お母さんと読む英語の絵本

読み聞かせにぴったりな英語絵本から、米国の子どもたちの世界をご紹介
子どもをバイリンガルに…とお考えのお母さんに

メタボ対策は子どもから

2011-01-26 | from Silicon Valley


日本で『肥満対策』といえば「中高年のメタボ対策」。本気で太り過ぎを気にするのは中年以降、という風潮があります。かたやアメリカでは、大人の肥満ももちろんですが、実は子どもの肥満が重大問題になっています。なんとアメリカでは児童生徒の3人に1人が肥満児なのです。(ブログ記事:『魔法の10ポンド』)

肥満児問題の深刻さ、これへの対策が急がれることを強く訴えているのは、ファーストレディのミシェルさん。「私たちの子どもたちは、アメリカ史上始めて、親よりも長生きできない世代になる。親よりも早死にする世代になる、と心配されています」との訴えには、親ならずとも、アメリカの将来が心配になります。

さてミシェルさんは、オバマ大統領の就任直後から「私は"Mother in Chief"」と自任し、常に「子ども」のために活動してきました。振り返ってみるとお見事! その活動は終始一貫、子どもの健康問題とくに肥満児対策に焦点が当てられて全然ぶれていません。

近隣の小学生と一緒にホワイトハウスの庭を耕して野菜を植え、子どもたちに食育の重要さを説きつつ、人気TV番組のアメリカ版「料理の鉄人(The Iron Chef)」に出演して活動をアピール。

しかし、ミシェルさんは本気。オバマ政権も真剣。静かな改革への努力は各方面に波及しており、すでに全国各地の学校では、これまで野放しだったスナック菓子や甘味料入りのドリンクの自動販売機が次々と撤去され始めています。また、かつて喫煙対策キャンペーンに伴ってタバコ税が引き上げられたのと同様に、甘味料入りのドリンクに課税して甘いものへのアクセスを制限しようとの動きが徐々に活発となっており(アメリカではこれまで食料品は非課税が原則)、すでにワシントン州、コロラド州で課税が始まっているほか、カリフォルニア州、ニューヨーク州なども真剣に導入を検討しています。

アメリカらしいのは、ボストン周辺の医療機関での取り組み。肥満児の指導や治療に当たっているドクターが、処方箋に「薬」ではなく「りんご」「ブロッコリ」などの果物や野菜の名前を書いて患者の子どもたちに処方し、子どもたちは地元産の野菜を売るファーマーズマーケットで、その処方箋(実は割引/無料クーポン券)で野菜や果物が買えるというもの。オバマ大統領の景気刺激・地方活性化予算を活用しての新規事業です。

さて、こうした全米でのさまざまな活動の火付け役となったミシェルさんですが、昨年3月にオバマ大統領の医療改革法が成立するや、速効で本格的な肥満児対策キャンペーン「"Let's Move" 身体を動かそう!」を立ち上げました。農水・厚労・文科さらに内務までの国務大臣はじめ国会議員、地方自治体の首長、医療の専門家はもとより、NBC等メディアのトップ、プロスポーツ業界やエンタテイメント業界の代表、さまざまなビジネス関係者まで、多種多様な業界の影響力ある参加者を巻き込んで大々的なキャンペーンを展開しています。

なんといってもITに強いオバマ政権のこと、さっそくキャンペーンに協力して活動する人のためのウェブサイトが公開され、各種情報はじめ、さまざまな活動支援ツールを提供しています。
 
共働き家庭の(忙しい)母親としての立場から、私も経験がありますが・・・と共感を持って語りかけつつ、それでも「明日を担う子どもの健康には私たち親が留意しなければ」と広く国民に語りかけるミシェルさんのビデオがYouTubeにもアップされています。

Mother in Chief の真骨頂は、何といっても子どもを楽しませるのがうまいこと!子どもに人気のプロスポーツ選手たちによる「毎日60分は運動しよう!キャンペーン」の企画はまさに最高!フットボール、野球、バスケットボールなどの人気プレーヤ―は、まさに子どものヒーロー、子どもの神様。人気プレーヤーたちが全国各地で展開sするキャンぺーンハ影響力絶大、教育効果満点!と期待されています。




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