お母さんと読む英語の絵本

読み聞かせにぴったりな英語絵本から、米国の子どもたちの世界をご紹介
子どもをバイリンガルに…とお考えのお母さんに

まっ暗闇の 疾走

2011-01-25 | about 英語の絵本

Subway

今日ご紹介する絵本は「Subway(地下鉄)」です。雑誌「ニューヨーカー」や「ニューヨークタイムズ・マガジン」などの表紙絵でもおなじみのアーティスト、クリストフ・二―マン(Christoph Niemann)作・画です。

「寒いし、びしょびしょ雨だし……。どこにも行けないねぇ……。何する?」
「地下鉄に乗って遊ぼうよ!」
雨降りのニューヨーク。お父さんと男の子たちの『地下鉄紀行』の、はじまり、はじまり。
…………………………
(ホームに立ってると)
はじめに風が吹いてくる。
それから地響きがしてきて……
ヤッホー
ぼくらの電車が来た!来た!

Aラインには駅が44か所もあるんだ。
ハーレムからブルックリン、ジャマイカベイそして海岸まで。
全部乗りつくすには、ちょっと忍耐がいる。

Fラインは僕らの大好きな路線。
いろんな人が乗ってるんだ。
観光客に、銀行家に、コックさん。
時々は魔女やカウボーイも乗ってる。
(‥‥って、ハロウィンの日にはね)。

1番はゆっくり走る(各駅停車)。
だから急いでるときは2番に乗った方がいいよ。
こっちは急行だから。
…………………………
Jラインにはネズミがいっぱい。
も昼も地下鉄ライフを楽しんでる。

Qラインはトンネルから外に出る。
窓からの眺めが素晴らしい。
とくにデカルブからカナルまでの景色は世界に自慢できる。
…………………………
終点から終点まで
ひとつのラインでまっすぐ行くこともできるけど、
いろんな路線をあちこち乗りついで行くこともできる。
たとえば、チェンバース通りから59丁目/コロンバスサークルまでは、
1番でまっすぐ行くこともできるけど、
3番⇒5番⇒N⇒B⇒C⇒7⇒6⇒E⇒Dって乗り継いでいくこともできる。
「もう遅いから帰らなくちゃ」
お父さんが言う。
「まだ乗ってる」
「まだ8時半だよぉ」
お父さんに引きずられて帰る間、
僕らはずうっと駄々をこねたり、懇願したり、文句を言ったり…。
…………………………

ぜひ手に取って眺めてください。イラストが素晴らしい!絵本です。短くて淡々としたテキストは、不思議なことに、読み進むうちにだんだん興奮してワクワクしてきます。"乗り物好き"のお子さんをお持ちの方には、断然一押し! 小さい子向きと書かれていますが、大きな子も大人も楽しめます。ニューヨーク旅行のお供にもお洒落!

この絵本、実は、作者のニーマンと彼の子どもたちの"体験実話"だそうです。絵本の着想の端緒は、ニーマンが彼のブログに書いた、「息子たちと何カ月も地下鉄に乗っている。通算すればもう数カ月……。『子どもたちをこんなに興奮させる"地下鉄の魅力"っていったい何だろう?』と本気で考える気になるには十分な時間だ。彼らが何時間も、暗いトンネルの中を走る列車に喜んで乗っているのは何故だろう?」と始まるエッセイ。ウィットとユーモアにあふれて楽しいニーマンのホームページも、ぜひ開いてみてください。






コメント
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