愛和学院 72
名朋工業 76
第4Qもまもなく3分を過ぎようとしている。
『シュパ!』
『シュパ!』
森重が、続けて2本のフリースローを沈めた。
「森重選手、第4Qだけで6本のフリースローを決めております。」
「ここにきての集中力が凄いですね。苦手なフリースローを克服しつつあるのでしょうか。
進化する愛知の大器です。」
「もはや、ファウルでは止められないか・・・。」
険しい表情の愛和監督の徳光。
「この試合だけで、パスワークに、スピンムーブに、フリースローか。愛和様様だな。」
笑う名朋監督の冨名腰。
「入れられたら、入れかえせばいい。それだけだ。」
諸星がチームメイトに声をかけた。
『ザシュ!』
強気な諸星が、ドライブからジャンプシュートを決める。
「諸星選手も森重選手に劣らない集中力です。今のでこの試合36点目となります。」
『ピィーー!』
『ドガァ!!』
「バスケットカウントです!森重選手、寺田選手のファウルをものともせず、リングに叩き込みました。
そして、ファウルアウトした杉本選手に代わり、途中出場していた寺田選手も、ここでファウルアウトとなります。
愛和学院は、2名のセンターを森重選手によって、失ったことになります。」
「杉本選手も寺田選手も全国ベスト4のチームのセンターです。決して格下の選手ではありませんよ。」
「それほど、森重選手の動きが素晴らしいということでしょうか。
恐ろしい1年生です。」
「諸星、2-3だ!森重を押さえろ!」
徳光から指示が飛ぶ。
その後、試合は一進一退の均衡を保つ。
愛和は、織田がバランスよく、パスを供給し、諸星が外から中からゴールを奪い、
今村はスティール、スクリーンと影でチームを支え、荻野は森重からリバウンドをむしり取った。
対する名朋は、愛和の2-3に森重が封じられ、攻め倦んだが、
進藤、大石が、高確率でミドルシュートを決め、リードを保っていた。
愛和学院 81
名朋工業 83
だが、試合時間残り2分。
この試合、最大の転機が訪れる。
『バシ!!』
「森重選手、本日10本目のシュートブロックです。今村選手、転がるボールを呆然と眺めております。ん!?んーー!!!
コート場では、森重選手が倒れております!荻野選手も右足の甲を押さえております!!」
「どうやら、森重選手がブロックの着地の際に、荻野選手の足の上に乗って、足首をひねってしまったようです。
ここで、負傷退場となると、愛和学院が俄然有利になってきますね。
乗られた荻野選手の足も気になります。」
「おっ、荻野選手は立ち上がりました!!
続いて、森重選手も立ち上がりましたが、どうやら、どうやら交代です!
森重選手、交代となります!!
名朋にとっては、予期せぬトラブル、愛和にとっては、願ってもない森重選手の退場となります!!」
「おっちゃん、俺はまだいけるぞ。」
「あぁ。だが、無理はしちゃいけね。お前にはまだまだこの先がある。
あとは、あいつらを信じろ。」
「んん。」
「荻野、大丈夫か!?やれるか?」
「しゃちほこを落とされたかと思ったよ。」
「無理するなよ。」
「あぁ。だが、チャンスだぜ。逆転するぞ。」
そして、
『ピィーーー!!』
試合終了を告げるブザーがなった。
「愛知の星か・・・、この愛知ではずば抜けたバスケセンスだが、王朝には勝てまい・・・。ヒロシ、いくぞ。」
「うっ、ん??」
若干、うとうとしていた森重。
(肝のデカさじゃ、こいつが一番だな。)
笑う冨名腰であった。
森重を見つめていた諸星が、声をかけた。
「森重!」
「ん?」
「しっかり、冷やしておけよ。」
「ううん・・・・・・・。」
「ん!?なんだ??」
「梅干??」
「諸星だ!!」
愛和学院 90
名朋工業 85
IHの覇者、名朋工業は、愛知県予選決勝で敗れた。
全国大会出場を果たしたのは、IHベスト4の愛知の星こと諸星大率いる愛和学院に決まった。
「よし!牧、待ってろよ。IHの借りは、選抜で返す!!」
【愛和学院】
諸星 大 45P(3P5本) 4A 5R
【名朋工業】
森重 寛 37P 7A 17R 10B
