタクシたちはついつい言葉や理屈で「戦争は悲劇を産むのでいけない」とか言ってしまいますが、この作品は言葉で戦争を語るのではなく映像表現で「戦争の悲惨さ」をきっちりと描いています。
そして、「憎しみの連鎖」を断ち切る一つの答えを示しています。
物語は終盤、D.S.S.D技術開発センターのもつ技術力を軍事利用するため連合はセンターのあるトロヤステーションを襲撃します。
スウェンは連合の「ストライクノワール」のパイロットとしてセレーネは「スターゲイザー」でトロヤステーションを守るため敵同士として戦っていました。
セレーネの機転により強敵スウェンのMSごと地球と金星の狭間まで超長距離移動してしまうのです。
地球をはるかに離れた宇宙に漂うことになった2人ですが、セレーネはスウェンを助けるのです。
(機体に残された酸素残量などからすれば、一人の方が生き残る確率が高いワケです)
そしてスウェンはセレーネに問いかけたのがさっき紹介した会話シーンです。
セレーネの「一人で死ぬのは寂しい」という感情は一見利己的ですが、一人では生きてはいけない人間の根源的な感情です。
そして「一人では寂しい」ということは「憎い相手」を”許す”ことにつながるのではないでしょうか。これは「殺されたから殺し返す」つまり”許さない”ということの対極にあります。
実は理屈よりもこの感情を大切にした方がいいのではないでしょうか?
もちろん現実がそう簡単にいくワケでもなく、物語の中の、そして個人同士だからこそできることなのかもしれません。
それでも一つの希望として感じずにはいられませんでした。
Gundam Seed Stargazer Trailer
おっと最後にこの作品の総評をば。
正直SEED本編よりイイです。
50分という中篇作品ですが、物語の密度はすごく濃いので問題なしです。
登場人物の年齢も高いのでSEED本編よりも大人向けな印象がありますね。
それに「コーディネーター」と「ナチュラル」の対立構図さえわかったいれば、SEED本編をしらなくても全然OKです。
アクションシーンについては尺のこともあってか並ですね。
それにリアルな戦争描写にこだわっているので人間同士の戦闘も多いし、戦闘シーンにヘンに高揚感を与えないようにしていますね。
それからスウェンが人間性を取り戻す物語という印象です。セレーネも主人公なんですが、終盤まで少し印象が薄いですね。
まぁ、あんまり気にならないんですけどね・・・。
あ、ひとつダメ出しをラストのセレーネとスウェンが寄り添っているシーンの作画、もうちょい頑張って欲しかったですね。
なんだかノッペリしてて違和感がありました。
最後にMS「スターゲイザー」のデザインですが、結構カッコイイんですが、背中のワッカのために仏像みたいにみえますなぁ・・・。
あ~久々の長文で疲れました、寝ます・・・。
今日のブログペット
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セレーネ:「寂しいから・・・、一人で死ぬのが寂しかったから・・・」
『機動戦士ガンダムSEED C.E.73 STARGAZER』の終盤でのシーンです。
ワタクシにとってこの作品での一番お気に入りのシーンなんですが、このシーンを見て感じたこと、それはどんな理屈よりも人間にとって根源的な感情が戦争を止められるのではないかという希望を抱かせてくれたことです。
『機動戦士ガンダムSEED C.E.73 STARGAZER』は、"X" plosion GUNDAM SEEDの企画第1弾としてインターネット配信やイベントでの上映で公開されました(1話15分、全3話)。
で、今回見たのが3話をまとめて、新規のエンディング映像が追加したDVD版です。
-あらすじ-
C.E.73年、ユニウスセブンの地球降下作戦を仕組んだザフト軍脱走兵達の部隊は、乱戦の中、ザフト軍ミネルバとジュール隊の活躍によって壊滅し、地球に向かっていたユニウスセブンも設置されたメテオブレイカーによって破砕された。しかし、砕かれた破片は地球に向かって次々と落下し、地球に残されたのは落下片による多くの人々の死、そして平和を奪われた者達の止め処なく溢れる憎悪と怒りだけであった。
地球が再び混迷の戦場となった中、D.S.S.D技術開発センターは、1機のMSを宇宙へと打ち上げるプロジェクト「スターゲイザー計画」の準備を行っていた。静かに空を見上げ続ける純白の機体「スターゲイザー」。
宇宙に生まれ、宇宙で育ち、人は宇宙を目指すべきと信じるコーディネイターの女性セレーネ・マクグリフ。そして、幼い頃の出来事によってコーディネイターを激しく憎み続けるストライクノワールのパイロット、スウェン・カル・バヤン。この2人を中心に、スターゲイザー…「星を見つめる者」の物語は動き出す…。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
「ガンダムSEED」の世界というのは遺伝子操作され強化された「コーディネーター」とそうではない「ナチュラル」との血で血を洗う絶望的な戦いが展開されます。
ガンダムSEEDのサイドストーリーである本作も例外ではなく、凄惨な戦いが繰り広げられます。
ちなみに原典である「SEED」、「SEEDデスティニー」よりリアルにそして悲惨に戦争を描いています。
殺されたから殺し返すという憎しみの連鎖はいつ果てることなく続くのか?
