第11話 建礼門と建春門
天皇の后、公卿の后殿が出家されると院号が与えられる。その院号にはその御方が住んでおられた邸の正門の名前が多い。 この建礼門と建春門は京都御所の内講を固める6つの門のうちの二つです。
建礼門は御所の南に位置し葵祭りや時代祭りでの出発地点で、建春門は御所の西に位置する向唐破風の屋根を持つ四脚門です。 建礼門といえば、清盛と時子の子・徳子。 建春門といえば後白河法皇は寵愛した滋子で、時子とは異母妹の間柄。二人は一回り年の離れた叔母と姪の関係になります。 滋子と後白河法皇との間には憲仁親王、つまり後の高倉天皇がおり、徳子は高倉天皇との間に、言仁親王をもうけています。 これが安徳天皇です。
建礼門(御所正面入口の正門) 建春門(勅使の出入用)
朔平門 清所門(御所の勝手口)
宜秋門(摂家、親王、門跡、公家等の出入り口) 皇后門
また、内講には承明門、日華門、月華門の三つの門が紫宸殿(ししんでん:御所の正殿で、天皇の即位式、立太子礼などの最重要儀式が行われた建物)を守っています。
承明門 日華門 月華門
┣後白河天皇77代1127-1192(紀伊の局が乳母)
鳥羽天皇 ┃ (藤原通憲(信西)、後白河側近で平治の乱で死す)
74代┃ ┃ ┣藤原成範
┣近衛 ┃ 藤原朝子┣小督?-?
┃76代 ┃ (紀伊局) ┃ ┃
美福門院 ┃ ┃ 藤原隆房
┃ ┃ ┃
┃ ┃ 清盛・娘
┃ 葵前 ┣範子内親王1177-1210斎院
┃ ┣ ┃
1103-1156 ┣憲仁親王80代高倉天皇1161-1181
┃ ┃
┃ ┣言仁親王(81代安徳天皇1178-1185)
藤原祐子┃ ┃トキヒト
┣滋子1142-1176 * ┃
┃(建春門院) ┃ ┃
平時信 ┣徳子1155-1214(建礼門院)
┣時子1126-1185 ┛
今年の斎王代