選抜県予選 決勝戦
陵南 0
湘北 2
先制点は、桜木が仙道をダブルクラッチで交わし、決めた。
そのプレーに未だ会場の興奮は収まらない。
「桜木君が、仙道君を交わした!!」
「意表をつかれたプレーとはいえ、今のダブルクラッチは見事よ。」
「ついに桜木君が仙道君を超える日が来たということですね!!」
『バシ!』
「1度交わしたぐらいで、大げさなこと言わないの!!」
(でも、初めて、あの仙道君を交わした。桜木君は、もの凄い速さで成長しているわ・・・。)
陵南のオフェンス。
湘北は、ハーフマンツーで構える。
PG仙道には、流川が立ちふさがる。
「ナイスパスだったな。」
「うるせー。」
「1人じゃ勝てないからパスか。」にこ。
「だまれ。」
流川の眼は燃えている。
ゴール下の桜木と福田。
「桜木。お前にしてはいいプレーだ。」
「ふん。フク助にもこの天才のプレーが理解できるのか。どうやら成長したようだな。ハッハッハ!」
「だが、俺にもできる。」
「負け惜しみをいいおって!!」
「見せてやる。」
「上杉ちゃんに聞いているよ。君を自分より、小さい相手だと思うなって。」
「昔も今も、俺の相手はみんな俺よりデカかった。だから、あんたが俺よりデカくても関係ないっす。」
「真っ向勝負といこうか。」
「望むところっす!」
身長差14cmミスマッチの山岡と柳。
「黒川勝負だ!」
「俺の相手は、俺自身だ。お前は関係ない。」
「なにっ!!俺は、お前から20得点10リバウンドを奪ってみせる!!」
「俺のプレーは、記録には残らない。そして、お前にも記録は残させない。」
「へへっ。キャプテン対決だな。」
「俺の仕事は、お前に仕事をさせないこと。」
「俺は、お前にも勝って、No.1ガードとNo.1キャプテン、2つの称号をいただくぜ!!」
少し離れたところで聞いている柳が苦笑いをしている。
(宮城さんも桜木さんと同じで、称号が好きなんだな。)
トップで、ドリブルをしながら、隙をうかがう仙道。
『キュ!』
山岡がトップに上がった瞬間、仙道が動いた。
『ダム!』
先程の流川同様、小細工なしの真っ向勝負で湘北ゴールを襲う。
『ダム!』
高速レッグスルーで、方向転換。
流川を振り切ろうとするも、流川はしぶとく仙道の進行方向を塞ぐ。
(なるほど。ディフェンスも成長が伺えるな。)
仙道は、一瞬後方に意識を集中させた。
それは、実際に後方を見たわけではない。
だが、流川は感じた。
(くる!!)
『キュッキュ!』
山岡が仙道の後ろについた。
『バシ!』
仙道がボールを掴む。
(後ろだろ!)
仙道が振り返る。
「仙道さん!」
山岡が仙道を呼ぶ。
と同時に、仙道の動きを読んでいた流川がパスコースに手を伸ばした。
『シュ。』
「!!!」
「!!」
「ふっ。」にこ。
パスフェイクであった。
山岡をも欺く完璧なパスフェイクに、流川は見事にかかった。
仙道の2歩目。
『ダン!』
力強くコートを蹴った。
ボールを片手で掴む。
「流川を抜いたーーー!!」
「仙道のダーーーーンク!!」
だが、仙道の前に立ちはだかる大きな壁。
「!!」
「キツネが抜かれるのは、お見通しだーーーー!!!」
桜木は、四肢を大きく広げ、シュートコース、パスコースを塞いだ。
「高いーーー!!!」
「あれじゃ、シュートが打てない!!」
前には桜木、後ろには流川。
仙道は、シュート、パスコース、全てを塞がれていた。
「しんどいな。」ぼそ。
小声を発すると仙道はかすかに体をくねらせた。
『クルッ。』
わずかにゴールに背を抜ける仙道。
そして、アーチの高いバックシュートを放つ。
「なにーー!!!」
ボールは、桜木の手の上を超えていく。
そして。
『スト。』
リングに触れることなく、ボールはネットを通過した。
「仙道のビッグプレーだーーー!!!」
「流川と桜木を交わしたーーー!!」
「仙道がやり返したぞーーー!!」
「仙道さん!アンビリーバブルやーーー!!さすがや!さすがや!!」
「仙道は、あのくらいで止められるプレイヤーではない。」
と田岡。
「さっきは、2対1でやられたけど、今度は1対2でやり返したぜ。」にこ。
「!!」
「上等だ!センドー!!」
と桜木。
「ぶっ倒す!!」
と流川。
「桜木君が、仙道君を止めにいったとき、福田君がフリーになっていた気がしたんですが・・・。」
「えぇ。そうね。」
「仙道君なら、パスしそうですが、見えなかったんですかね?」
「たぶん。彼なりのプライドがあったのかな?
