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うまがスラムダンクの続き

うまがスラムダンクを勝手にアレンジ。
スラムダンクの続きを書かせていただいています。

#152 【自信】

2009-07-11 | #06 愛和 選抜編
準決勝 第1試合

愛和学院 × 博多商大附属




愛和の徳光監督が、最後の作戦を伝える。

「今村!わかっているな?今日はお前の頑張りあってこそだ!」

「OKっす!牧瀬さんには、1本も打たせませんよ。」にこっ。

「どうも、その自信が反対に気になる・・・。」

「大丈夫ですって。監督!」

「・・・、不安だ。」

「織田!今村をカバーしながら、巧くゲームを組み立ててくれ。」

「はい。」

「諸星は、オフェンスに集中。荻野と杉本は、インサイド、特に新庄にはケア。必ず、スクリーンアウトだ。
徳永が突っ込んできたら、4人で囲め。いいな?」

「わかりました。」


「うむ。よし、いって来い!!」

「はい!」




博多ベンチ。

「注意すべきは、やはり諸星だ。あいつをのせたら、そう簡単には止められない。最初が肝心だ。」

とPF新庄。

「諸星は、俺が責任を持って止める!といいたいところだけど、んー、かなり難しいかな・・・。
ディフェンスは得意じゃないからな。」

と苦笑いのキャプテン徳永。

「僕がフォローにいくから安心して。」

SG牧瀬がいった。

「あぁ。任せたよ。」


「よし!いこうか!」

「おう!」



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【愛和学院】赤

PG…#9 織田 虎丸 177cm/2年
SG…#4 諸星 大 186cm/3年
SF…#7 今村 翼 184cm/2年
PF…#5 荻野 武士 193cm/3年
 C…#8 杉本 学 196cm/3年


【博多商大附属】白

PG…#8 森田 義和 173cm/3年
SG…#6 牧瀬 篤弘 182cm/3年
SF…#4 徳永 保 188cm/3年
PF…#5 新庄 雄銀 198cm/3年
 C…#7 大原 悟朗 190cm/3年

-----------------------------------------------



「愛知の星ーー!!頑張れーー!!」

「博多のビッグ3--!今日もかましたれーー!!」

「織田くーーん!」

「いけーー!!博多ーー!!」




「虎、お前、ファンが多くなったな。なんか、腹が立つ。」

「あんまり気にしてないけどね。」

「そのすかした態度が余計腹が立つ。」

愛知の虎こと織田虎丸は、茶髪のサラサラヘアーで、大きな目、丸い顔をしている。
同性異性ともに好感の持てる顔立ちであった。

愛知の翼こと今村翼もまた、茶髪の短髪を立ち上げてはいたが、細身で面長、手足の長い体格をしていた。
決して美男子ではないが、悪くもない顔立ちであった。




整列する10名。


諸星が新庄に話しかける。

「新庄!今日の俺はのってるぜ。」にかっ。

「ふっ、相変わらずバカ面だな。だが、俺たちものっている、今日お前らに勝って、明日山王を叩いて優勝する!!」

「けっ、吠え面かくなよ!」



センターサークル内には、愛和のC杉本と博多のPF新庄が入った。


『スッ!』


主審の手からボールが放たれる。


『パン!』


身長、跳躍力で勝る新庄が軽くボールを叩く。

ボールは、PG森田がキャッチした。

「よし!落ち着いて1本いこう!」


森田がドリブルを開始した瞬間、


『パシ!』


(なっ!)


織田が電光石火の速さで、ドリブルをスティール。

C大原を軽く抜き去ると、瞬く間にレイアップシュートを決めた。


『パサ。』




「速い!!」

「あのガード、凄いぞーー!!」




(森田さんや大原さんには悪いけど、徳永さんたちに比べれば、2人は明らかにレベルが落ちる。
俺や杉本さんで大量点を奪えれば、必ず勝てるはず!)


(あのPG、なかなかのスピードだ。ちーっと、森田には厳しいかな・・・。)

