ここ数年パロアルトを中心にシリコンバレーで静かなブームになっているのがガラスのパンプキン。
アーティストが、熱したガラスに息を吹き込んで膨らませながら、昔ながらの工芸手法でひとつひとつ手で形作る、大小さまざま、色とりどりのガラスのカボチャたちは、居間の飾り棚や食堂のテーブルを彩るオブジェとして人気があります。
言わずもがな、とりわけ脚光を浴びるのがハロウィーンの季節。毎年10月には街の美術館のロビーやシニアセンターなどでガラスのカボチャだけを集めたパンプキンパッチが開催されます。ブランドショップを集めているスタンフォード・ショッピングセンターでも、ここ数年、アーケイド内の広場に生のパンプキンにかわってガラスのパンプキンが飾られるようになりました。
今年のパンプキンパッチは10月最初の週末にパロアルトのアートセンターで開催され、人気作家マーク・ムライ(Mark Murai)が制作のデモンストレーションを行います。マークはIT関連企業のプロジェクト・マネージャーからガラス工芸作家に転じたアーティスト。ビジネスセンスあふれるシリコンバレー的作家です。
展示されるガラスのカボチャは文字通り手作りなので、生のカボチャ同様、ひとつひとつみな違う表情をしていてユニーク。ゆっくり歩きまわって、ためつすがめつ、気に入ったひとつを探す楽しみは生と同じ。生のカボチャと違ってカービングする楽しみはありませんが、毎年気に入った作品をひとつずつコレクションしていく楽しみは、腐らないガラスのパンプキンならでは。人気の秘密はそのあたりにもありそうです。
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