プラムフィールズ27番地。

本・映画・美術・仙台89ers・フィギュアスケートについての四方山話。

< 探偵はBARにいる 3 >

2017年12月19日 | ☆映画館で見た映画。
今作はサブタイトルがないんだね。前作の「ススキノ大交差点」というのが(なぜか)好きだったから、
今作も期待していたところだ。



バイオレント・ハードボイルド・コメディ。
前2作と比べて、それでも多少は暴力シーンが減ったようだが、わたしはもう少し少な目でもいい。
まあG指定(むしろ指定無しなのだから、G指定というネーミングに違和感がある)だそうなので、
少しはマイルドになったんだろう。

全然今どきではない。なんていうのかなあ……たそがれている?ちょっと違うなあ。
侘しく、味気ないようでいて、うっすらとある優しみ。こういう雰囲気の映画はあまりないね。
昨今、わかりやすすぎる映画が多い気がしている。わたしは難解な映画よりはシンプルな映画の方が
ずっと好きだけれども、何しろ似たような映画が多すぎる。似たような人が出ている似たような映画。
そういう映画とは一線を画す作品。

とはいえ、きっちりお利口に作られた映画でもない。
いい意味で粗い。そこまで計算してやってるとしたらコワイけどね。
ただ、カッチリしすぎないようにしているという風には感じている。
作り込みはするけれども、完成しすぎることのないようにという狙い。

探偵は泣くんだね、毎回。
この作品は毎回哀れな美女を描く話であり、探偵は彼女たちに涙を注ぐ。
わたしも彼女たちの境遇とその健気さに泣く。
今回の北川景子も、バカだバカだと言われつつ、やはり哀れでした。



役者たちも(相変わらず)健闘。

まあ大泉洋ありきの話ですよ。雪降りしきる中の全裸とかも含めて、大泉洋がいなければ成立しない。
大泉洋の漂わせるハードボイルドさと色気と純情と、コミカルさ……
彼を得ての作品。

北川景子は、演技力のある女優さんとは思わないが、
「謎解きはディナーの後で」がかなり好きであった。なのでイメージがいい。
ある意味子供みたいな純情を持った人として感じられた。
凄むところは……なんだか妙に凄むところだけはウマイと感じさせる人は多々いるが、
北川景子はそんなこともなく。普通の人で安心した。
健気さが出ていた。まあ可愛さが勝るので、薄幸そうにはあんまり見えず、もっと合う人はいただろうけど。
でも不満はない。

松田龍平は、ここんとここんなのばっかり……まあ嫌いじゃないけれども。
今回は出番が少なかったように感じた。ニュージーランドの酪農を学ぶんですね。
何事も経験だ。行って来い。


その次の役者グループが面白いんだよな。

田口トモロヲ好きだ。最近ちょこっとお見掛けしなかった気がしたけど、安定の。もう少し出して欲しい。

安藤玉恵って妙に気になる。美人でもないし、正直演技もそこまで……だが、なんか応援したくなるんだよね。
「ベランダー」と、こないだの「悦ちゃん」その他にもちょこちょこ記憶にある。
今回は二の腕のぷっくり加減がお気に入り。子供みたいな腕なんだもん。

松重豊が出てくると、もうそれだけで笑ってしまう。
今わたしは「孤独のグルメ」のシーズン6を見ていて、井之頭さんのイメージになってしまったからね、もう。
昔はコワモテの役しかなかったようだが……。幅広く活躍するようになってほんとに良かった。
こういう人が日の目を見ないのは勿体ないもの。
カラダがまたきれいですねえ。サウナのシーンで、仏像みたいだと思った。
「轢いちゃえ!轢いちゃえ!」が面白かったですね。……しかし撮影的には超危険。

篠井英介。オカマの役は自家薬籠中のもの。本人も、気負わず楽しんでやっているんではないか。
「だからその名前で呼ぶなっつってんだよ!!」のドスの効いた声も大変気に入っている。



リリー・フランキーはね。悪役顔すぎて、あまり好きじゃないんだよね。コワすぎて。
この役だったら吉田鋼太郎を持ってきてほしかった。でもリリー・フランキーだからこそコワさが出るんでしょうね。

前田敦子はすごく可愛いなと思った時期もあったんだけどね。
今回はお得な役ではなかったね。

わたしはハルが誰だろうと思いながら見ていて、映画の残り4分の1くらいで
「はっ!もしかしてDAIGOか!?面白いキャスティングだなあ」と思ったら
(つまりDAIGOの顔もあんまりよくわかってない)、全然違う志尊淳でした。
そうね。DAIGOにしては身体のキレが若すぎですか。
志尊淳は「帝一の國」でわりと最近見てるのだが覚えていない。



シリーズ3作目にして、北海道キャンペーン映画という側面がますます強くなってきたわけですが。
何しろ栗山監督や札幌市長まで出てきちゃうもんね。
毛ガニも美味しそうだしね。うにイクラ丼も美味しそうだしね。←この絵出す必然性があるんかい。
NIKKAウイスキーは何度も映るしね。
北海道愛が詰まった映画。これは道民は嬉しかろう。

面白かったです。このくらいのバイオレンスのレベルではよ4も希望。













「……自分の子供ですらないのかよ!!」という台詞は長く残る。哀れさが溢れる。

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