5人を迎える湘北ベンチ。
「うぅぅ。」
「ぐっひっ。」
涙を流し、言葉の出ない3年生安田と潮崎。
「ぐ・・・。」
角田も涙で答える。
「う・・・。」
「がんどうぅだぁ・・・。」
「ひっひっひ。」
涙を流す桑田、佐々岡らの2年生。
石井は鼻水も垂れ流している。
対する1年。
「お疲れ様です!!」
「凄いっす!!!!」
「勝ったぁ!!!」
「優勝だーーーー!!!」
観客席の1年生は、歓喜に溢れている。
「けっ。情けねぇぞ、お前ら!!先輩のくせにわんわん泣きやがって!!」
宮城が大きな声で怒鳴る。
「ったく。しょうがねーな。リョーちんは。」
と桜木。
「・・・。どあ・・・。」
流川は途中で止めた。
「よくいうよ。宮城さんは。」
笑う柳。
彩子が宮城にそっとタオルを差し出した。
「リョータ・・・。さぁ、涙を拭いて・・・。」
強がってはいたが、宮城の両眼からは、大きな涙がこぼれていた。
「アヤちゃん・・・。」
「なーに、泣いてるのよ!!キャプテンがだらしない!!ビシっとしなさい!!ビシっと!!」
「おっおう!!」
「なんだよ。キャプテンは。あははははっ!」
「泣いて、怒られて、小学生か!!」
「ホント、彩子さんには頭が上がらねぇな、リョーちん!!」
「うるせ!!」
「宮城君。ご苦労様でした。最後のプレーは、最高のプレーでしたよ。」
「先生・・・。なんとか、勝つことができました。
あと2ヶ月、また、お世話になりますので、宜しくお願いいたします!!」
「ほっほっほ。また、頑張りましょう。」
「けっ!また、俺のキャプテン就任が伸びちまったじゃねぇかよ!!」
「花道がキャプテンになると決まってるわけじゃねぇだろ!!」
「俺は、ゴリに勝った男だぜ!リョーちんが、キャプテンやってること自体がおかしいんだ!!」
「なにをー!」
『バシ!』
『バシ!!』
「アヤちゃん!」
「彩子さん!!」
「はいはい。戻るわよ!早く準備しなさい!!」
「はい・・・。」
頭を押さえながら、桜木と宮城は声を揃えた。
(みんな。よく諦めずに、頑張ってくれました。本当に素晴らしいこたちだ。
赤木君、三井君、小暮君、見てますか?これが、君たちの残した湘北魂ですよ。)
そういうと安西は、眼鏡を少しあげ、眼頭を押さえた。
「さぁ。これから、愛知に飛ぶわよ!」
「あっ愛知ですか!?」
「明日は、IH第3位の名朋とベスト8の愛和の試合よ。
神奈川と同じくらいヒートアップするに違いないわ!さぁ、行くわよ!」
「着替えも持ってきてないですよーー!!」
「私は持ってきたわよ!!」
「聞いてないよーー。」
(お兄ちゃん・・・。
お兄ちゃんたちが、築いてきた湘北バスケ部に、また一つ自慢するものが出来たよ。
宮城さんは、キャプテンとして、PGとして、チームをまとめ、優勝に導いてくれました。
ベンチのみんなもプレイヤーと一緒になって戦いました。
1年生の柳君も白田君も、お兄ちゃんたちの心を受け継いでいます。
流川君は、まだ仙道さんには勝てなかったけど、全国大会が終わる頃には、きっと追いついていると信じています。
そして・・・。
桜木君は・・・。
大きな挫折もして、大きな怪我もして、それでも自分を信じて、努力を積み重ねて・・・。
そして、今日・・・。
湘北バスケ部の救世主になりました。
桜木君のシュートで、逆転優勝したんだよ。
「ゴリラダーーンク!」って叫んで、スラムダンクを決めたんだ、笑っちゃうね。
きっと、1年間、ずっとずーーっと、桜木君の中には、お兄ちゃんたちがいて、一緒に戦ってきたんだと思う。
次は、全国制覇!
お兄ちゃんより先に湘北が全国制覇するからね!!)
