ある「世捨て人」のたわごと

「歌声列車IN房総半島横断鉄道」の夢を見続けている男・・・ 私の残された時間の使い方など

60年ぶりの恋人に出逢う

2013年10月02日 | 好きな歌

 昭和23年(2011年)10月13日以来、老健施設「ユーアイ久樂部」で起居させて頂いて既に2年にもなる。

入所当時は、「いちうたグループ」の活動に参加することも出来たので、外出の機会もあり、イベントでは伴奏をさせていただくこともあった。

しかし、イベント会場までの往復に介護タクシーなどを利用すると、交通費(一往復6~7千円位)もかかるので、止むなく「いちうたグループ」の諸々のイベントへの参加からは遠ざかっている。

その結果、「いちうたグループ」の運営には問題はないのだが、テツ個人の楽しみがなくなり、悶々とした日々を過ごしていた。

昼も夜も無為に過ごすことは楽ではない。

時折、リハビリの時間に施設の中庭の散歩をさせていただくことはあっても、その他は三度の食事と入浴(週2回)の楽しみの他は、これという楽しみはなかった。

そんな時、ふと思い出したのが、若い頃読んだ「洞窟の女王」という推理冒険小説である。

既にブログ記事で何度も投稿したので、お読み頂いていると思うが、この小説に初めて逢ったのは、テツの小学生のころだった。

なぜ、その本がテツの家にあったかは想像出来ないが、亡母が読んだことあるという話を聞いた記憶があるので、もしかしたら亡父の蔵書(複数)だったかも知れない。

大分読み古した書籍だった。

ある日、押入れにあったそれらの本を見つけページをめくったが、子供向きの本ではないので、意味もわからなかった。
しかし、終戦直後のことであり、読み物はこれしかなかったので読みあさった。

読んでいるうちに次第に面白くなってきた。

エドガー・アラン・ポオの「モルグ街の殺人」「黄金虫」「黒猫」などやホープの「ゼンダ城の虜」オルツィ「紅はこべ」「オペラ座の怪人」ストーカー「吸血鬼ドラキュラー」シェリー「フランケンシュタイン」などもあり、夕方まで読みふけり、亡母に注意されたことも、今では懐かしい思い出だ。
 

それらの書籍の中に、ヘンリー・ライダー・ハガード原作の「洞窟の女王」や「ソロモン王の洞窟」があった。

特に前者が面白くて、5・6回読んだ気がする。

そして原文も翻訳文も素晴らしい。このような本と出逢ったことに心から感謝をしたい。

しかし、進学や就職のため上京してからは、それらの書物の行方は全くわからない。

そして60年余りの歳月が流れ、ついには現在の施設に落ち着く結果になった。

さて、施設ではテツに合う楽しみがない。毎朝の体操の時間に、「今日の一曲」として季節に関係ある歌の伴奏を、メモでさせては頂いているが、それ以外ではこれとて何もない。

テツは、テレビの観賞やカラオケで歌うことも余り好きではない。施設では楽器の練習などが禁止である。

そんなある日、ふとこの「洞窟の女王」のことを思い出したのだった。

懐かしいこの本を読みたくなり、インターネットで創元社の文庫本を買った。やはり素晴らしい本なので嬉しくなった。

そして、翻訳本だけでは満足ができなくなり、原作本も注文したh。

もちろんテツの英語力は、すっかり衰えているので、文庫本(日本語)を対照しながらの読み方である。
それでも、むかし読んだことがある書物なので、単語の意味を知らなくても大意を掴むことができるので楽しい。

「洞窟の女王」(原書名SHE・1886年)の続編や姉妹編(下記)も市販されている。

先ず、「ソロモン王の洞窟」、(1885年《いずれも初版発行年》)、「二人の女王」(1887年)、「女王の復活」(1905年)を購入し、対応の英語版も手に入れた。

洋書は、地元の本屋には実物は置いていないと思い、インターネット経由でアマゾンに注文した。

しかし実物を見てから買うのではないので、手に入った本は、出版所も体裁も違う。

中にはOCRを使ってコピーし印刷しただけの本もあり、印刷された文章に誤りや製本に不具合のあるもの、単にタイプライターのキーボードで入力しただけのものもあるが、それぞれ目的があってのことだろう。

それらの中から、ラージプリント‐ブック版というのがあったので注文した。
ラージプリント‐ブック【large-print book】
視力障害者や高齢者のための読みやすさを考慮して大きな活字で組まれた出版物。

