ある「世捨て人」のたわごと

「歌声列車IN房総半島横断鉄道」の夢を見続けている男・・・ 私の残された時間の使い方など

The Railway Childrenの日本語訳 鉄道の子供達 - いずみ書房

2014年05月08日 | 好きな歌

英語版も買いました。買っちゃったThe Railway Children 完全・非抜粋版

これも手に入れました。→鉄道きょうだい

 内容詳細

 2011年12月5日発売 ●小学校高学年~

 笨・ものがたり笨・

 ロンドンの平和な家庭がとつぜん不幸におそわれます。お父さんが見知らぬ男たちに連れ去られたのです。

 お母さんに連れられ、田舎暮らしを始めることになったロバータ、ピーター、フィリスの3人きょうだい。みしらぬ土地で3人がいちばん最初に友だちになったのは、9時15分ロンドン行きの蒸気機関車「緑の竜(グリーン・ドラゴン)」だったのです。

 鉄道をめぐって様々な出来事が起こるなか、3人きょうだいは多くの人と出会います。お母さんを支えながらひたむきに明るく生きる子どもたちの姿に、周囲の大人たちも、いつしか彼らの応援団に。そして、やがて3人に素敵なできごとが……!

 笨・笨・笨・笨・笨・笨・笨・笨・笨・笨・笨・笨・笨・笨・笨・笨・笨・笨・笨・笨・笨・笨・笨・笨・笨・笨・笨・笨・笨・笨・

 家族の愛、人々の絆のぬくもりを丁寧に描いたハートフル・ストーリー。いたわりとユーモアに満ちた会話に、心が優しくほぐれていくのを感じます。こんなふうに言えていたら、あの時すぐに仲直りできたかもしれない…。そんな気持ちにさせられます。

 原書タイトルは”The Railway Children”(1906)。本国イギリスでは、テレビの連続ミニドラマ4回(1951、1957、1968、2000年)、映画(1970年、Lフェリーズ監督)、ラジオドラマ(1991年)、劇場公演(2005~2012年)と、国民的に愛され続ける物語。日本では1971年の映画公開に併せ、『若草の祈り』の題で翻訳刊行されたこともあります。

 〔著者・訳者紹介〕

 イーディス・ネズビット(1858-1924) ロンドンに生まれ、熱心な社会運動家・小説家として活動。子どもたちの日常生活をリアルに描いた『宝さがしの子どもたち』(1898)をはじめ、『砂の妖精』(1902)『火の鳥と魔法のじゅうたん』(1904)により、ファンタジーの花が開く20世紀児童文学の先駆けとなる。

 中村妙子(なかむら・たえこ) 1923年、東京生まれの翻訳家。児童文学、C.S.ルイスの著作と評伝、クリスティーなどの小説、キリスト教関連書など、約250冊の訳書がある。児童書の主な訳書は、『サンタクロースっているんでしょうか?』(偕成社、1977)、マクドナルド『北風のうしろの国』(早川文庫、1981)、ダール『オ・ヤサシ・巨人BFG』(評論社、1985)、バーネット『消えた王子』(岩波書店、2010)など。

  この記事は、こちらと重複します。
The Railway Children・・邦訳「鉄道の子供たち」「鉄道きょうだい」「若草の祈り」

 


 動画もありますよ。ロシアのサイトmail.ru/です。セリフにロシア語の音声入り
画質はYouTubeより劣りますが、削除箇所はありません。

 Дети дороги The Railway Children 2000
http://my.mail.ru/bk/garuss/video/150843/150856.html 
1:40:48

そして、こちらはYouTubeです。抜粋編(3編)の連続再生なので、省略箇所があるが、画質は良好です。

 The Railway Children  
https://www.youtube.com/watch?v=3FsOZyguxqU&feature=player_embedded&list=PL9A7CBCF7C5ACEA08  

 The Railway Childrenのアニメ動画
セリフも易しい英語なので、分かりやすい作品です。
物語は忠実にアニメ化されています。

THE RAILWAY CHILDREN CHAPTER1-9 (連続再生)
http://www.youtube.com/watch?v=vzZEw5Zakmk&feature=share&list=PLPnhOEG8kgVYv4W-pu_vb6cKZ6vrb2dgh 

 


