ある「世捨て人」のたわごと

「歌声列車IN房総半島横断鉄道」の夢を見続けている男・・・ 私の残された時間の使い方など

参考入力「女王の復活《第21章・アーテンの予言》」大久保康雄訳(1)

2014年08月17日 | 好きな歌

 私が小学生の頃、ヘンリー・ハガードHenry R. Haggardの名作の一つ「洞窟の女王」が大好きで、繰り返し読みました。 全文→映画「洞窟の女王」

 

2013年・・年末雑感から抜粋→小学校時代に読んで、商業学校時代(終戦翌年頃)の宿題として出された(自由作文)「自分の好きな本について」に三重丸を頂いた《思い出の名句》が、「ソロモン王の洞窟」の第5章あることが分かって、嬉しかった。
「ソロモン王の洞窟」の創元推理文庫(大久保康雄訳・1972年版)と世界大衆小説全集(大木惇夫訳・1995年版)の二つの訳本(比較すると微妙な違いがあるのも面白い)を読んだ。次は英語版(原書)を(時間をかけても)通して読んでみたいと思っている。

 

60年ぶりの恋人に出逢うから抜粋→そんな時、ふと思い出したのが、若い頃読んだ「洞窟の女王」という推理冒険小説である。

  既にこのサイトで何度も投稿したので、お読み頂いていると思うが、この小説に初めて逢ったのは、テツの小学生のころだった。

  なぜ、その本がテツの家にあったかは想像出来ないが、亡母が読んだことあるという話を聞いた記憶があるので、もしかしたら亡父の蔵書(複数)だったかも知れない。

  大分読み古した書籍だった。

  ある日、押入れにあったそれらの本を見つけページをめくったが、子供向きの本ではないので、意味もわからなかった。
しかし、終戦直後のことであり、読み物はこれしかなかったので読みあさった。

  繰り返し(7回位)読んでいるうちに次第に面白くなってきた・・・・。 

  当時の感激をもう一度味わいたくなり、下記の本(創元推理文庫・大久保 康雄訳)を買いました。

1. 洞窟の女王
2. ソロモン王の洞窟
3. 二人の女王
4. 女王の復活

 ハガードの作品「洞窟の女王」などを読み始めて、もう1年になる(1)

 ハガードの作品「洞窟の女王」などを読み始めて、もう1年になる(2)

 


  この記事では、個人的な翻訳方法の学びのために、東京創元社さんから出版・販売されている、現行本の創元推理文庫の内容(大久保 康雄先生の名訳)を、そのまま利用させていただきました。

 先生の翻訳文は、私にはマネが絶対に出来ない素晴らしい文章で、翻訳とは思えない力作には完全に魅せられております。
現在、老健施設で生活させて頂いている環境なので、OCR(光学文字認識)ソフトもないので、書籍に印刷されている文章を、スキャンすることが出来ないことと、視力の衰えのため、一字ずつ拾い読みをしながらの入力なので、完了までには、約10日間も掛かりました。

姉妹作品の「ソロモン王の洞窟」第5章にある名句のように、人には強固な意志さえあれば、この世に登れない山はない、越せない砂漠はない・・・です。

 もしOCRなどが手に入れば、どんなに便利だろうかと、つくづく思う毎日でです。

でも、海外では、「値段を安くするため、OCRでスキャンしたままなので、完全ではありません・・」と断り書きをして売られているいるものもあるのには、驚いています。

国内でも、そのような書籍が売られているのでしょうか。2013年8月に購入した、Ayesha, the
Return of She(ISBN 987-1-151-90785-1)ウエブサイトwww.general-books.net が、その例です。

OCRでスキャンしたままの不完全(?)な本の正確な内容調べたいために、2014年1月に、他の書籍を買いました。→(Kessinger Legacy Reprints版(ISBN 11698-70805、9-781169-870802)

Kessinger
Publishing(ケッシンジャー出版)
米国モンタナ州にある会社で、ホームページには、Kessinger Publishing(ケッシンジャー出版)は、最新技術を駆使しながら、何千ものレア本、希少本、絶版本を復刻して出版しています。

Kessinger Legacy Reprints版(ISBN 11698-70805、9-781169-870802)では、「女王の復活」第21章(アーテンの予言)および第22章(力の解放)が、Part 10(第10部)に、最後の第23章(アッシャの誓い)と第24章(アッシャの死)が「Conclusion(結び、最終部)」に配置されています。