書名:She (Large Print)
ハードカバー: 588ページ
出版社: Echo Library; Lrg版 (2007/1/31)
言語 英語, 英語, 英語
ISBN-10: 1406822515
ISBN-13: 978-1406822519
発売日: 2007/1/31
商品パッケージの寸法:  3.6 x 15 x 22.5 cm
本文のフォントサイズ:16ポイント

 

 She

9月3日に発注し、9月27日に到着したばかりの本である。
これもOCRを使ってコピーし印刷した本で、部分的に不自然な箇所があるが、なんといっても16ポイントという大きいフォントなので、テツにとって、近用のメガネ(焦点距離が短い)に掛け直さなくても、遠用(普段使っている)のメガネのままで読めるので便利だ。 
視力障害者のためだと思うが、目次がないのも面白い。そして高価でもある。

繰り返しになるが、これまでにテツが投稿した記事の中で最も多いのは、「洞窟の女王」に関する記事だと思う。

敗戦直後のある日、テツの家にあった本の中でヘンリー・ライダー・ハガードの名作推理冒険小説「洞窟の女王」が気に入り、何回も繰り返して読んだことについては、これまでの投稿した記事を参照して頂ければ、ご理解いただけるだろう。

繰り返しになるが、転職、引越しなどで、それらの書籍の行方も分からぬまま、現在に至ったが、病気などのため、仕事や、音楽活動から身を引き、老健施設「ユーアイ久樂部」に起居させていただいている。

しかし、何もしない環境下で何ができるかを考えた挙句、「洞窟の女王」をもう一度読みたいという考えが浮かんできた。

そこで、ハガードの作品の中から、「ソロモン王の洞窟」、「洞窟の女王」、「二人の女王」、「女王の復活」を購入することができた。
ハガードの作品は他にも翻訳されているが、書籍の収納場所に困るので、新たに購入はしないことにしたい。

「洞窟の女王」については、小学生から数年間、何回も読んだ本なので、これらの本があれば、英語版(原書)を読みこなせなくても、大意を掴むことができると思う。 

こちらが原書のアーカイブ版です(英語)SHE 

 日本語訳テキストのデジタル版
 洞窟の女王 (She, 1887年)ヘンリー・ライダー・ハガード(Henry Rider Haggard, 1856-1925年)平林初之輔・全訳(1892-1931年)

  ご覧のアーカイブ版は世界大衆文學全集第二十八卷『洞窟の女王 ソロモン王の寶窟』,改造社 (昭和三年七月一日印刷,昭和三年七月三日發行) 平林初之輔先生訳を底本としているので、テツが現在読んでいる創元推理文庫・大久保康雄先生の訳文とは違うが、内容をご覧いただけると思う。 

こちらをクリックすると、改造社版「洞窟の女王」平林初之輔先生訳のPDF(各ページ・表紙・本文1~310ページ・裏表紙・日本語)を見ることが可能です。
前ページをに戻ったり、次のページを開くなど、あたかも自分の手元に実物があるようです。(ダウンロードに数分かかります)
http://archive.wul.waseda.ac.jp/tomon/tomon_19258/tomon_19258.pdf

こちらは上記と同じで原書(英語)版です。http://archive.org/stream/cu31924098819562#page/n59/mode/2up

  こちらは、テツが今回購入した本(東京創元社発行・創元推理文庫)の内容見本(部分)です。
クリックして、数ページを見ることが出来ます。洞窟の女王・大久保康雄・訳
初版 1974年5月24日
25版 2009年6月19日
発行 東京創元社(株)・創元推理文庫

 今回購入した原書4冊と翻訳本4冊、それに下記の中古本(大木惇夫訳(1955版) および 大久保 康雄 (1956初版)も購入済み・2冊)を身近に置き、いつでも読めることで、テツにとっては、60年ぶりの「恋人」に逢ったことになる。

せっかく出逢ったこの恋人とは、もう別れることができなくなった。
テツにとって終生の恋人(複数)である。

 世界大衆小説全集〈第1期 第5巻〉ソロモン王の宝窟・洞窟の女王、大木惇夫訳 (1955)  

 商品の詳細

 世界大ロマン全集〈第5巻〉洞窟の女王 (1956年) H.R.ハッガード、大久保康雄訳 (1956初版本)

商品の詳細

 なお、児童向きの訳本(中古)も出品されていたが、注文する機会を逃してしまった。

 


 