 The Railway Childrenの日本語訳
鉄道の子供達 - いずみ書房
http://www.izumishobo.co.jp/onlinebook/c06_ladybird/068.html

 
 鉄道の子供達 - いずみ書房の抜粋
読みやすいようにコピペしました。

 

鉄道の子供達

〈ことのはじまり〉

 彼らも最初は鉄道好きな子どもたちではありませんでした。彼らはロンドンの近くの郊外住宅に、お父さんやお母さんといっしょに住んでいました、その家はれんが造りで、玄関のドアには色ガラスがはまっており、白ペンキがたくさん使われていて、家の広告のいう「近代設備がすべて」 整っていました。彼らが列車に乗る機会は、動物園とかマダム・タッソーズ (ロンドンにある、ろう人形館) とかに行くときだけでした。
彼らは3人きょうだいでした。長女のロウバータは、たぶんお母さんのひそかなお気に入りでした。ピーターは技師になりたいと思っていました。
フィリスはいい子でした、しかし、ものごとがうまくいかないと思うことも、ときにはありました。
彼らはジェイムズという名の犬を飼っていました、そしてお母さんは物語を読んでくれたり、宿題を助けてくれたり、みんなの誕生日には愉快な詩を書いてくれたりしました。お父さんはまさに申し分のない人でした──怒ることはなく、いつも公平で、ふざけるのが好きでした。

ある日、恐ろしい変化がこの家族を見舞うまでは、みんな幸福そのものでした。
ある晩おそく、2人の男がお父さんをたずねてきました、お父さんはピーターのためにおもちゃの機関車を直しているところでした。やがてタクシーが呼ばれ、お父さんはそれに乗って、行ってしまいました。お母さんは真青な顔になり、たいへん心配そうでした。彼女は子どもたちに、いい子にしていて何も聞くのではありませんよ、と言いました。
子どもたちは、何をどうしていいかわからないなりに、一所懸命お手伝いをしました。ロウバータには、何か重大なことが起ってお母さんにみじめな思いをさせているのだということがわかりました。
「ねえ」 と、フィリスが言いました 「お姉さんはいつも、とても退屈だと言ってたじゃない──本の中に書いてあるようなことが何も起らないって。こんどは何かが起ったのよ」
「お母さんを不幸にするようなことに起ってもらいたくなかったわ」 と、ロウバータが言いました。「何もかもいやなことばかりですもの」

 数週間の間、とてもいやなことばかりが続きました。やがて彼らは、お父さんは仕事で行ってしまったこと──政府のために働いていること──そして、長い間帰ってこられないかもしれなし、ということを聞かされました。お母さんは言いました 「心配しないで。最後にはみんなうまくいくわ」
彼女は子どもたちに、田舎の小さな白い家に引っ越すのだと言いました。
世帯道具が全部荷造されました、毛布やおなべまでも。
「こんなぶかっこうなものまで持っていくの、お母さん」 と、ロウバータが言いました。
「役に立つものを持っていくのですよ」 と、お母さんは言いました。「私たちはちょっとの間、貧乏人ごっこをしなければならないのよ、ひよこちゃんたち」
すべての、ぶかっこうだけれど役に立つ品々が荷物運搬車に積みこまれてしまうと、タクシーが来て、子どもたちを駅に運びました。長い旅だったので、子どもたちは列車の中で眠りこみ、お母さんが彼らをやさしくゆすって 「子どもたち、起きなさい、着きましたよ」と言うまで、眠っていました。
彼らは吹きさらしのプラットホームに立って、車掌車のテールランプが暗やみの中に消えていくのをじっとみつめました。彼らはそのとき、自分たちがどんなに鉄道が好きになるのか、またどんなに早く鉄道が自分たちの新しい生活の中心になっていくのか思ってもみませんでした。

 駅から彼らの新しい家までは、長いこと暗い泥だらけの道を歩かなければなりませんでした、そしてフィリスの靴ひもがよくほどけました。彼女は立ち止まってそれを結び直してばかりいました。