2対1とはいえ、流川君と桜木君に抜かれたのは、プライドに触れた・・・。
だから、2人を抜いて、点を決めた。」
「ふーん。仙道君なら、チームを優先しそうですが・・・。」
「彼らと戦うのは、これが最後。少しくらい、わがままになってもいいんじゃないかしら。」
(いや違うかな?単純に桜木君と勝負がしたかった・・・それだけかしら。)
そういうと弥生は、少し笑った。
「こらぁ!センドー!!次は、シュートすら打たせねぇ!!」
「今のお前のブロックは、正直驚いたぜ。一瞬、ひやっとした。」
「ぬっ。そうだろ!!なんてったって、天才だからな!ハッハッハ!!」
「だが、福田がガラ空きだったぜ。」
「なぬっ。」
「次はパスするぜ。」
自軍コートに戻る仙道の背中を見つめる桜木と流川。
(センドーめ。この天才を侮辱しおって!!)
(やられたら、やり返す。・・・・・・じゃなくて、とめる。)
仙道が、流川、桜木に対抗し、2人を抜いて、得点をあげた。
複雑な三角関係は、ますますヒートアップする。
陵南 2
湘北 2
続く。
陵南 0
湘北 2
先制点は、桜木が仙道をダブルクラッチで交わし、決めた。
そのプレーに未だ会場の興奮は収まらない。
「桜木君が、仙道君を交わした!!」
「意表をつかれたプレーとはいえ、今のダブルクラッチは見事よ。」
「ついに桜木君が仙道君を超える日が来たということですね!!」
『バシ!』
「1度交わしたぐらいで、大げさなこと言わないの!!」
(でも、初めて、あの仙道君を交わした。桜木君は、もの凄い速さで成長しているわ・・・。)
陵南のオフェンス。
湘北は、ハーフマンツーで構える。
PG仙道には、流川が立ちふさがる。
「ナイスパスだったな。」
「うるせー。」
「1人じゃ勝てないからパスか。」にこ。
「だまれ。」
流川の眼は燃えている。
ゴール下の桜木と福田。
「桜木。お前にしてはいいプレーだ。」
「ふん。フク助にもこの天才のプレーが理解できるのか。どうやら成長したようだな。ハッハッハ!」
「だが、俺にもできる。」
「負け惜しみをいいおって!!」
「見せてやる。」
「上杉ちゃんに聞いているよ。君を自分より、小さい相手だと思うなって。」
「昔も今も、俺の相手はみんな俺よりデカかった。だから、あんたが俺よりデカくても関係ないっす。」
「真っ向勝負といこうか。」
「望むところっす!」
身長差14cmミスマッチの山岡と柳。
「黒川勝負だ!」
「俺の相手は、俺自身だ。お前は関係ない。」
「なにっ!!俺は、お前から20得点10リバウンドを奪ってみせる!!」
「俺のプレーは、記録には残らない。そして、お前にも記録は残させない。」
「へへっ。キャプテン対決だな。」
「俺の仕事は、お前に仕事をさせないこと。」
「俺は、お前にも勝って、No.1ガードとNo.1キャプテン、2つの称号をいただくぜ!!」
少し離れたところで聞いている柳が苦笑いをしている。
(宮城さんも桜木さんと同じで、称号が好きなんだな。)
トップで、ドリブルをしながら、隙をうかがう仙道。
『キュ!』
山岡がトップに上がった瞬間、仙道が動いた。
『ダム!』
先程の流川同様、小細工なしの真っ向勝負で湘北ゴールを襲う。
『ダム!』
高速レッグスルーで、方向転換。
流川を振り切ろうとするも、流川はしぶとく仙道の進行方向を塞ぐ。
(なるほど。ディフェンスも成長が伺えるな。)
仙道は、一瞬後方に意識を集中させた。
それは、実際に後方を見たわけではない。
だが、流川は感じた。
(くる!!)
