「鋼の錬金術師」◆
エドは断言した。「アルは元に戻れる!」
だから、私は断言する。エドもまた、元の身体に戻れると!
エドはアルを戻したくて、アルも自分の身体を取り戻したい。アルは一人の夜は嫌だし、エドはアルの笑顔を見たい。
けれどエドの手足は、エド自身は取り戻したいとはそれほど思っていない。ただアルとの約束だから、それに頷いているだけで。
だから、アルは元に戻れても。
エドは機械鎧のままではないのかと。そういう予想が多いと思う。
私も去年まではそう思っていた。
でも、違う。
エドもまた、元に戻れる!
なぜなら、アルだけ元に戻れても、アルは幸せになれないから。
アルが幸せになれないなら、エドも幸せになれない。エドの求めるものはアルの笑顔だから。
だからアルだけ元に戻れても、それはハッピーエンドとは言えない。
「鋼の錬金術師」は少年漫画だ。これ以上無い正統派少年漫画。
だから、最後は必ず、希望溢れるハッピーエンドであるはずだ!
アニメでは、エドは機械鎧のままだった。
それは私にとって、自説を後押しする要素だ。脚本家は原作エンドを知っている。だから決して同じにはしないはず。それは原作への敬意以上に、創作する者のプライドとして。
同じものを作るなんて、つまらないじゃないか!
だから、原作では、アルは本来の年齢の身体を取り戻すんだ。
原作ではパラレルワールドは存在せず、ウィンリィと離れ離れにもならない。
そして原作ではきっと必ず、エドもまた、右手左足を取り戻す!
エドは鋼の錬金術師。だから「鋼の錬金術師」はタイトルロールであるエドの物語だ。
そして、アニメ「鋼の錬金術師」は、エドが錬金術師ではなくなって終わる。
だから漫画「鋼の錬金術師」は、エドが「鋼」でなくなって、終わるんだ。
エドは身体を取り戻してもいいのか?
ブログ「tiny cantante」4月26日付け記事概略。
そもそも存在しない「お母さん」の対価としての左足(とアルの身体)は取り戻せても、アルの魂をもぎ取った右腕まで取り戻せるものなのか。
エドもアルも、犯した罪は同等なのに、アルの方が代償が重い。手足が無いより、眠れない食らべれない感じない方がずっと辛いはず。なのにエドがアルと同じに生身を取り戻していいのか。
事故やその他で機械鎧となった他の人々はそのまま機械鎧で生きてゆくしかないのに、エドだけ生身を取り戻すのは不公平ではないのか。
うん。確かに。
その通りだ。
けれど、私は言う。それでもエドは元に戻れる。
どうして?
>世界は不条理に満ち、努力は必ずしも報われない。
ブログ「あなろぐ」アニメ21話感想、スライサー兄の台詞「答えようのないことなど、この世にいくらでもある」に対するコメントより。
余談ですが、引用文はえてしてよく聞く文言ですが、このブロガーさんにおいては安っぽい受け売りや自己憐憫では無く、このさり気ない一文に私は深く頷いた次第。余談終わり。
そう。世界は不条理に満ちている。
理由なんか無くても不幸は降りかかる。どうして!と嘆いても、そこに答えなんか無い。
逆に、幸いだって、理由なんか無しにもたらされるものだ。ただ幸いには「どうして?」と思わないだけで。
そうさ、世界は等価交換なんかじゃない。
だからエドが生身を取り戻す、そこに何の忌憚があるものか!
エドは元に戻れる!
私は断言する。だって「フィクションだからこそ、本来なら救いの無い話にも救いを作ってあげられる」のだから!(12巻見返し作者コメントより)
人体錬成によって扉が開く。
生きている人間の人体錬成は可能だ。
賢者の石があれば対価は足りる。通行料として肉体の一部を奪われることは無い。
エドとアルは肉体と魂をつなぐ精神が混線している。
エドが自分自身を錬成するのは、人体錬成だ。
アルが自分自身を錬成するのは、その身体は鎧だから、人体錬成とは言えない。
エドとアルは手の平を合わせることで錬成する。
謎解きパズルのピース。
エドとアルが、もし互いの掌と掌をあわせて、二人で一つの環を作るなら、それはとても美しい図だと思う。
だからきっと、エドはアルを、アルはエドを、互いが互いを錬成することで、門が開き、彼らは元の身体を取り戻すのだと思う。
対価には賢者の石を。
その賢者の石には、グリードの石を使えばいい。対価として魂=命を消費し、上手いこと2-3回分の不死身を残したリンが帰ってこればいい。
錬丹術は「流れを理解し正すこと。再生する術」(パーフェクトガイドブック2)。
なら、人体錬成の錬成陣の、外側をメイの錬成陣で囲んで、彼らが彼らに戻る手助けをすればいい。
都合が良すぎる?