 でこぼこの田舎道を歩いていくと、畑の中の出入口を経て、お母さんがあれがお家よと言った、黒ずんでずんぐりした 「3本煙突」 に着きました。
あかりはついていないで、玄関の戸には鍵がかかっていました。荷物を運んできた荷馬車引きが戸口の階段の下から鍵をみつけだして、ドアを開け、台所の食卓の上にろうそくをつけました。台所は、すみの方に家具が積み上げられていて、暖炉には火もなく、暗くて近づきがたいものに思われました。
壁の中でガサガサと走りまわる音が聞こえました。「あれば何の音」 と、少女たちが聞きました。「ただのネズミですよ」 と荷馬車引きが答えて、外に出ていきました。彼が出ていってドアが閉まると、すきま風がろうそくの火を吹き消してしまいました。

 「来なければよかったのに」 と、フィリスが泣きわめきました。
「ただのネズミだってさ」 と、ピーターが暗やみの中で言いました。 

〈ピーターの炭坑〉 

 「楽しいじゃないの」 と、お母さんが言いました。「あなたたちは、何か起ればいいといつも言ってたじゃないの、そして、今、そうなっているじゃない。これこそ珍しい経験よ」
隣の人が何か夕食を用意しておいてくれることになっていましたが、食べものは何もみつかりませんでした。そこで、彼らは地下室に運ばれていた荷物をさがしました、お母さんがそのひとつを台所の火かき棒でこじ開けました。前の家の食物戸棚から持ってきた食べものの残りや切れっはしが少しありました、それで、彼らは台所で遠足のお弁当みたいな食事をしました。
だれもがとても疲れていました、しかし、へんてこだけれど楽しい食事を見て、元気づきました。何ものっていないビスケットに、クリームがのっているビスケット、イワシ、ショウガの塩漬、料理用の干しブドウ、果物の皮の砂糖漬け、マーマレードなどが並べられ、それといっしょに紅茶茶わんを使って、ジンジャーワインと水を飲みました。
彼らはみんなでベッドを整えるのを手伝いました、そして眠りにつきました。ロウバータが夜中に目を覚すと、お母さんが自分の寝室でまだ動きまわっているのが聞こえました。
次の日の朝、子どもたちは早く目を覚しました、そして、お母さんが起きないうちに朝食の支度を何もかもしてしまおうと、そっと静かにベッドからはい下りました。・・・・・・・(中略) 

 寝室には水道がありませんでした、それで彼らは庭の井戸の水で、もういいと思うまで顔を洗いました。
「洗面器で洗うより、ずっとおもしろいわ」 と、ロウバータが言いました。
「草が石の間であんなにキラキラ光っているわ」
彼らは火を起して、やかんをかけ、食卓の用意をしました。それから彼らは探険に出かけました。・・・・・・・(中略) 

 彼らの家は山の斜面の野原の中に建っていました。下の方に鉄道の線路と、大きく□を開けているトンネルの黒い入口が見えました。駅は見えませんでした。大きな橋があり、その高いアーチが谷間にかかっていました。 ・・・・・・・(中略) 

 駅にはたくさんの線路が交差していました。トロッコがおいてあるだけの待避線もいくつかありました。その待避線のひとつに、がっしりした壁のように作られた石炭の大きな山があり、そのてっぺんには白い線がかいてありました。駅の上にある鐘が2回鳴ると、車掌が出てきました。彼は子どもたちに、白いマークは石炭がどのくらいあるかを示すためについているので、だれかが石炭を持っていったら、すぐわかるようになっているのだと言いました。
「だから、きみたちもポケットにつめこんで帰るんじゃないよ」 (ピーターは、後になってこの警告を思い出すことになります)。
「これはぼく1人の冒険なんだ、でも、もしお母さんが何をしているのかと聞いたら、鉱山で遊んでいると言っておいて」
「何の鉱山なの」
「石炭の鉱山さ。しかし、拷問されたって、言っちゃだめだぞ」・・・・・・・(中略) 

