お母さんと読む英語の絵本

読み聞かせにぴったりな英語絵本から、米国の子どもたちの世界をご紹介
子どもをバイリンガルに…とお考えのお母さんに

「妊娠」のデータサイエンス:家族のエンジニアリング(002)

2013-09-12 | from Silicon Valley


 写真は Emily Oster 女史。この夏に出版されて各方面に話題を広げている本 "Expecting Better " の著者です。タイトルはどう訳すのがよいでしょうか?Expectはこの場合「子どもが生まれるのを待つこと=妊娠」です。Betterには「(妊婦の視点からみて)よりよく」(より快適に、より気楽に、より愉しく・・・など)の意味が込められています。「妊娠をもっと愉しく」でしょうか?

Expecting Better: Why the Conventional Pregnancy Wisdom Is Wrong? and What YouReally Need to Know
The Penguin Press


 妊娠に関する本の著者ですが、Emily は産婦人科医ではありません。医療経済学者で、データ・サイエンティストです。執筆の契機は自身の妊娠・出産体験。
  ●アルコールは摂取しないように
  ●コーヒーはじめカフェイン摂取はしないよう
  ●とにかく、太らないように
これらの注意事項はアメリカの妊婦なら誰でも言われること。でも「あれもダメ、これもダメって・・・妊婦って、まるで子どもみたい」とうんざりした Emily は、データ・サイエンティストの本領を発揮して、 "妊娠に関する一般的な注意事項" の根拠とされてきたオリジナル・データを徹底的に精査して,すべて読破。読みまくった膨大なデータを集大成してまとめたのが、この本です。

 8月19日に出版されるや、妊娠についての "Freakonomics(邦訳:ヤバい経済学)"登場!と大いに注目されています。となると、邦訳は「ヤバイ妊娠」かな?

 世論の注目が集まっているのは、Emily が「妊娠中でも、ワインも、コーヒーも、お寿司もOK」と書いていると報道されたから。これらは「一般に妊婦が摂取を『禁止』される代表的なもの」だからです。でも、実際にはEmilyは「データからみるかぎり適度な飲酒は問題ない」「寿司は食べるな(アメリカでは妊娠中は生魚は食べるなと言われています)という指示には特にアカデミックな根拠はない」「コーヒーは飲み過ぎなければ問題ない」と書かれているのですが。

 さらに「流産、早産を避けるための”絶対安静”(ベッドで寝ていること)には根拠がなく、むしろ筋力を落とすなどの問題がある」「太り過ぎよりも、むしろ体重が増えない妊婦が問題」も大きな話題になっており、データの専門家が書いた "統計的に正しい" 妊娠の本は、まだまだ波紋を広げそうです。

 さて、今日は「お寿司もOK」と明記してくれた本にちなんで、こんな絵本はどうでしょうか? "The First Book of Sushi" (はじめてのおすしの本)です。

First Book of Sushi (World Snacks)
Tricycle Press


 
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