『キュッキュ!』
山岡が仙道の後ろについた。
『バシ!』
仙道がボールを掴む。
(後ろだろ!)
仙道が振り返る。
「仙道さん!」
山岡が仙道を呼ぶ。
と同時に、仙道の動きを読んでいた流川がパスコースに手を伸ばした。
『シュ。』
「!!!」
「!!」
「ふっ。」にこ。
パスフェイクであった。
山岡をも欺く完璧なパスフェイクに、流川は見事にかかった。
仙道の2歩目。
『ダン!』
力強くコートを蹴った。
ボールを片手で掴む。
「流川を抜いたーーー!!」
「仙道のダーーーーンク!!」
だが、仙道の前に立ちはだかる大きな壁。
「!!」
「キツネが抜かれるのは、お見通しだーーーー!!!」
桜木は、四肢を大きく広げ、シュートコース、パスコースを塞いだ。
「高いーーー!!!」
「あれじゃ、シュートが打てない!!」
前には桜木、後ろには流川。
仙道は、シュート、パスコース、全てを塞がれていた。
「しんどいな。」ぼそ。
小声を発すると仙道はかすかに体をくねらせた。
『クルッ。』
わずかにゴールに背を抜ける仙道。
そして、アーチの高いバックシュートを放つ。
「なにーー!!!」
ボールは、桜木の手の上を超えていく。
そして。
『スト。』
リングに触れることなく、ボールはネットを通過した。
「仙道のビッグプレーだーーー!!!」
「流川と桜木を交わしたーーー!!」
「仙道がやり返したぞーーー!!」
「仙道さん!アンビリーバブルやーーー!!さすがや!さすがや!!」
「仙道は、あのくらいで止められるプレイヤーではない。」
と田岡。
「さっきは、2対1でやられたけど、今度は1対2でやり返したぜ。」にこ。
「!!」
「上等だ!センドー!!」
と桜木。
「ぶっ倒す!!」
と流川。
「桜木君が、仙道君を止めにいったとき、福田君がフリーになっていた気がしたんですが・・・。」
「えぇ。そうね。」
「仙道君なら、パスしそうですが、見えなかったんですかね?」
「たぶん。彼なりのプライドがあったのかな?
2対1とはいえ、流川君と桜木君に抜かれたのは、プライドに触れた・・・。
だから、2人を抜いて、点を決めた。」
「ふーん。仙道君なら、チームを優先しそうですが・・・。」
「彼らと戦うのは、これが最後。少しくらい、わがままになってもいいんじゃないかしら。」
(いや違うかな?単純に桜木君と勝負がしたかった・・・それだけかしら。)
そういうと弥生は、少し笑った。
「こらぁ!センドー!!次は、シュートすら打たせねぇ!!」
「今のお前のブロックは、正直驚いたぜ。一瞬、ひやっとした。」
「ぬっ。そうだろ!!なんてったって、天才だからな!ハッハッハ!!」
「だが、福田がガラ空きだったぜ。」
「なぬっ。」
「次はパスするぜ。」
自軍コートに戻る仙道の背中を見つめる桜木と流川。
(センドーめ。この天才を侮辱しおって!!)
(やられたら、やり返す。・・・・・・じゃなくて、とめる。)
仙道が、流川、桜木に対抗し、2人を抜いて、得点をあげた。
複雑な三角関係は、ますますヒートアップする。
陵南 2
湘北 2
続く。
見ているだけで興奮します。
桜木の成長には驚きです。
また更新楽しみにしています。
桜木は、運動能力も高く、伸びしろもたくさんありましたからね。なによりも、吸収力もあり、ドンドン成長していきます。
ただ、精神的にはまだ幼いようです。
今度ともよろしくお願いいたします。