 二晩の後に彼は少女たちを呼び、ローマの戦車を持ってきて手伝ってほしいと言いました。(戦車とは、物置でみつけた古い乳母車のことでした)。
彼らはそれを押して、坂をおり、駅へと向かいました。くぼみの中にシダやヒースでおおいかくされた小さな石炭の山を、ピーターは見せました。
「これはセント・ピーター鉱山から掘ってきたんだ!」 と、彼は言いました、そして、彼らはそれを戦車にのせて家に引きずっていきました。
通いのお手伝いさんのヴァイニー夫人は、その週石炭がばかによくもつことに気づきました!
しかし、ある夜恐ろしいことに、ピーターは、ねずみの穴のそばで待つ猫のように待ちかまえていた駅長さんにつかまつてしまいました。彼は、ピーターが白い線が引いてあるあたりの石炭の山をかきまわしているのをみつけたのです。
「ぼくは泥棒じゃないよ!」 と、ピーターは憤然として言いました。「ぼくは石炭掘りだぞ」貨車のうしろにかくれていたボビーとフィリスは勇敢にも出てきて、ピーターといっしょになりました。
「おや、きみたちはギャングの一味なのか!」 と、駅長さんが叫びました。
「3本煙突の家の子どもたちだな。盗みは悪いことだとは知らないのかい。なんでこんなことをしたのかな」
ピーターは、家がまずしくて火がたけないとお母さんが言ったのだと説明しました。彼は、石炭山のまん中から石炭をとることが、悪いことだとは思ってもいませんでした──それは石炭掘りなのですから。・・・・・・・(中略) 

 親切な駅長さんは 「こんどだけは」 見のがしてくれると約束しました。
「しかし、覚えておきなさい、盗みは盗みなんだ、君がそれを石炭掘りと言ってもね。さあ家へ帰りなさい!」
「あなたは話せる人だ!」 と、ピーターが言いました。
「いい人だわ!」 と、フィリスが言いました。
「駅長さん、大好き!」 と、ボビーが言いました。
「いいんだよ!」 と、駅長さんが言いました。 

〈老紳士〉 

 子どもたちは鉄道からはなれられませんでした。のんびりした田舎で、通っていくものは汽車だけでした、それに子どもたちは名前をつけました。
9時15分の上り列車は  「緑の竜」とつけました。真夜中の急行は 「夜中の恐ろしいハエ」でした。
やがて友だちができました、それは9時15分の汽車に乗ってくる顔色のよい老紳士でした。子どもたちが線路わきの柵のところに立って 「緑の竜」 がトンネルの中のその暗い隠れ家から突進してくるのを見守っていると、その老紳士は新聞紙を彼らに振ってくれました。・・・・・・・(中略)

 〈ボビーの誕生日〉 

 家族の者の誕生日は、家庭ではいつも特別の日でした。今は贈物を買うお金はありませんでしたが、お母さんも、ピーターも、フィリスも、ボビーの12歳の誕生日を忘れませんでした。
それは非常なおどろきでした。彼女はお茶の時間に、食堂に入ってもいいとベルが鳴るまで待っていなくてはなりませんでした。
テーブルは鉄道の地図を表す美しい花模様で飾られていました。
「ほら、このライラックの線がレールだよ」 と、ピーターが言いました。
「駅は茶色のニオイアラセイトウで作ったんだ。キングサリが汽車で、そしてこの3つの赤いヒナギクがぼくたちで、老紳士に手を振っているところさ。キングサリの汽車の中のパンジーがあの老紳士なんだ」 ・・・・・・・(中略) 

〈囚人と捕りょ〉 

 ある日、お母さんは一番近い町メイドブリッジへ出かけました。彼女は手紙を出すとき、いつもそこへ出かけるのでした。子どもたちは雨の中を、着く1時間も前に彼女の乗ってくる汽車を迎えにいき、一般待合室でゲームをしていました。
上りの汽車がはいってきました。子どもたちは、お友だちの機関士に話しかけようと歩いていきました、彼はピーターのこわれた機関車を直してくれたことがあったのです。彼らはプラットホームの上で、たくさんの人たちが、外国語を話す病気らしい人のまわりに群がっているのを見ておどろきました。
それはフランス語でも、ラテン語でも、ドイツ語でもありませんでした。
だれにもその言葉がわかりませんでした。その男の人は髪の毛が長く、興奮した目をし、ふるえていました。ピーターは彼に、確かではないフランス語でたずねました 「フランス語を話せますか」・・・・・・・(中略)  