ベンチを片付け、一番後ろを歩いていた晴子は、選手たちの背中を見つめながら、静かに思ったのであった。
祈願の初優勝を果たし、全国への切符を手にした湘北は、『全国制覇』の目標を成し遂げるため、
自称鬼キャプテン宮城の下、きつい練習の日々がまた始まる。
対する準優勝となった陵南高校は、年始に行われる天皇杯での『2勝』を目指し、
仙道・福田ら3年生が全員残り新しいスタートを切った。
赤木・魚住から始まった両校のライバル関係は、流川・桜木・仙道・福田と受け継がれ、
そして、上杉・黒川・柳・白田へと受け継がれていく。
余談であるが、MVPは異例中の異例ともいえる準優勝校からの受賞となった。
仙道 彰
全部門において、ベスト5以内という好成績を残したため、安西を含め、大会関係者からの反対の声はなかった。
一人を除いては・・・。
「おのれー!!センドーー!!負けたくせに、MVPとは!!!」
-----------------------------------------------
選抜優勝大会 県予選 決勝
陵南×湘北
陵南 98
湘北 99
【陵南】青 98
#4 越野 4P
#5 植草 2P
#6 福田 27P 11R
#7 仙道 25P 15A 7R
#9 山岡 19P
#11 上杉 9P
#12 黒川 12P 14R
【湘北】白 99
#4 宮城 10P 13A
#7 流川 24P 7R 7A
#8 角田 4P
#9 柳 21P 8A
#10 桜木 24P 16R 6A
#14 白田 16P 8R
-----------------------------------------------
優勝 湘北高校
準優勝 陵南高校
第3位 海南大附属高校
MVP 仙道 彰
得点王 神 宗一郎
得点ランキング
1 神宗一郎(海南) 29.0
2 福田吉兆(陵南) 26.7
3 流川 楓(湘北) 25.9
アシストランキング
1 仙道 彰(陵南) 14.3
2 宮城リョータ(湘北) 13.0
3 清田信長(海南) 12.7
リバウンドランキング
1 桜木花道(湘北) 15.3
2 福田吉兆(陵南) 10.8
3 黒川大蔵(陵南) 10.6
ベスト5
G 仙道 彰(陵南)
G 神宗一郎(海南)
F 流川 楓(湘北)
F 福田吉兆(陵南)
C 桜木花道(湘北)
#09 湘北 県予選編 終了
#10 湘北 番外編 に続く。
「うぅぅ。」
「ぐっひっ。」
涙を流し、言葉の出ない3年生安田と潮崎。
「ぐ・・・。」
角田も涙で答える。
「う・・・。」
「がんどうぅだぁ・・・。」
「ひっひっひ。」
涙を流す桑田、佐々岡らの2年生。
石井は鼻水も垂れ流している。
対する1年。
「お疲れ様です!!」
「凄いっす!!!!」
「勝ったぁ!!!」
「優勝だーーーー!!!」
観客席の1年生は、歓喜に溢れている。
「けっ。情けねぇぞ、お前ら!!先輩のくせにわんわん泣きやがって!!」
宮城が大きな声で怒鳴る。
「ったく。しょうがねーな。リョーちんは。」
と桜木。
「・・・。どあ・・・。」
流川は途中で止めた。
「よくいうよ。宮城さんは。」
笑う柳。
彩子が宮城にそっとタオルを差し出した。
「リョータ・・・。さぁ、涙を拭いて・・・。」
強がってはいたが、宮城の両眼からは、大きな涙がこぼれていた。
「アヤちゃん・・・。」
「なーに、泣いてるのよ!!キャプテンがだらしない!!ビシっとしなさい!!ビシっと!!」
「おっおう!!」
「なんだよ。キャプテンは。あははははっ!」
「泣いて、怒られて、小学生か!!」
「ホント、彩子さんには頭が上がらねぇな、リョーちん!!」
「うるせ!!」
「宮城君。ご苦労様でした。最後のプレーは、最高のプレーでしたよ。」
「先生・・・。なんとか、勝つことができました。
あと2ヶ月、また、お世話になりますので、宜しくお願いいたします!!」
「ほっほっほ。また、頑張りましょう。」
「けっ!また、俺のキャプテン就任が伸びちまったじゃねぇかよ!!」
「花道がキャプテンになると決まってるわけじゃねぇだろ!!」
「俺は、ゴリに勝った男だぜ!リョーちんが、キャプテンやってること自体がおかしいんだ!!」
「なにをー!」
『バシ!』
『バシ!!』
「アヤちゃん!」
「彩子さん!!」
「はいはい。戻るわよ!早く準備しなさい!!」
「はい・・・。」
頭を押さえながら、桜木と宮城は声を揃えた。
(みんな。よく諦めずに、頑張ってくれました。本当に素晴らしいこたちだ。
赤木君、三井君、小暮君、見てますか?これが、君たちの残した湘北魂ですよ。)
そういうと安西は、眼鏡を少しあげ、眼頭を押さえた。
「さぁ。これから、愛知に飛ぶわよ!」
「あっ愛知ですか!?」
「明日は、IH第3位の名朋とベスト8の愛和の試合よ。
神奈川と同じくらいヒートアップするに違いないわ!さぁ、行くわよ!」
「着替えも持ってきてないですよーー!!」
「私は持ってきたわよ!!」
「聞いてないよーー。」
(お兄ちゃん・・・。
お兄ちゃんたちが、築いてきた湘北バスケ部に、また一つ自慢するものが出来たよ。
宮城さんは、キャプテンとして、PGとして、チームをまとめ、優勝に導いてくれました。
ベンチのみんなもプレイヤーと一緒になって戦いました。
1年生の柳君も白田君も、お兄ちゃんたちの心を受け継いでいます。
流川君は、まだ仙道さんには勝てなかったけど、全国大会が終わる頃には、きっと追いついていると信じています。
そして・・・。
桜木君は・・・。
大きな挫折もして、大きな怪我もして、それでも自分を信じて、努力を積み重ねて・・・。
そして、今日・・・。
湘北バスケ部の救世主になりました。
桜木君のシュートで、逆転優勝したんだよ。
「ゴリラダーーンク!」って叫んで、スラムダンクを決めたんだ、笑っちゃうね。
きっと、1年間、ずっとずーーっと、桜木君の中には、お兄ちゃんたちがいて、一緒に戦ってきたんだと思う。
次は、全国制覇!
