うざね博士のブログ

緑の仕事を営むかたわら、赤裸々、かつ言いたい放題のうざね博士の日記。ユニークなH・Pも開設。

相棒 「ボーダーライン」

2012年09月09日 07時51分47秒 | わたしの日常です。
 
 現在のわたしは仕事の関係で平日の昼間の日中、夕方近くは在宅している。そうすると、テレビ朝日の水谷豊さん主演のドラマ 『相棒』 を毎回見ることになる。これは再放送なのだが、週刊誌によるとこの時間のこの番組は非常に好評で他局の生番組が視聴率的に負けているらしくて、テレビ朝日にとって 『相棒』 様々であるらしい。繰り返していて、再々放送の同一話の番組もある。
 このごろ、次第にわたしは、すべてを見つくそう、というわたし自身の偏った蒐集癖のようなものに火が点いた気持ちになっている。不思議な話だ。WEBで調べると全190話ほどになるらしい。十数年前に土曜ワイドドラマからスタートしたらしく、相手役の相棒である俳優も寺脇康文、及川光博と二人、次に成宮寛貴とこの秋から装いも新たにスタートするらしい。
 いいのは数名のグループの脚本がストーリーと作劇の巧みさやイメージの構築が綿密なことで、加えて、やはり数名の監督や製作陣が丁寧に作っているせいだろう。昔からの映画会社である「東映」の裏方の力も大きいかもしれない。
 ところで、この春先に続いて先日のSeason 9の第 8話 「ボーダーライン」 を見たのは二度目である。当日、わたしは怖いもの見たさの気持ちでハラハラしながら見ていた。
 主人公は山本浩司さんで、脚本は櫻井武晴、監督は橋本一である。この話は 『相棒』 でも少々変わっていて、暗い内容である。何とかいうテレビ業界の賞をもらったらしく、秀作である。
 この 「ボーダーライン」 は硬派な内容でリアル感がものすごい。冷たい人間関係、せちがらい世間に次第に追い詰められていく。人情は無縁な世界。主人公は就職活動のはてに、社会的に落ちぶれていき名義貸しの犯罪で生活費を稼ぐ。その日の食事にも事欠きついには飛び降り自殺してしまう。この話は死後解剖により胃の内容物から、その死因を探っていくのだが、それが商店街やスーパーの試食品であることが判明する。食欲を満たすためのそのすさまじい行動や所作に、山本浩司さんの善良で朴訥な表情がかさなる。わたしは、グゥッとくる。落涙する。
 わたしは思うのだが、今の若者にとって、こういうことは現実の問題として、かなりあるのではないだろうか。わたしたちの世代と違って、今は学校を出てすぐに適した仕事に就職することは難しい。仮想現実の世界で過ごしてばかり、頭でっかちで実際は生の社会を知らないで育ってきたのではないだろうか。みずからの五感感覚で経験しない、体験しない。事前に受け売りのノウハウやマニュアルありきの生き方を教育機関は教える。与えられた教育環境が当たり前にあって、それが当然だと思っている。どうやら、仕事とか就職とか人生というかそういうものは、最初から最短距離をめざすものだと勘違いしていることに気づけないし、気づかない。しかも、狭隘な日本の社会体制の仕組みは再機会やリカバリーを簡単には許さない。
         
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