『燕は戻ってこない』を読んだ。
面白くて引き込まれて一気に読んだ。
主人公は、北海道の片田舎での介護職を辞して上京したものの、非正規雇用ゆえに困窮を極める29歳女性。
貧困から逃れるために一千万円の報酬で代理母を引き受けるという話。
依頼人となった夫婦や代理母の心情の変化が面白かった。
うちの息子たちは二人とも体外受精で授かったので
不妊治療の大変さや子どもができない悩みは少しは分かる。
幸いうちの場合は2回の体外受精を行い、2回とも成功したが、これを何度も繰り返すのは心も身体も経済的にもボロボロになるだろう…
今は不妊治療に保険が通るようになったけれど、私たちの頃は全部自費だったので、いちいち凄い出費だった。
仕事しながら治療に通ったので、スケジュールを組むのにも苦労した。
体外受精で入院した時に同室になった方が、「うちは4回目だけど、一度も成功してないの」と暗い顔で言っていた。
1回50万円として、4回だと200万円💸
いつまでやればいいのか、どこで折り合いをつけるのか、辛いだろうなぁと思った。
さて、小説は波乱を呼びながらも最後はうまくおさまってハッピーエンド風。
ドラマ化されそうなお話。
しかし、大変なのはこれからだよね〜…
苦労して子ども作って、
さらに苦労は続くのよ
生まれてハッピーエンドではない。
そこからが苦悩の始まり。
自分の血が繋がった、自分で産んだ子でも大変なのに
小説では夫の精子と他人の卵子で他人のお腹を借りて産まれた子
出自の秘密をどうやって子どもに話すのか、思春期になった子どもがどう感じるのか
桐野夏生さんには是非この続編を書いて欲しい
(*´∀`*)