お兄ちゃんより先に湘北が全国制覇するからね!!)
ベンチを片付け、一番後ろを歩いていた晴子は、選手たちの背中を見つめながら、静かに思ったのであった。
祈願の初優勝を果たし、全国への切符を手にした湘北は、『全国制覇』の目標を成し遂げるため、
自称鬼キャプテン宮城の下、きつい練習の日々がまた始まる。
対する準優勝となった陵南高校は、年始に行われる天皇杯での『2勝』を目指し、
仙道・福田ら3年生が全員残り新しいスタートを切った。
赤木・魚住から始まった両校のライバル関係は、流川・桜木・仙道・福田と受け継がれ、
そして、上杉・黒川・柳・白田へと受け継がれていく。
余談であるが、MVPは異例中の異例ともいえる準優勝校からの受賞となった。
仙道 彰
全部門において、ベスト5以内という好成績を残したため、安西を含め、大会関係者からの反対の声はなかった。
一人を除いては・・・。
「おのれー!!センドーー!!負けたくせに、MVPとは!!!」
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選抜優勝大会 県予選 決勝
陵南×湘北
陵南 98
湘北 99
【陵南】青 98
#4 越野 4P
#5 植草 2P
#6 福田 27P 11R
#7 仙道 25P 15A 7R
#9 山岡 19P
#11 上杉 9P
#12 黒川 12P 14R
【湘北】白 99
#4 宮城 10P 13A
#7 流川 24P 7R 7A
#8 角田 4P
#9 柳 21P 8A
#10 桜木 24P 16R 6A
#14 白田 16P 8R
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優勝 湘北高校
準優勝 陵南高校
第3位 海南大附属高校
MVP 仙道 彰
得点王 神 宗一郎
得点ランキング
1 神宗一郎(海南) 29.0
2 福田吉兆(陵南) 26.7
3 流川 楓(湘北) 25.9
アシストランキング
1 仙道 彰(陵南) 14.3
2 宮城リョータ(湘北) 13.0
3 清田信長(海南) 12.7
リバウンドランキング
1 桜木花道(湘北) 15.3
2 福田吉兆(陵南) 10.8
3 黒川大蔵(陵南) 10.6
ベスト5
G 仙道 彰(陵南)
G 神宗一郎(海南)
F 流川 楓(湘北)
F 福田吉兆(陵南)
C 桜木花道(湘北)
#09 湘北 県予選編 終了
#10 湘北 番外編 に続く。
感動しました
それぞれの思い伝わってきました
このストーリーが漫画になってもっと多くの人の目にふれればと思います
日本全国感動の涙で…
応援してます
また素敵な展開期待してます
200話までは構想してると言っておきながら、すでに次で250話ですね。
湘北も優勝したし、福田のシュートも一瞬決まっちゃったと思ったけどリングは通過せずネットだけ触ったんですね…
次も期待してます!!
桜木の活躍がいいです!
全国でも期待してます
湘北バンザイ!スラムダンクバンザイ!うまさんさいこー
ベスト5に宮城が入らないのは予想外でした・・・
次期主将は誰なのか気になります。桜木か流川ですね
予想は桜木です
桜木を主将にすれことで責任感を持たせ精神的に大人になってもらう。いざとなったら晴子がコントロールする
流川は無口なので主将には向かないような気がします。エースとして背中でチームを引っぱってほしい。
お久しぶりです。
お褒めの言葉、ありがとうございます。湘北×陵南戦は、少し詰めすぎた感がありましたが、納得のいくものでした。
今後もよろしくお願いします。
ほささん
思ったより、更新できました。
これも、みなさんの応援のおかげです。
ありがとうございました。
DTさん
はじめまして。
全国編楽しみにしていてください。
その前に、ちょっと番外編をお届けします。
浜さん
コメントありがとうございます。
最高までいわれると照れますね。
これからも、仕事が詰まったときに見に来てください。
リョーさん
仙道をGで選出したので、宮城が残念ながら落選です。
次期湘北主将は、もう決まっていたりします。乞うご期待!
スラダンファンとしてこれからもスラダンの続き書き続けて欲しいです。早くウィンターカップ本選の話読みたいです
頑張って下さい