〈汽車を救う〉 

 ロシアの紳士は、まもなく庭に出てすわっていられるほど元気になりました。お母さんは、彼の家族の居場所を知っていると思われる国会議員やその他の人びとに手紙を書きました。子どもたちは彼と話すことはできませんでしたが、微笑したり、花を持っていったりして、友情を示しました。
ある日、彼らは、トンネルの入口のそばの崖に生えている野生のサクランボを彼にとってきてあげようと考えました。彼らは切り通しのてっぺんに着くと、線路を見下ろしました。 

 そこは、やぶや木が切り通しに張り出していて、まるで峡谷のようでした。はしごのようなせまい木の階段をおりるとそこが線路で、階段のてっぺんには開き戸がありました。彼らが開き戸に着くばかりになったとき、ボビーが叫びました 「静かに、じっとして。あれは何かしら」
「あれ」 とは、サラサラとささやくような音でした。その音はいったん止んで、また聞こえました、こんどはゴロゴロという大きな音になりました。
「あそこの木を見てこらん」 と、ピーターが叫びました。 

 灰色の葉と白い花をつけた木が、動き、ふるえ、斜面をすべりおりてくるように見えました。さらに、すべての木が線路めがけてすべり落ちてくるように見えました。
「あれは何かしら、私気味が悪いわ」 フィリスが叫びました。「お家に帰りましようよ」
「みんな落ちてくるよ」 と、ピーターが言いました。彼がそう言ったとき、そのてっぺんに木が生えている大きな岩が、ゆっくりと前にかしげました。
動いている木がじっと止まり、ふるえました。それから岩も、草も、木もかん木も、切り通しの表面をすべり落ち、半マイル離れたところでも悶えるような音をたてて、線路の上に落ちました。土けむりがあがりました。
「下りの線路をふさいでしまったわ」 と、フィリスが言いました。
「11時29分の汽車が来るはずだ」 と、ピーターが言いました。「駅の人たちに知らせなくっちゃならないよ、でないと恐ろしい事故が起るぞ」
「時間がないわ」 と、ボビーが言いました。「私たちに何ができるかしら。赤い旗をふりましょうよ」
少女たちは赤いフランネルのペチコートを着ていました。彼女らは急いでそれを脱いで、引き裂きました、そして旗を6つ作りました。ピーターは若木で旗竿を作り、旗竿を通す穴を開けました。それで、彼らは1人ずつ2つの旗を持って準備し、 汽車が来るのを待ちました。 

 ボビーは、だれもこんなつまらない小さな旗には気がつかないだろう、そして、みんな死んでしまうだろうと考えました。やがて、遠くの方にガタンガタンという音が聞こえ、レールの鳴る音がし、白い煙もかすかに見えてきました。
「しっかり立って」 ピーターが言いました。「気ちがいのように振るんだ!」
「そんなの役に立たないわ、彼らには私たちが見えないでしょう!」 と、ボビーが言いました。
汽車はますます近づきました、ボビーはかけ出しました。
「線路からはなれろ!」 と、ピーターが大きな声で言いました。
「まだ! まだ!」 と、ボビーは叫び、線路の上で旗を振りました。機関車の先端が黒く巨大なものに見えました。その音は大きく不気味でした。
「ああ、止まって、止まって、止まって!」 と、ボビーは叫びました。機関車に彼女の声が聞こえたにちがいありません、それはすばやく速度をゆるめ、ぴたっと止まりました。ピーターが機関士のところへ走りよったとき、ボビーはまだ旗を振っていました。それから彼女は線路の上に倒れました。
「かわいそうに、気絶している」 と、機関士は言いました 「無理もない!」
彼らは彼女を汽車に乗せて駅に連れもどりました、彼女は徐々に意識をとりもどし、泣き出しました。
駅で、子どもたちは喝采をもって迎えられ、英雄のようにたたえられて、耳を真赤にして、はずかしがりました。
「お家へ帰りましょう」 と、ボビーは言いました、もし汽車が止まらなかったら、人びとはどうなっただろうかと考えながら。
「あの人たちを救ったのはぼくたちだよ!」 と、ピーターが言いました。
「私たちはまだサクランボをとっていないわね」 と、ボビーは言いました。
他の子どもたちは、彼女のことを少し冷淡だと思いました。

 続きはこちらでどうぞ→。鉄道の子供達 - いずみ書房


  


1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (Unknown)
2022-04-10 18:06:49
最後まで書いてほしかった

コメントを投稿