お母さんと読む英語の絵本

読み聞かせにぴったりな英語絵本から、米国の子どもたちの世界をご紹介
子どもをバイリンガルに…とお考えのお母さんに

シリコンバレーはベビーブーム

2009-05-04 | from Silicon Valley


最近のシリコンバレーは静かなベビーブーム。子どもを産む女性が増えただけでなく、一人の女性が産む子供の数が増えていると言われています。

新聞などでは「子ども2人よりも、3人(以上)が最近の若い家庭のトレンド」と、産婦人科医やベビーシッター紹介業者、プリスクールの経営者など、子どもにかかわっているプロフェッショナル達が揃って語っています。

街を歩いていても、子どもが増えているのじゃないかしらと感じさせられる場面が多々あり、その最たるものが「マタニティショップ」と「子ども用品専門店」の増加です。BABY GAPのような有名ブランドの子どもむけショップはもとより、”会員限定”と銘打った「コンシェルジェ付き総合子ども用品専門店」まであり、しかもこぞって高級志向。いずれも、ここ数年、急激に増えています。

通りで遊ぶ子どもの姿も以前より頻繁に見かけるようになりました。最近では「定評ある保育園や幼稚園は生まれた時に入学を予約しないと入れない」とまことしやかに噂されていますが、さもありなんという感じです。

子ども数の増加は行政統計にもあらわれていて、2000年から2007年の間に、いわゆるシリコンバレーを構成する各市のうちの半分の市で、10歳以下の子どもが市の人口全体に占める割合が10%以上増加しています。

興味深いのは、子ども数は平均所得の高い地域でより増加していること。この点を専門家は、以下のように分析しています。
● 子どものいる家庭や出産予定の家族が「よりよい学校区」に移り住んでくるので、その地区の子供人口が増加する。結果、もともと相対的に価格の高い優良学校区の不動産価格がさらに上昇することになり、その結果、その地域にはさらに高額所得者が集まる傾向になる。
● 母親が家庭に入って子育てに専念できる(共ばたらきをやめられる)ことも含め、子育てにかかる経費を気にせずに複数の子を持てるのは必然的に高額所得家庭ということになる。
● 高い経費のかかる不妊治療を出産に成功するまで継続できるのは高額所得家庭であり、しかも、このような治療によって双子以上の(複数の)子どもが生まれる可能性が高いので、高額所得者層の多い地域で子ども数が増加することになる。実際、シリコンバレーの学校では同一クラスに複数の双子が在籍しているケースが急激に増加していると報告されている。

つまり、最近のベビーブームのドライビング・ファクターは「豊かさ」と「余裕」であるというわけです。日本ではその昔「貧乏人の子沢山」と言われましたが、21世紀初頭のアメリカでは「功成り名遂げて子沢山」と言うべき様相。視点を変えれば、新たな格差問題かもしれません。


コメント (1)
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