続く。
名朋工業 76
第4Qもまもなく3分を過ぎようとしている。
『シュパ!』
『シュパ!』
森重が、続けて2本のフリースローを沈めた。
「森重選手、第4Qだけで6本のフリースローを決めております。」
「ここにきての集中力が凄いですね。苦手なフリースローを克服しつつあるのでしょうか。
進化する愛知の大器です。」
「もはや、ファウルでは止められないか・・・。」
険しい表情の愛和監督の徳光。
「この試合だけで、パスワークに、スピンムーブに、フリースローか。愛和様様だな。」
笑う名朋監督の冨名腰。
「入れられたら、入れかえせばいい。それだけだ。」
諸星がチームメイトに声をかけた。
『ザシュ!』
強気な諸星が、ドライブからジャンプシュートを決める。
「諸星選手も森重選手に劣らない集中力です。今のでこの試合36点目となります。」
『ピィーー!』
『ドガァ!!』
「バスケットカウントです!森重選手、寺田選手のファウルをものともせず、リングに叩き込みました。
そして、ファウルアウトした杉本選手に代わり、途中出場していた寺田選手も、ここでファウルアウトとなります。
愛和学院は、2名のセンターを森重選手によって、失ったことになります。」
「杉本選手も寺田選手も全国ベスト4のチームのセンターです。決して格下の選手ではありませんよ。」
「それほど、森重選手の動きが素晴らしいということでしょうか。
恐ろしい1年生です。」
「諸星、2-3だ!森重を押さえろ!」
徳光から指示が飛ぶ。
その後、試合は一進一退の均衡を保つ。
愛和は、織田がバランスよく、パスを供給し、諸星が外から中からゴールを奪い、
今村はスティール、スクリーンと影でチームを支え、荻野は森重からリバウンドをむしり取った。
対する名朋は、愛和の2-3に森重が封じられ、攻め倦んだが、
進藤、大石が、高確率でミドルシュートを決め、リードを保っていた。
愛和学院 81
名朋工業 83
だが、試合時間残り2分。
この試合、最大の転機が訪れる。
『バシ!!』
「森重選手、本日10本目のシュートブロックです。今村選手、転がるボールを呆然と眺めております。ん!?んーー!!!
コート場では、森重選手が倒れております!荻野選手も右足の甲を押さえております!!」
「どうやら、森重選手がブロックの着地の際に、荻野選手の足の上に乗って、足首をひねってしまったようです。
ここで、負傷退場となると、愛和学院が俄然有利になってきますね。
乗られた荻野選手の足も気になります。」
「おっ、荻野選手は立ち上がりました!!
続いて、森重選手も立ち上がりましたが、どうやら、どうやら交代です!
森重選手、交代となります!!
名朋にとっては、予期せぬトラブル、愛和にとっては、願ってもない森重選手の退場となります!!」
「おっちゃん、俺はまだいけるぞ。」
「あぁ。だが、無理はしちゃいけね。お前にはまだまだこの先がある。
あとは、あいつらを信じろ。」
「んん。」
「荻野、大丈夫か!?やれるか?」
「しゃちほこを落とされたかと思ったよ。」
「無理するなよ。」
「あぁ。だが、チャンスだぜ。逆転するぞ。」
そして、
『ピィーーー!!』
試合終了を告げるブザーがなった。
「愛知の星か・・・、この愛知ではずば抜けたバスケセンスだが、王朝には勝てまい・・・。ヒロシ、いくぞ。」
「うっ、ん??」
若干、うとうとしていた森重。
(肝のデカさじゃ、こいつが一番だな。)
笑う冨名腰であった。
森重を見つめていた諸星が、声をかけた。
「森重!」
「ん?」
「しっかり、冷やしておけよ。」
「ううん・・・・・・・。」
「ん!?なんだ??」
「梅干??」
「諸星だ!!」
愛和学院 90
名朋工業 85
IHの覇者、名朋工業は、愛知県予選決勝で敗れた。
全国大会出場を果たしたのは、IHベスト4の愛知の星こと諸星大率いる愛和学院に決まった。
「よし!牧、待ってろよ。IHの借りは、選抜で返す!!」
【愛和学院】
諸星 大 45P(3P5本) 4A 5R
【名朋工業】
森重 寛 37P 7A 17R 10B
続く。