プラムフィールズ27番地。

本・映画・美術・仙台89ers・フィギュアスケートについての四方山話。

◇ 岩下壮一「カトリックの信仰」(ただし80ページまで)

2024年08月20日 | ◇読んだ本の感想。
8年くらい前に「いま大人に読ませたい本」という本を読んだのよ。
これは谷沢永一・渡部昇一の共著で、――彼らを決して読んでいるわけではないが、
まあ有名だからというスケベ心。
そこに出ていた本、多分10冊くらい興味を持って課題図書リストに入れたなかの1冊が本作。

だが、これはわたしが求めていた内容ではなかった。
わたしは、キリスト者が理性的に信仰を解説してくれる本を求めていて。
キリスト教の神を信仰する「理由」を書いてくれていたら嬉しいなと思ったのよ。

しかしそもそもこれは「公教要理」(=カテキズム=教理問答etc.訳語がいっぱいある)を
解説したものらしい。なので、教義の解説≒説教のようなんだよね。
なので、内容はすっぱり信仰。わたしが読みたいのはここではない。

緒言の部分には、「そうそう、これについて話して欲しいのよ~」と思ってた見出しも
多々あったのだが、
(例えば「信仰と理性との関係」とか「正しい信仰と迷信」とか)
本文をわりと丁寧に読み進めて行っても、どうもそこについて納得出来る内容が
読めそうもなかった……まあ読んだの80ページですけど。


   要するに信ずるというのは、ある事柄を理性が承認することであって
   証明することではない。

   

ここの、「理性の承認」の部分を詳しく!と思ったが、それには言及されない。
すぐあとにはこんな文章が続く。


   君を信ずるという時には、貴方が虚言を言わぬとか、あるいは間違ったことをしない
   ということを認めるということであって、果たして相手が絶対に確かなものであるか
   否かについて、明らかな証拠を掴んだというわけではない。


この例えではなあ。友達と比べられても……という気がする。

この本には例えが多用されているが、元々の文章が書かれたのは昭和初期、
第二次世界大戦の前だから、例えが古くて現在の(わたしの)価値観ではピンとこない
ことが多い。つまり納得感がない。
納得感が低いことについて文庫で1000ページ近い本を読むのはちょっと厳しい。

それでも100ページは読もうかなと思ったが、80ページも100ページも
変わらないですよね。これで中止とする。  
内容について読み込んではいないので、要約などは出来ない。
興味のある方は自力でご一読を。




キリスト教が(歴史的に)強いのはなぜなのか、という疑問を前々から持っている。
まあそれなら、そういうことについて書いてある本をたくさん読めという話だが、
テーマとして重いので、あまりダイレクトに読みたくはない。
ごくまれに、かすってるかかすってないのかわからないラインの本を
ちょこちょこ読んでいきます……

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