クリックすると拡大

 この復刻版の7ページにあるモーリス・グリーフェンハーゲン(イギリスの画家でヘンリー・ライダー・ハガードと友人だった)作のイラスト

 
同書11ページにある、モーリス・グリーフェンハーゲン作のイラスト

 

 

 

 
イラスト→Maurice Greiffenhagen モーリス・グリーフェンハーゲン
http://en.wikipedia.org/wiki/Maurice_Greiffenhagen

上掲2冊の底本についての説明がありません。ただKessinger Legacy Reprints版の方が初版を復刻したようにみえます。

www.general-books.net は、
英語原文(プロジェクト・グーテンベルク)
Ayesha — full text at Project Gutenberg や
 アデレード大学サイト---電子版 Ayesha 女王の復活 とでは、多少の差異があります。

大久保康雄先生の訳文は、グーテンベルク版およびアデレード版によるものと、思います。

参考(別サイト)ハガードの作品を読むために

アーカイブ Ayesha 女王の復活
https://archive.org/details/ayeshareturnshe01hagggoog 

 アーカイブ Ayesha 女王の復活
http://www.archive.org/stream/ayeshareturnshe01hagggoog#page/n14/mode/2up

  英語原文(プロジェクト・グーテンベルク)
Ayesha — full text at Project Gutenberg 

 英語原文・第21章(プロジェクト・グーテンベルク)
Ayesha---Chapter 21・・The Prophcy of Atene  
 

アデレード大学サイト---電子版 Ayesha 女王の復活 

eBooks@Adelaide
 The University of Adelaide Library
 University of Adelaide
 South Australia 5005

アデレード大学

アデレード大学 (—だいがく、英語: The University of Adelaide)は、1874年に創設された南オーストラリア州アデレードに本部を置く公立大学である。オーストラリアの大学としてはシドニー大学、メルボルン大学に次いでオーストラリア全土で3番目に古く、これまでに5人のノーベル賞受賞者を輩出しており、その長い歴史と研究実績からオーストラリア版アイビー・リーグと呼ばれるGroup of Eightの一員となっている。


  原作名 Ayesha,the Return of She
 By H. Rider Haggard H.R.ハガード(1905) 

 邦訳:女王の復活 (東京創元社・創元推理文庫 518-4)第21章
大久保 康雄訳 (初版 1977/3/18) 
該当箇所:同書374~392ページ

商品の詳細

大久保 康雄 - ウィキペディア 
大久保 康雄(おおくぼ やすお、1905年5月1日 - 1987年1月12日)は、日本の英米文学翻訳家日本における専門翻訳家の草分けである。茨城県生まれ。本名・保雄。

  
解説 (同書の表紙裏)
二千有余年を生きた洞窟の女王は若返るはずの生命の焔をあび、逆に恐るべき老齢の死体と化してしまった。女王の恋人レオの念頭から、その衝撃は片時も消えることはなく、女王の復活を信じて待ち続けた。

そしてある夜、幻の中で女王は復活を告げる。彼は、その幻に現れた情景を探し求めて神秘の国チベットへと旅を続けた。はたして幻の告知どうり、女王とおぼしき女性と再会するが・・・・。

巨匠ハガードが、雄渾な筆致と奔放な想像力で描く『洞窟の女王』の続編。

登場人物 

レオ(=レオ・ヴィンシィ) Leo Vincey---本編の主人公
ホリー(=ルードウィヒ・ホレース・ホリー) Ludwig Horace Holly---(レオの後見人)
アボット・コウエン Abbot Kou-en---ラマ教寺院の老僧・・・《abbot 大修道院長》
アーテン Atene---カルーン国の女王(カーニア)
ラッセン Khan Rassen---アーテンの夫・カルーン国の王
シンブリ Simbri---アーテンの叔父
オロス Oros---祭司長
アッシャ Ayesha---洞窟の女王の名前

Sir Henry Rider Haggrd (Henry Rider Haggard) ヘンリー・ライダー・ハガード
 
haggardの意味・・・・ (心配や睡眠不足で)やつれた、げっそりした
 機械翻訳すると「やつれたHenry Rider」となる

 


 ここから、英語原文(プロジェクト・グーテンベルクAyesha — full text at Project Gutenberg )と大久保康雄訳の併記(対訳)文庫374~392ページです。


アーテンの予言 -
THE PROPHECY OF ATENE 

グーテンブルク版(英語)→ On the day following this strange experience of the iron that was turned to gold some great service was held in the Sanctuary, as we understood, "to consecrate the war." We did not attend it, but that night we ate together as usual. Ayesha was moody at the meal, that is, she varied from sullenness to laughter.

