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道教では、善徳を積む事が運を開き長生を得る事にもつながるとし、
日々悪事を避け善事を積むための「功過格」という独特の点数表が
あります。
点数表のリストには、それぞれの善事、悪事に関するプラスと
マイナスの点数がそれぞれ細かく記載されており、自分の該当する
善事(功格)と悪事(過律)を記入し、1ヶ月で小計を、1年で総計を
集計するようになっています。
簡易なものですが、こちらのページで自分に該当する項目の
「はい」「次へ」をクリックしていくと、最後に点数が算出される
ようになっています。
算出された点数がプラスであれば益々その善徳を延ばすように、
マイナスであれば反省して、それより悪事を止めて善事を
重ねるように決意して実行する事が勧められています。
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
「功過格:十一巻の興人格の一部」
(百功:+100)一部の人を救うべき経書を編著す。
(百功:+100)心を用いて一人を化して忠信仁慈ならしむ。
(五功:+5)人を化して一過を改めしむ。
(一言一功:+1)人の善を賛助す。
(一功:+1)誠心に人の善を勧めて人の悪を阻む。
(一言一功:+1)果報を説きて人を勧む。
(一次一功:+1)大有力の人を勧めて、一切布施の福を造さしむ。
(百過:-100)一の淫穢の詞説を編選す。
(十過:-10)善書を阻隔して流通せしめず。
(五過:-5)人の善を誹り笑う。
(五過:-5)私のために人の善を賛成せず。
(三過:-3)軽率に人の善を阻む。
(一過:-1)人の一切の悪を賛助す。
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
この「功過格」の詳しい伝えや因果の道理に関する話は
こちらのページに掲載されていますが、そちらのページの
中で個人的に特に印象に残った話があります。
……………………………
五十人ばかりの従業員を抱える、ある会社の社長さんがありました。
ところが信じていた友人の裏切りに会って、会社が倒産して
しまったのです。
そんな場合、普通の人だったらこの友達を恨んで恨んで、恨み抜く
でしょう。
そして次には、自分に降りかかってくる火の粉をどうしたら払い
除けられるか、逃げ道を必死になって探すに違いありません。
ところが、この社長さんは違っていました。
友人の裏切りについても、きっと裏切りたくて裏切ったのではない、
せっぱつまった、何かの事情があったに違いないと思いました。
そして、こんな事は厳しい業界の中では当然予想される事で、
それを見抜けず、適切に対処できなかった自分の経営手腕の
未熟さを反省すると共に、そのために五十人もの従業員の生活を
奪った事に心から胸を痛めました。
社長さんは家で、奥さんと娘さんを呼んで事情を詳しく説明し、
家族にまで迷惑をかける事になった事を詫びた後で、自分の考えを
打ち明けました。
まず、残った家屋敷などは全部売り払って、自分達は小さいアパートに
移る事にしました。
奥さんは、これからは泥まみれになって働くんだから宝石なんて
いらないとめぼしい装身具を全部売りました。
お嬢さんも、大切なピアノを売って欲しいと言いました。
社長さんは、こうしてできた血の出るような金を持って従業員を集めると、
手をついて、みんなの生活を奪った事を詫びました。
そして、その金を、僅かではあるが更生の資金にしてくれるようにと
差し出しました。
もうその頃になると、社長さんが身のまわりの物まで売り払っている
事など、噂がみんなの耳に伝わっていました。
改めて社長さんの心の中がわかると、従業員達はみんな心打たれました。
お金は勿論欲しいけれど、おいそれとそれを受け取ったら、もう人間
としての資格を失ってしまうような思いになっていました。
すると、幹部の一人が重々しい空気の中から、
「社長さん。そんなお金はとても受けとれませんよ。
それより社長さん。私達は社長さんの下で、もっと働きたいんですよ。
そのお金をもとにして、もう一度やり直そうじゃありませんか。」
そうだ、それがいい、とみんなが口々に叫ぴます。
「でも、それでは、君たちに給料が払えないよ。」と社長さんが言うと、
「私達はみんな、社長さんのおかげで、多少なりとも貯金がしてあります。
半年ぐらいは、みんなで助け合えば何とかしのげます。
とにかくやろうじゃありませんか。」
こうして数名の脱落者はあったものの、五十人の心が一つの火の玉に
なって燃えあがりました。
会社は再建され、以前にも増して隆盛の道をたどるまでに、大した月日を
必要としなかったのです。