と徳永。


「いいぞ!虎ーー!!」

自軍コートから、今村が織田に声をかける。


「こらーー!今村ーー!!織田のフォローにちゃんと走らんかい!!」

と大きな声を出すのは、監督の徳光。

「虎は必ず決めますから。走るだけ、無駄っすよ。」

「なっなんだと!本当、あいつはすぐ手を抜くんだから。」



センターサークル近くにいる諸星が再び新庄に話しかけた。

「新庄!お前は2つ勘違いをしているぜ。」

「んっ!?」

「一つは、明日の決勝の相手は、海南だ。必ず、海南が勝ち上がってくる!」

「・・・。」

「もう一つは、今日勝つのは、俺たちさ。」にかっ。

「ふっ、えらい自信だな。」

「いったろ?今日の俺は、のってるって。」

「今日も楽しめそうだぜ!」



開始早々の織田のスティールから、愛和が先制点をあげ、準決勝 第1試合が開始された。



愛和 2
博多 0







続く。

#151 【単純王】

2009-07-10 | #06 愛和 選抜編
準決勝 第1試合

愛和学院 × 博多商大附属




「試合開始10分前!」



「なんすか!大さん!」

「ああ!?」

「なんか、凹んでいるような。」

「そんなことはない・・・。」

「そうならいいんすけど、今日は大事な準決勝ですから、
いつも以上に気合を入れてくださいよ。」

「大丈夫だ。」

(なんか、気分がのらねぇ・・・。やっぱ、昨夜のせいか・・・?)


そこへ、PF荻野がやってくる。

「牧は白金に決めたようだな。」

「知っている。って、なんで荻野が知っているんだ?」

「昨夜、散歩してたら、公園で会ったんだ。一緒に打倒深体大を目指して頑張ろうってな。」

「ふーん。」

「そこで聞いたんだが、翔陽の藤真って知ってるか?」

「翔陽の藤真??」

「あぁ。2年前、牧や深津、土屋なんかと一緒にNPGって呼ばれていたやつだよ。
去年のIHにも出場していたPGだ。」

「IH?PG?覚えてねーな。」

「んー。わからないか・・・。あっ、国体の神奈川代表の#5だ。あの左利きのPGだ。」

「ん!?え!?あっあぁ。あのイケメンか?確か、アシスト量産していたな。」

「あのとき、諸星もあんなやつと一緒に組んだら、さぞ楽しいんだろうって。」

「あぁ。覚えている。そのくらい、あいつのパスは衝撃的だった。
パスワークも、試合勘も、読みも深津並だったと思ったな。」


「その藤真が、慶徳義塾に進学らしい。」

「えっ!?なに!?俺と一緒じゃん。聞いてないぜ。そんなこと。」

「一般かららしいんだ。」

「まじで!?一般からでもバスケ部に入部できるのか?」

「牧の話だと、狭き門だが、入部試験があって、合格すれば可能らしい。」

「へー、あいつなら合格するんじゃねぇか?」

「チェックインのときに、牧が慶徳義塾に超一流が入るっていっていたよな。
あれは、翔陽の藤真のことだったようだな。」

「そうか。あのPGは慶徳なのか。」にかっ。

「少しは元気でたか?」

「なんか、のってきた・・・気もするぜ!」

「将来の不安よりも、まずは目の前の博多に集中しろよ!」

「けっ、誰にいってやがる!俺は愛知の星だぜ!」にかっ。

(ったく、諸星はなんでもすぐ顔に出すんだから。まぁ、わかりやすいといったら、わかりやすいんだがな。)



盛り上がっている諸星の少し離れたところで、織田が荻野に話しかけた。

「大さん、復活しましたね。さすが、荻野さん。」にこ。

「3年間、苦楽をともにした仲間だからな。
特に諸星は顔にも出やすいから、何を考えているのかだいたいわかる。
調子に乗りやすいが、落ち込むのも早い。」

「なんか、荻野さんは、大さんの母親みたいですね。」

「おいおい。やめてくれよ。・・・だが、それもあと少しで終わりさ。
この大会が終われば、敵同士だからな。少し寂しくなるな・・・。」

「・・・荻野さん。絶対勝ちましょう!明日も勝って、必ず優勝しましょう!」

「あぁ。」



その頃、諸星は・・・。

(牧には藤真、神には俺、荻野には野辺、土屋があくな。でも、うちに強力なセンターが入れば、ゴール下は勝てそうだ。
なんか、白金にも、深体大にも勝てる気がしてきたぜ!俄然、やる気がでてきやがった!!)