大久保訳 文庫374ページ → 鉄を黄金に変えるという不思議な実験をみた翌日、『戦勝祈願』の式典が盛大に行われた。私たちは出席しなかったが、その夜、いつものように、アッシャといっしょに食事をした。アッシャは、食事中も、ふさぎこむかと思うと笑い出すなど、ひどく気まぐれだった。

"Know you," she said, "that to-day I was an Oracle, and those fools of the Mountain sent their medicine-men to ask of the Hesea how the battle would go and which of them would be slain, and which gain honour. And I—I could not tell them, but juggled with my words, so that they might take them as they would. How the battle will go I know well, for I shall direct it, but the future—ah! that I cannot read better than thou canst, my Holly, and that is ill indeed. For me the past and all the present lie bathed in light reflected from that black wall—the future."

「きょうわれらは神託を告げた」とアッシャは言った。「山の愚かな人々が占い師をよこして、戦がどう展開し、どちらが負け、どちらが勝つかを、伺いにきた。しかし、そのようなことが、どうしてわれらにわかるであろう。われらは、いずれとも解釈できるようなことを申しておいた。彼らが勝手に解釈するであろう。戦がどう展開するかは、われらが指揮をとる以上、よくわかっている。しかし、未来のことは---ホリーよ、そなたが推測できる程度にしか、われらにもわからぬのじゃ。過去と現在のことは、未来という黒い壁に反射する光のなかに、すべてはっきりと浮かんで見えるだが---未来のことは見えぬ」

Then she fell to brooding, and looking up at length with an air of entreaty, said to Leo—"Wilt thou not hear my prayer and bide where thou art for some few days, or even go a-hunting? Do so, and I will stay with thee, and send Holly and Oros to command the Tribes in this petty fray."

それからアッシャは、しばらく考えこんでいたが、やがて顔をあげると哀願するようにレオに言った---「われらの願いじゃ、ここ2-3日は、ここにいてくださらぬか。狩りに出かけるくらいのことは、もちろんかわわぬ。さすれば、われらもそなたとともに残り、小さな戦いの指揮はホリーとオロスにまかせよう」

"I will not," answered Leo, trembling with indignation, for this plan of hers that I should be sent out to war, while he bided in safety in a temple, moved him, a man brave to rashness, who, although he disapproved of it in theory, loved fighting for its own sake also, to absolute rage.

大久保訳--文庫375ページ

「いやだ」とレオは怒りに身を震わせて言った。自分だけ安全な神殿に残り、私を戦場に送ろうろするアッシャの計画を聞いて、向う見ずといえるほど勇敢で、思想的には暴力を否定しながらも戦いを好むレオは、怒り心頭に発したのだ。

"I say, Ayesha, that I will not," he repeated; "moreover, that if thou leavest me here I will find my way down the mountain alone, and join the battle."

「ぼくは絶対にいやだ」とレオはくりかえした。「もしぼくをここへ残して行くなら、僕は勝手に一人で山を降りて戦場へ出かける」

"Then come," she answered, "and on thine own head be it. Nay, not on thine beloved, on mine, on mine."

「では、行くがよい」とアッシャは答えた。「好きにするがよい---いや、行ってはならぬ。われらの申すことをきいてくだされ

After this, by some strange reaction, she became like a merry girl, laughing more than I have ever seen her do, and telling us many tales of the far, far past, but none that were sad or tragic. It was very strange to sit and listen to her while she spoke of people, one or two of them known as names in history and many others who never have been heard of, that had trod this earth and with whom she was familiar over two thousand years ago. Yet she told us anecdotes of their loves and hates, their strength or weaknesses, all of them touched with some tinge of humorous satire, or illustrating the comic vanity of human aims and aspirations.

このあと、一種の反動でアッシャは陽気に笑い、遠い昔の話をいろいろと聞かせてくれた。だが、哀しい話や悲しい話は一つもなかった。こうして、なかには私の知っている人物も一人か二人かはいたが、あとは全然聞いたこともない未知の人たちについて語るのを聞いても、あまり興味をそそられなかった。しかし、いずれにしてもたしかにこの世に生きた人たちであり、二千年以上も前アッシャが親しくつきあっていた人たちなのだ。さらにアッシャは、それらの人たちの愛や憎しみ、強さや弱さについても、皮肉やユーモアで味付けしたり、人間的な欲望や野心をおもしろおかしく風刺したりしながら、私たちに語った。

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