現実の世界でも同じような状況があってその連鎖を断ち切ることができずにいます。
ワタクシたちはついつい言葉や理屈で「戦争は悲劇を産むのでいけない」とか言ってしまいますが、この作品は言葉で戦争を語るのではなく映像表現で「戦争の悲惨さ」をきっちりと描いています。
そして、「憎しみの連鎖」を断ち切る一つの答えを示しています。
物語は終盤、D.S.S.D技術開発センターのもつ技術力を軍事利用するため連合はセンターのあるトロヤステーションを襲撃します。
スウェンは連合の「ストライクノワール」のパイロットとしてセレーネは「スターゲイザー」でトロヤステーションを守るため敵同士として戦っていました。
セレーネの機転により強敵スウェンのMSごと地球と金星の狭間まで超長距離移動してしまうのです。
地球をはるかに離れた宇宙に漂うことになった2人ですが、セレーネはスウェンを助けるのです。
(機体に残された酸素残量などからすれば、一人の方が生き残る確率が高いワケです)
そしてスウェンはセレーネに問いかけたのがさっき紹介した会話シーンです。
セレーネの「一人で死ぬのは寂しい」という感情は一見利己的ですが、一人では生きてはいけない人間の根源的な感情です。
そして「一人では寂しい」ということは「憎い相手」を”許す”ことにつながるのではないでしょうか。これは「殺されたから殺し返す」つまり”許さない”ということの対極にあります。
実は理屈よりもこの感情を大切にした方がいいのではないでしょうか?
もちろん現実がそう簡単にいくワケでもなく、物語の中の、そして個人同士だからこそできることなのかもしれません。
それでも一つの希望として感じずにはいられませんでした。
Gundam Seed Stargazer Trailer
おっと最後にこの作品の総評をば。
正直SEED本編よりイイです。
50分という中篇作品ですが、物語の密度はすごく濃いので問題なしです。
登場人物の年齢も高いのでSEED本編よりも大人向けな印象がありますね。
それに「コーディネーター」と「ナチュラル」の対立構図さえわかったいれば、SEED本編をしらなくても全然OKです。
アクションシーンについては尺のこともあってか並ですね。
それにリアルな戦争描写にこだわっているので人間同士の戦闘も多いし、戦闘シーンにヘンに高揚感を与えないようにしていますね。
それからスウェンが人間性を取り戻す物語という印象です。セレーネも主人公なんですが、終盤まで少し印象が薄いですね。
まぁ、あんまり気にならないんですけどね・・・。
あ、ひとつダメ出しをラストのセレーネとスウェンが寄り添っているシーンの作画、もうちょい頑張って欲しかったですね。
なんだかノッペリしてて違和感がありました。
最後にMS「スターゲイザー」のデザインですが、結構カッコイイんですが、背中のワッカのために仏像みたいにみえますなぁ・・・。
あ~久々の長文で疲れました、寝ます・・・。
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