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宮地神仙道

「邪しき道に惑うなく わが墾道を直登双手
または 水位先生の御膝にかけて祈り奉れ。つとめよや。」(清水宗徳)

人魚の契約

2008年07月01日 | Weblog
(画像はクリックされましたら拡大します。)

ルネ・ヴァンダール氏の本からです。

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すなわち、白い呪術とは、白魔術師が使う力であり、「呪」という
文字がついていても決して人を呪って陥れようとするものでは
ありません。

白魔術師は、助けを求めてやってくる人達の悩みを聞き、
力になるために呪術を使います。
あらゆる種類のものがありますが、白魔術師は決して私利私欲の
ために使う事はありません。
また人を見る目もしっかりしていますから、これを悪用するような
人に渡す事もありません。
勿論助けた人に対して代償を求める事もしませんし、むやみに
自分の力を誇示する事もないのです。

それに引き換え黒い呪術は、同じように呪文や護符、道具を
使っても、今度は自分達だけの利益を願い、人を呪う立場に
打って変わります。

黒魔術師は人の願いを聞き届けてもくれますが、決してただ働きは
しません。
力を使えば、それだけ悪魔にも何がしかの代償を支払わなければ
なりませんし、黒魔術師自身も法外な代償を求めます。

それはお金ばかりでなく、生贄であったり、その人の魂であったり
します。

契約が成就した後、その代償の大きさに慌てても、それは後の祭り。
一旦黒い呪術に手を染めると、その陰から永遠に逃れられなく
なります。

黒魔術では、人を呪って陥れ、時には命を奪う事さえあります。
日本でも丑の刻参りだとか、人型に釘を打つなんて呪いの手段が
ありますね。
それも黒い呪術の一つと考えていいでしょう。

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有名な「人魚姫」の話しの中に、美声と引き換えに足を与えたり、
美髪と引き換えにナイフを渡したりする魔女が登場しますが、
これなどは最もわかり易い例ではないかと思います。

この本は小中学生を対象にしているものであったので、ルネ氏は
簡単な書かれ方をしており、わたくしも子供の頃はただ読み流して
いましたが、今改めて読み直してみて、なかなか深い事を語って
おられるように感じました。

また法外な代償を求めるという点で常に判別出来れば良いのですが、
現在は宣伝が巧妙であったり有形の代償を求めない形というものも
あり、判別が少々難しくなっています。

しかし同氏が言われるように、相手が自分の力や誇大妄想的な
霊的体験を誇示するとか、相手から自分の人格を認められずに
一方的に強制されたり隷従させられるとか、恩着せがましさを
感じさせられるとかといったような場合は、例え有形の代償を
求められなくても離れるべきであると思います。

また「人を見る目もしっかりしていますから、これを悪用する
ような人に渡す事もありません」という点も非常に注目すべき
点ではないかと感じます。

単に人寄せのために渡すとか、人を選ぶ目がなく相応しくない人を
選んで渡してしまうのでは、一流の魔術師とは呼べないのでは
ないかと思います。


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