いろいろと栽培経験を経て、わたしとしては、ギボウシ販売のタイミングに合わせて業務上は株分けが可能になった。もちろん、養生を含めてである。
以前にも記したことがあるが、再度この場では、今まで会得したわたしなりのギボウシ栽培のコツを記したい。Q&A形式です。
●Q&A●
≪株数を増やしたい。≫
・芽数を増やし分けつを促すには、開花後に増し土、腐葉土、堆肥によるマルチングが効果的。そのあとに株分けをおこなう。
≪大株(大葉)にしたい。≫
・ギボウシの葉の大きさは株の大きさではなく根の長さに比例する。ギボウシの根は一年に地上部の伸長する春と、開花前後より開花後の晩夏から秋にかけて、2回出る。それが2年もつ。だから、寒河江のような大株は1本の根でも切らないようにする。根量の多い少ないかが重要である。
・露地植えで計画する場合は、他の植物との組合せとしては落葉樹で桜など浅い根を持つ性質のものは避ける。育ちが芳しくないことになる。というのは、ギボウシの根の伸びる範囲がダブリそれぞれが競合し肥料不足に陥るからである。
≪いつまでも綺麗な葉を見ていたい。≫
・もともとギボウシは半日陰を好みます。その生育条件のもとで、品種により日照時間の長いか短いかで育ちや葉の色に変化が出てきます。
・ギボウシは斑入り種など葉の色によって、後冴え(ノチサ・エ)、後暗み(ノチグラ・ミ)品種があります。鑑賞するに際し、育成場所の配置替えをおこなうことによってややその発色の状態を調節できることがあります。強制的におこなうとしたら遮光ネットの設置などが考えられます。
≪開花時期は品種によってちがいますか。≫
・早くて6月上旬から始まり遅いものではタマノカンザシ系が10月中旬になります。原種系ギボウシの方がやや遅咲きの傾向がある。
≪繁殖にはどんな方法があるのですか。≫
・メリクロン繁殖でも違うものができる可能性がある。株分けの方が同じ個体を得られ、一番品種が安定している。
・実生は種まきであるが、市場に出ている大多数の品種は開花後の結実が見込めないように思われる。また発芽しても本来の品種にはならない。斑抜けやおばけになる可能性が高い。逆に原種系のギボウシの繁殖は結実もよく発芽率も比較的良好である。
葉挿しとは葉の茎部分を床に挿しておこなうもの、同じように挿し芽の場合は展葉する前の状態で挿す、基部がわずかでもあると発根が良い。芋吹かし法は土壌の中に根だけ伏せて発芽させる方法、根の元の法を地表近くに立て気味にする。メリクロン(組織培養)は切り取った組織の切片をシャーレに入れ人工的に増殖したものです。特徴は大量に苗を得られることです。
メリクロン以外の繁殖はわたしも実体験しています。
以下の日時は平成20年の実際の作業記録によるものです。これは栽培暦として見た場合は、関東地方(千葉)の気候をを標準としています。参考までに掲載します。
●栽培日程●
・種まき; 2/上旬~ 3/下旬
・株分け; 3/上旬~ 7/中旬
5/3 5/4 5/14 5/18 5/27 6/2 6/27
; 8/下旬~ 9/中旬
9/17 9/27
;10/中旬~11/中旬
・鉢上げ;年中
5/4 5/14 5/27 6/2 6/27
・鉢替え;年中
・挿し芽; 4/中旬~ 6/下旬
6/2
・元 肥; 2/中旬~ 4/上旬
・花殻摘み;5 /中旬~9/中旬
・追 肥(玉肥); 7 /上旬~ 7/中旬
・配置替え ; 5 /中旬~ 7/中旬
・マルチング(自家性堆肥敷き); 7/上旬~ 9/上旬
7/12 7/13
・お礼肥(置き肥); 8 /下旬~ 10/上旬
9/20 9/27
・増し土; 8 /下旬~ 9/中旬
9/20
・種子採取/播種;10/上旬~12/上旬
10/5
今後、ほかの草花、ガーデニング向きの植物をこのカテゴリーで紹介します。
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