近い将来への不安が、払拭された諸星。

初めて、目の前の博多戦に集中する。


ベンチでは、

「杉本さん!大さん、なんかあったんすか?」

「さぁな。なんかいい話でも聞いたんだろう。あいつは単純だから。」

「そうっすね。単純王ですから。あっはっは。」

ジャージを脱ぎながら、C杉本と今村が話していた。




その頃、湘北体育館では・・・。


『ピクッ』


「今、誰かこの天才を呼んだやつがいたような・・・。さすが、天才桜木。噂が絶えないな。ハッハッハ!」

リハビリを終え、ゴール下のシュートを練習していた桜木。

遠く東京の単純王という言葉に、反応してしまったことなど、知る由もなかった。








続く。

#150 【未来】

2009-07-09 | #06 愛和 選抜編
準々決勝 第4試合までを観戦し、ホテルに戻った愛和学院。

翌日の作戦会議を終え、数名の選手が会議室で、話をしている。


「やはり、山王は強かった。沢北と河田を温存して、延北に20点差とは、正直恐れ入ったぜ。」

と椅子に立膝をついている今村。

「博多もかなり調子がいいようですね。あの洛安を手玉にとっていましたから。」

と真面目な織田。

「海南も山王、俺らも博多と、決勝への壁は大きいな。」

「荻野。ここまで来たら、小さい壁なんてねぇよ。全て乗り越える、ただそれだけさ。」


『ガタッ。』


「大さん、どこ行くんすか?」

「ちょっと、散歩だ。」

そういうと、諸星は一人、ホテルを後にした。


「やっぱり、大さんもプレッシャーを感じているのかね?」

と今村。

「あぁ。プレッシューを感じていないはずはない。」

と荻野。

「あの人は、本心をなかなかいわない人だから。」

冷静に織田。

「1年生から、全てのIH、選抜に全国出場し、ベスト4、4回。輝ける記録だが、未だ決勝の舞台にあがったことはない。」

「最後の大会、是が非でも決勝に進出したいってことっすね。」

「そういうことだ。そのためにも、お前たちの力が必要なんだ。」

「荻野さんの力もね。」

3人の気持ちは一つになっていた。




その頃・・・。

「明日は新庄をどう止めるかが試合のポイントになりそうだな・・・。」

諸星は、ホテル近くの公園を歩いていた。

そこに、聞き慣れた声が聞こえた。


「牧!んっ、土屋も一緒か!?」


「ん!?」

振り返る牧。


『ガサッ。』


「なんや?」

「いや、誰かいたような気がして。気のせいか。」


(なんで俺が、隠れなきゃいけねぇんだよ。)


牧と土屋が進路について、話をしている。

「今日の試合の前から、決めていた。俺は白金にいく。来年からよろしく頼む。」

「頼もしい限りやで。打倒、深体大、目指せ、全国制覇ってな!」


(なっ!!結局、牧は白金かよ・・・。って、なんで俺は残念がってんだ??)


「牧はなんで白金に決めたんや。深体大や名稜、神体大の話もあったんやろ?」

「まぁ少しはな。」

「ほな、なんでわざわざ一部でも下の大学にいくんや?」


(俺も気になる。)


「理由か・・・。結構あるな。」

「そうなんや。」

「1つは、土屋と一緒にバスケをしたいと思ったことだ。ジュニアで一緒にプレーし、お前の献身的なプレーに驚かされた。
その身長と視野の広さに、仲間になったら、どれだけ頼もしいかってな。」

「なんや、嬉しいやないか。」にこ。


(俺だって頼もしいスコアラーだぞ・・・。)


「2つめは、下から上を目指したいと思った。深体大に入って、いきなり学生チャンピオンというのは、俺には合わない。
王者である県予選よりも、挑戦者である全国大会の方が、数十倍も楽しかった。
それでも、海南に入ったのは、救われた。県にはいいライバルたちがたくさんいたからな。」

「そやな。守る目標よりも、超える目標のほうが、やりがいもあるからな。」


(俺は、チャンピオンのほうが気持ちがいい。)


「最後は、西野監督。あの人、海南出身だ。」

「そりゃ、初耳やで。」

「17年連続県優勝、常勝海南、その始まりが西野監督たちだ。当時、キャプテンでPGだった。
もちろん、あの人のプレーは知らないが、そんな人の下でバスケするのも悪くないと思った。」

「偉大な先輩の下で、全国制覇か?かっこええで、それ。」


(げっ!?俺は慶徳にいく理由がねぇ・・・。強いていえば、東京にあこがれただけ・・・。)


「土屋は?」

「わいは、牧は絶対うちにくるって西野監督がゆうてたから。No.1PGのお前と一緒にやりたかっただけや。」

「ふっ。ありがとうよ。」

「わいとお前と西野監督で、全国制覇したろうや!」

「あぁ。もちろん。だが、3人じゃ無理だ。」

と苦笑いの牧。

「まぁー、そやな。」

土屋も笑った。


「あとは、芯の通ったセンターさえいればいいんだが。」

「なんや、それ?PFは荻野がおるけど、SGはおるんか?」

「あぁ。来年、神を獲る。必ず。」


(なっ!もう来年の話してる!明日は準決勝だというのに!こいつら、えれー先を見据えていやがる!!)