そうかもしれない。
でも、パズルのピースは、組み合わさって一つの絵になるんじゃない。
初めに一つの絵があって、その要素がパズルのピースとしてばらけているんだ。
兄弟は、二人きりで、お母さんを取り戻そうとした。
ふたりだけの秘密。
二人で研究して、二人で錬成をして、二人ともが肉体を失い、二人で旅をしてきた。
だから元に戻る時も、二人きりで錬成を行うような気がしていた。私はずっと。
けれど、その真逆で。
大勢の力で元に戻ったっていいじゃないか。
その方が、いいじゃないか!
周りの人に頼ること、巻き込むこと、守ること、待つ人のためにも生きぬくこと。兄弟が知ったこと。
彼らの成長の証として、物語の終わりには、大勢の立会いがあったって、いいじゃないか!
この、元に戻る方法は、私の想像なのだけど。
もしかしたら二人きりかもしれないし、互いの錬成なんてやらないかもしれない。
けれど。それでも。
エドは元に戻れる。
エドもアルも、共に元の身体を取り戻す。
絶対に!!
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エドは断言した。「アルは元に戻れる!」
だから、私は断言する。エドもまた、元の身体に戻れると!
エドはアルを戻したくて、アルも自分の身体を取り戻したい。アルは一人の夜は嫌だし、エドはアルの笑顔を見たい。
けれどエドの手足は、エド自身は取り戻したいとはそれほど思っていない。ただアルとの約束だから、それに頷いているだけで。
だから、アルは元に戻れても。
エドは機械鎧のままではないのかと。そういう予想が多いと思う。
私も去年まではそう思っていた。
でも、違う。
エドもまた、元に戻れる!
なぜなら、アルだけ元に戻れても、アルは幸せになれないから。
アルが幸せになれないなら、エドも幸せになれない。エドの求めるものはアルの笑顔だから。
だからアルだけ元に戻れても、それはハッピーエンドとは言えない。
「鋼の錬金術師」は少年漫画だ。これ以上無い正統派少年漫画。
だから、最後は必ず、希望溢れるハッピーエンドであるはずだ!
アニメでは、エドは機械鎧のままだった。
それは私にとって、自説を後押しする要素だ。脚本家は原作エンドを知っている。だから決して同じにはしないはず。それは原作への敬意以上に、創作する者のプライドとして。
同じものを作るなんて、つまらないじゃないか!
だから、原作では、アルは本来の年齢の身体を取り戻すんだ。
原作ではパラレルワールドは存在せず、ウィンリィと離れ離れにもならない。
そして原作ではきっと必ず、エドもまた、右手左足を取り戻す!
エドは鋼の錬金術師。だから「鋼の錬金術師」はタイトルロールであるエドの物語だ。
そして、アニメ「鋼の錬金術師」は、エドが錬金術師ではなくなって終わる。
だから漫画「鋼の錬金術師」は、エドが「鋼」でなくなって、終わるんだ。
エドは身体を取り戻してもいいのか?
ブログ「tiny cantante」4月26日付け記事概略。
そもそも存在しない「お母さん」の対価としての左足(とアルの身体)は取り戻せても、アルの魂をもぎ取った右腕まで取り戻せるものなのか。
エドもアルも、犯した罪は同等なのに、アルの方が代償が重い。手足が無いより、眠れない食らべれない感じない方がずっと辛いはず。なのにエドがアルと同じに生身を取り戻していいのか。
事故やその他で機械鎧となった他の人々はそのまま機械鎧で生きてゆくしかないのに、エドだけ生身を取り戻すのは不公平ではないのか。
うん。確かに。
その通りだ。
けれど、私は言う。それでもエドは元に戻れる。
どうして?