ハガードの著作品名

 The Witche's Head(1884)
『ソロモン王の洞窟』(King Solomon's Mines ,1885)創元推理文庫、大久保康雄訳
「ソロモン王の宝窟」「ソロモンの洞窟」「ソロモンの宝窟」の訳題あり
『洞窟の女王』(She: a History of Adventure ,1887)創元推理文庫、大久保康雄訳
『二人の女王』(Allan Quatermain ,1887)創元推理文庫、大久保康雄訳
『アランの妻』(Allan's Wife;and Other Tales ,1887)『マイワの復讐・アランの妻』創元社、大久保康雄訳
『マイワの復讐』(Maiwa's Revenge ,1888)『マイワの復讐・アランの妻』創元社、大久保康雄訳
『クレオパトラ』(Cleopatra ,1889)創元推理文庫、森下弓子訳
The World's Desire(1890)アンドルー・ラングとの共著
Eric Brighteyes(1891)
『モンテズマの娘』(Montezuma's Daughter ,1893)創元社、大久保康雄訳
Allan the Hunter;A Tale of Three Lions(1898)
Black Heart and White Heart;and Other Stories(1900)
『女王の復活』(Ayesha The Return of She ,1905)創元推理文庫、大久保康雄訳
『黄金の守護精霊』(Benita An African Romance ,1906)創元推理文庫、菊池光訳
The Morning Star(1910)
Marie(1912)
Child of Storm(1912)
The Wanderer's Necklace(1914)
The Holly Flower(1915)
The Ivory Child(1916)
Smith and the Phoraohs;and Other Tales(1916)
Finished(1917)
Moon of Israel; A Tale of the Exodus(1918)
『古代のアラン』(The Ancient Allan ,1920)国書刊行会、山下諭一訳
She and Allan(1921)
Wisdom's Daughter;The Life and Love Story of She-who-must-be-obeyed(1923)
Heu-Heu;or the Monster(1924)
The Treasure of the Lake(1926)
Allan and the Ice-Gods(1929)


 これらハガードの作品のほかに、聖書(日本語訳やヘブライ語、ギリシャ語、それにセプツアギント(70人訳)も持ち込んでいるので、繰り返して読むことはできる。

聖書は、一人の作家が書いた作品ではないので、バリエーションが多い。更に語句辞典(索引)や注解書(解説書)も市販されている。

「洞窟の女王」は個人が書いた作品なので、語句辞典などはない。
心を打たれる語句(名句)も、数多く散りばめてあって、記憶に留めて置きたいフレーズもある。
しかし索引や語句辞典が市販されていないので、当該する語句を探すのに苦労することもある。

現在市販されている聖書は、特定の教団や教義で翻訳・編纂・改訂を重ねられた結果の印刷物だし、これからも内容が変更されるだろう。新たな発掘もあるだろう。

テツは、宗教株式会社(=ある学者の表現)の行為には、嫌気をさしているので、翻訳の参考、あるいは宗教発展史などを調べるため以外には、新たに購入する意思もない。

したがって、聖書は現在手元にあるもの(数冊)と、インターネットで検索可能な資料だけで我慢したい。

他にも英和辞典、独和辞典、ギリシャ語辞典なども持ち込んであるが置き場所に困っている。

アラビア語やイスラム関係の本、ロシア語辞典など、各種古典語やキリスト教神学、心霊哲学、西洋哲学、歴史関係の参考書は(引越しなどを、汚物処理など専門業者に依頼し、選別をする時間が与えられなかったため)処分されてしまった。新品なら、百万円では買えないだろう。
惜しいことをしたものである。

 


 なお、「洞窟の女王」は、今でも新しい解釈で脚色され、劇団などでも公演されているようだ。

今後、映画も制作される可能性もあると思う。

最近のリメイクや公演:
「洞窟の女王」関連のリメイク・新作ミュージカル公演など

 


 参考記事

 これもやってみたい 

「洞窟の女王」関連のリメイク・新作ミュージカル公演など
(2013-08-06 16:26:24 | 好きな歌)
 「洞窟の女王」は1886年に発表された...

これもやってみたい
(2013-08-01 11:23:23 | 好きな歌)
宗教関係の本、といっても、テツはキリスト...

テツのブログ《主要記事一覧(3)》・・・新しい歌・古い歌(2012/10/26~2013/07/03)

  最近、感動した動画(1) 「洞窟の女王」
「洞窟の女王」の動画を検索する・・・アメリカのYouTubeおよび、ロシアのMail.ruから

燃える洞窟The Vengeance of She
最近(2013年6月11日)公開されたYouTube「洞窟の女王」
「洞窟の女王」をもう一度、そしてハガードの作品を・・・
「洞窟の女王」について、カナダからアップされた動画
映画「洞窟の女王」


コメントを投稿