「えらく信頼してるんやな。」

「あぁ。あいつがいたからこそ、海南もここまで強くなった。
なんとしても、神を獲得するよう、監督に直談判するつもりだ。」

「そうくると、やっぱセンターの補強は、ますます大事やな・・・。」

「あぁ。」


(牧、神、土屋、荻野・・・。ますます勝てねぇ・・・。なんか、準決勝前に凹んじまった。
もうホテルに帰ろ・・・。)

諸星は、更にテンションを下げて、ホテルに帰っていった。








続く。

#149 【将来の日本No.1SG】

2009-07-07 | #06 愛和 選抜編
準々決勝 第1試合

愛和学院 × 浦安工業




『ザシュ!』


浦安工業の#4、千葉の朝日こと市原朝日のミドルシュートが決まる。

まもなくして、試合終了のブザーがなった。


『ビィーー!!』


(負けちまった・・・。)

ブザーとともに、天井を仰ぐ市原。

浦安工業のベンチは、静まり返っていた。



対する愛和学院ベンチ。

「よし!!」

「今の俺たちに敵はなし!!」

選手たちが、歓喜の声をあげている。



「お疲れ様です。」

と織田。

「あぁ。みんなよくやった。」

「大さん、絶好調でしたね。」

「けっ、いつもどおりだってーの。」


そこに、市原が近寄ってきた。

「諸星・・・。」

「朝日・・・。」

「今日は完敗だった・・・。」

市原の目には涙がたまっていた。

「正直、後半も前半のように抑えられたら、勝てなかったかもしれない。
お前のディフェンスの成長ぶりには、驚いたぜ。」

「お前さえ抑えればと思っていたんだが、そう巧くはいかなかった。
そいつらは、頼もしい後輩たちだな。」

市原は、織田と今村に目をやった。


この試合、織田と今村が、市原から2つのオフェンスファウルを奪っていた。


「まだまだだ。口とプレーが伴ってねぇ。」

「だっ大さん!」

「翼はともかく、俺はちゃんとしてますよ。」

「なっなんだと?虎?」

「やめろ!ガキじゃねぇんだし。まぁ、こんな感じだからよ。頼りにもなんねぇんだよ。」にやっ。

「ホントにお前は、素直じゃねぇな。織田に、今村。
まぁ、こんな感じだけど、これからも諸星のことを慕ってやってくれな。」

「わかりました。」

「へへっ、しょうがないっすね。」

「なんで、朝日にそんなこといわれなくちゃならねぇんだよ。
っていうか、お前たちものるな!!」

「けっ、お前らと話していると試合に負けたことも忘れちまうぜ!」

4人には、笑顔が溢れていた。


「織田さん!」

「んっ?あぁ、朝日さんの弟の・・・夕君だね。」

「はい。今回は、出場機会がありませんでしたが、
来年は必ずレギュラーを勝ち取って、織田さんと勝負したいと思います。」

「うん。楽しみにしているよ。」



「諸星、ところでお前は、慶徳義塾なんだってな?」

「なんで知ってんだ?」

「そこの今村が教えてくれた。」

「また、翼か!!ホントにお前は、口が軽いんだからよ!!」

「いいじゃないっすか、減るもんじゃないし。」

「ったく。朝日は、進路、決まってるのか?」

「決まってるぜ!名稜だ。」

「名稜!!三傑に入る強豪大学じゃねぇかよ!!」

「ふっ、俺の勝ちだな。」

「大学名で、勝ち負けなんてねぇよ。いいのか、そんな強豪大学に進学して、スタメンとれるのか?」

「問答無用。諸星に勝つまでは、誰にも負けない。
それに、あそこのバスケスタイルは俺に合っている。」

「相変わらず、強気だな。名稜は、確かラン&ガンだったっけ。」

「俺の理想のバスケさ。それだけじゃない。来年の名稜の1年生は、粒ぞろいだぜ。
名朋の里中、洛安の小関と瀧川、あと大阪からも1人くる。」

「確かにいいメンバーだ。だが、俺の敵じゃない。」

「強がりを!それとも、他にいい選手が入学するのか?」

「確定しているのは、野辺だけだ。」

「山王の野辺だけ?そんなんで、名稜に勝てるのかよ!?」

「ふん、俺一人いれば、お前らなんか十分だ。」

「変な自信があるようだが、首を洗って待っとけよ。」

「ふっ、お前もな。」


(といったものの、名朋の里中と洛安コンビか・・・。はっきりいって、勝つ自信がねぇ。)


こうして、準々決勝 第1試合 弥生曰く『将来の日本No.1SG前哨戦』は、愛和学院 諸星大の圧勝で幕を降ろした。



準々決勝 第1試合

愛和学院 102
浦安工業 73







続く。