>世界は不条理に満ち、努力は必ずしも報われない。
ブログ「あなろぐ」アニメ21話感想、スライサー兄の台詞「答えようのないことなど、この世にいくらでもある」に対するコメントより。
余談ですが、引用文はえてしてよく聞く文言ですが、このブロガーさんにおいては安っぽい受け売りや自己憐憫では無く、このさり気ない一文に私は深く頷いた次第。余談終わり。
そう。世界は不条理に満ちている。
理由なんか無くても不幸は降りかかる。どうして!と嘆いても、そこに答えなんか無い。
逆に、幸いだって、理由なんか無しにもたらされるものだ。ただ幸いには「どうして?」と思わないだけで。
そうさ、世界は等価交換なんかじゃない。
だからエドが生身を取り戻す、そこに何の忌憚があるものか!
エドは元に戻れる!
私は断言する。だって「フィクションだからこそ、本来なら救いの無い話にも救いを作ってあげられる」のだから!(12巻見返し作者コメントより)
人体錬成によって扉が開く。
生きている人間の人体錬成は可能だ。
賢者の石があれば対価は足りる。通行料として肉体の一部を奪われることは無い。
エドとアルは肉体と魂をつなぐ精神が混線している。
エドが自分自身を錬成するのは、人体錬成だ。
アルが自分自身を錬成するのは、その身体は鎧だから、人体錬成とは言えない。
エドとアルは手の平を合わせることで錬成する。
謎解きパズルのピース。
エドとアルが、もし互いの掌と掌をあわせて、二人で一つの環を作るなら、それはとても美しい図だと思う。
だからきっと、エドはアルを、アルはエドを、互いが互いを錬成することで、門が開き、彼らは元の身体を取り戻すのだと思う。
対価には賢者の石を。
その賢者の石には、グリードの石を使えばいい。対価として魂=命を消費し、上手いこと2-3回分の不死身を残したリンが帰ってこればいい。
錬丹術は「流れを理解し正すこと。再生する術」(パーフェクトガイドブック2)。
なら、人体錬成の錬成陣の、外側をメイの錬成陣で囲んで、彼らが彼らに戻る手助けをすればいい。
都合が良すぎる?
そうかもしれない。
でも、パズルのピースは、組み合わさって一つの絵になるんじゃない。
初めに一つの絵があって、その要素がパズルのピースとしてばらけているんだ。
兄弟は、二人きりで、お母さんを取り戻そうとした。
ふたりだけの秘密。
二人で研究して、二人で錬成をして、二人ともが肉体を失い、二人で旅をしてきた。
だから元に戻る時も、二人きりで錬成を行うような気がしていた。私はずっと。
けれど、その真逆で。
大勢の力で元に戻ったっていいじゃないか。
その方が、いいじゃないか!
周りの人に頼ること、巻き込むこと、守ること、待つ人のためにも生きぬくこと。兄弟が知ったこと。
彼らの成長の証として、物語の終わりには、大勢の立会いがあったって、いいじゃないか!
この、元に戻る方法は、私の想像なのだけど。
もしかしたら二人きりかもしれないし、互いの錬成なんてやらないかもしれない。
けれど。それでも。
エドは元に戻れる。
エドもアルも、共に元の身体を取り戻す。
絶対に!!
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ええ、素直に読めばフツウに兄弟二人とも身体を取り戻して終わる、と、思うのですが。
ぐーっとのめり込んで読んでいると、本当に身体を取り戻せるのだろうか?と疑問や不安が浮かんでしまうのです・・・・・・が!それでも!
絶対エドもまた元に戻れると宣言(笑)したくて、この記事を書きました。
アニメは、う~ん?あまり深く考えたことないので…アニメはアニメ好きブロガーさんにお任せしております(笑)。アニメもね、すんごい深い感想や考察があちこちにあるんですよ。記事の時期は少し昔になってしまいますが。
海底への探検もありがとうございます・・・・・・しらふであっちの話ってしにくいわー(照)。
何にせよ、文章力の無い私はどちらのブログもリズムとネタだけで書いています。これからもどうぞ宜しくお願いいたします!
秋穂様こんにちは!初めまして!
初コメント、本当にありがとうございます。初めてですのに、私の文に対して文書いて送信ボタン押してくださった、そのことにすごく感謝です!
ブログコメントも他のメッセージツールと変わらないですよ~!書くのにちょっぴり勇気とタイミングが要って、もらった側は嬉しくて元気になる、おんなじです!
>今回の記事、かなり感動させていただきました。
ほ、ほんと?!嬉しいです!
賢者の石を使うしかないなら、どれを?と考えて。最初、ホーエンハイムのかなあ、と思ったんです。親子だし。でも、少年漫画をキーに考えて、その案は捨てました。親の助けじゃカタルシスが無い、つまらない。
そして少年、というキーからパズルピースを拾ってみたら、私好みの展開に!(笑)
でも、どんな展開でも
>荒川さんは素敵なエンドをくれる事でしょう。
私もそう思います!