………………………………
道教では、善徳を積む事が運を開き長生を得る事にもつながるとし、
日々悪事を避け善事を積むための「功過格」という独特の点数表が
あります。
点数表のリストには、それぞれの善事、悪事に関するプラスと
マイナスの点数がそれぞれ細かく記載されており、自分の該当する
善事(功格)と悪事(過律)を記入し、1ヶ月で小計を、1年で総計を
集計するようになっています。
簡易なものですが、こちらのページで自分に該当する項目の
「はい」「次へ」をクリックしていくと、最後に点数が算出される
ようになっています。
算出された点数がプラスであれば益々その善徳を延ばすように、
マイナスであれば反省して、それより悪事を止めて善事を
重ねるように決意して実行する事が勧められています。
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「功過格:十一巻の興人格の一部」
(百功:+100)一部の人を救うべき経書を編著す。
(百功:+100)心を用いて一人を化して忠信仁慈ならしむ。
(五功:+5)人を化して一過を改めしむ。
(一言一功:+1)人の善を賛助す。
(一功:+1)誠心に人の善を勧めて人の悪を阻む。
(一言一功:+1)果報を説きて人を勧む。
(一次一功:+1)大有力の人を勧めて、一切布施の福を造さしむ。
(百過:-100)一の淫穢の詞説を編選す。
(十過:-10)善書を阻隔して流通せしめず。
(五過:-5)人の善を誹り笑う。
(五過:-5)私のために人の善を賛成せず。
(三過:-3)軽率に人の善を阻む。
(一過:-1)人の一切の悪を賛助す。
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この「功過格」の詳しい伝えや因果の道理に関する話は
こちらのページに掲載されていますが、そちらのページの
中で個人的に特に印象に残った話があります。
……………………………
五十人ばかりの従業員を抱える、ある会社の社長さんがありました。
ところが信じていた友人の裏切りに会って、会社が倒産して
しまったのです。
そんな場合、普通の人だったらこの友達を恨んで恨んで、恨み抜く
でしょう。
そして次には、自分に降りかかってくる火の粉をどうしたら払い
除けられるか、逃げ道を必死になって探すに違いありません。
ところが、この社長さんは違っていました。
友人の裏切りについても、きっと裏切りたくて裏切ったのではない、
せっぱつまった、何かの事情があったに違いないと思いました。
そして、こんな事は厳しい業界の中では当然予想される事で、
それを見抜けず、適切に対処できなかった自分の経営手腕の
未熟さを反省すると共に、そのために五十人もの従業員の生活を
奪った事に心から胸を痛めました。
社長さんは家で、奥さんと娘さんを呼んで事情を詳しく説明し、
家族にまで迷惑をかける事になった事を詫びた後で、自分の考えを
打ち明けました。
まず、残った家屋敷などは全部売り払って、自分達は小さいアパートに
移る事にしました。
奥さんは、これからは泥まみれになって働くんだから宝石なんて
いらないとめぼしい装身具を全部売りました。
お嬢さんも、大切なピアノを売って欲しいと言いました。
社長さんは、こうしてできた血の出るような金を持って従業員を集めると、
手をついて、みんなの生活を奪った事を詫びました。
そして、その金を、僅かではあるが更生の資金にしてくれるようにと
差し出しました。
もうその頃になると、社長さんが身のまわりの物まで売り払っている
事など、噂がみんなの耳に伝わっていました。
改めて社長さんの心の中がわかると、従業員達はみんな心打たれました。
お金は勿論欲しいけれど、おいそれとそれを受け取ったら、もう人間
としての資格を失ってしまうような思いになっていました。
すると、幹部の一人が重々しい空気の中から、
「社長さん。そんなお金はとても受けとれませんよ。
それより社長さん。私達は社長さんの下で、もっと働きたいんですよ。
そのお金をもとにして、もう一度やり直そうじゃありませんか。」
そうだ、それがいい、とみんなが口々に叫ぴます。
「でも、それでは、君たちに給料が払えないよ。」と社長さんが言うと、
「私達はみんな、社長さんのおかげで、多少なりとも貯金がしてあります。
半年ぐらいは、みんなで助け合えば何とかしのげます。
とにかくやろうじゃありませんか。」
こうして数名の脱落者はあったものの、五十人の心が一つの火の玉に
なって燃えあがりました。
会社は再建され、以前にも増して隆盛の道をたどるまでに、大した月日を
必要としなかったのです。
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