きっと最後までドキドキハラハラさせて、うっそー!?ってあと3回は叫ばせて(笑)、そして大満足のエンドを迎えられると思っています!
春花様こんにちは。
内容的に関係無い記事ですのに、リンクさせていただいてすみませんでした。春花様の言葉によって私が考えていたことがぱっと開けたものですので、その言葉無しに記事を書くのは難しかったのです…!
とてもご都合主義な解釈なんですが、れっつぽじてぃぶしんきんぐ!せっかくの少年漫画なのだもの、楽しくて勇気もらって幸せでなくちゃ!
そして。
>二人が体を取り戻すことだけが至上の目的とは思っていないんです
はい。必ずしも身体を取り戻さなくても、特にエドは、笑って生きていける。
身体を取り戻すためならマルコーさんから石を奪ってでも、という発想は、最初から無い。
兄弟の旅の目的は元の姿を取り戻すことだけれど、鋼の主題はそうじゃない。だからこそ、アルはともかく、エドは取り戻さない可能性も考えられる。ゆえに、今ここで私が!(笑)断言しちゃわなければ!と。
>作者の感性が健全なので、安心して先を楽しみにできます。
そこが、すごいですよね~。物語的にはとても安心できない、誰が死んじゃうかどう転ぶかぜんっぜん見えなくておっかないのに、作品としては全幅の信頼を置ける。
だから好きです!
私も、原作でのハッピーエンドを確信するひとりです。
それを確信したのは、エドの手のひらを合わせる錬成ポーズを、リンが「まるで神への祈りじゃないか」と感じる描写があったことから。
そしてそのシーンが、コミックスの帯になっていたこと。
それって、エドの祈りがきっと届く、ってことじゃないでしょうか?
>エドとアルが、もし互いの掌と掌をあわせて、
>二人で一つの環を作るなら、それはとても
>美しい図だと思う。
私もそう感じます。エドとアルの扉デザインが対比の形になっているのも、二人の精神が「混線」してるのも、きっと二人が元に戻るための伏線。
でもね。実は。
白状すると、私、二人が体を取り戻すことだけが至上の目的とは思っていないんです。
命の一回性とか、取り返しのつかなさとか、そういうものをすべて腹の底から呑み込んだ上で、それでも二人が笑って生きていけるようになるなら、必ずしも体を取り戻す必要はない。
あるいは、すべてを取り戻す必要はない。
(アルの体は取り戻さないと、エドの笑顔はない、とは思うんですけどね)
テレビアニメでは二人が別れ別れになって終わったので、原作ではそれだけはナシって方向で!
作者の感性が健全なので、安心して先を楽しみにできます。
ブログにコメント…というのが初めてですので、勘違いがあるかもしれませんがお許し下さい(汗)
今回の記事、かなり感動させていただきました。
メイやリン…もしかしたら七つの大罪とスカーと父親(更にアルの体調を考慮し医療班(ウィンやばっちゃ))達で行われる錬成…二人で失敗したなら皆で!って事になれば、巻き込む可能\性はあれども、成長したんだなぁと感涙します!
落ち着いてやるなら、絞りに絞って。
ドタバタとやるなら、兄弟二人きりの扉のシーンを作って。
二人でも大勢でも、例え一人きりでも。
荒川さんは素敵なエンドをくれる事でしょう。
乱文&長文失礼しました。ですが、想いのたけが言えてかなり満足です(笑)
確信といえるほどのものはないけれど、そうでなければ終われないはず(笑)
でもって、兄弟両方が幸せにならなければ終われないはずなので、アルだけ戻ってよかったね、はないはずですよねー。
アニメでなぜエドの手がもどっていないのか、
本当に不思議です。アルが錬成したのに、なぜ???
映画でウィンリィがでられなくなるからですかね・・・。
私がわかってないだけですか???(笑)
あ、歌猫さんの影のブログ(笑)を拝見しました。
まだ全部みていませんが、久々に素敵なテキストを読ませて頂きました。ありがたや!イラストだと好みにぴったり来るところはありますけども、テキストって難しいですよね。
一つ、文章はものすごく素敵だけど、ネタに抵抗が
あるサイトがあって見つけて嬉しいような悲しいような複雑な気持ちになっております(笑)