日々是好日

今日も晴天なり。
どんな日でも、毎日は新鮮で最高にいい日だと思うことにしてます。
ご一緒に如何ですか?

あんぱん

2020-05-18 12:23:52 | シニアライフ

パンに小豆餡を詰めた「あんぱん」です。

和洋折衷の技術から生まれた日本独特の菓子で、

歴史も古く製法も多様であるとか。

銀座の木村屋総本店の「酒種あんぱん」は有名です。

銀座界隈を散策の折、必ずと言って良いほど、

買い求める方が我が家におります。

お土産に持ち帰った「あんぱん」を食べながら、

母親との思い出話を聞かされます。

家内の母親が、このお店の「あんぱん」が大好物だったようです。

その話、何べん聞かされたことでしょう。

そのお陰で、このお店の「あんぱん」が格別美味しい事が分かりました。

最近では、「お土産に買って帰ろうよ!」と催促。

機嫌よく、在りし日の母親との思い出に浸っている姿が、そこにあります。

「あんぱん」にまつわるお話で、彼女に知らしめてない逸話があります。

このブログを読んで知る初めてのことに、どんな感想を寄せられることでしょ

う。内心楽しみです。

懐かしい100円札が出てきました。

その写真です。私にとっては思い出の100円札です。

表面に板垣退助、裏面に国会議事堂の100円紙幣

発行開始が1953年(昭和28年12月)です。

百円銀貨がされたのは、その4年後、1957年です。

まだ、百円銀貨が無い頃の話です。

戦後生まれの私が小学高学年で、ガキ大将していた頃。

山里深い集落にバス路線が開通しました。

自家用車を保有する者は殆どなく、バス路線の開通は

この集落に画期的な出来事でした。

学校は未だ独立してない分校場。

このバスに乗っての遠足。行き先は真人公園。桜の名所です。

クラス全員で14名。みんな弁当持参で桜の花見です。

祖母が大きなお握りを2個作ってくれました。

普通のお握りではありません。

お握りの表面に味噌を塗っての焼きおにぎりです。

囲炉裏の残り炭で焼いたお握りは、きつね色です。

そして、お握りの中には自家製の梅干しが、種を抜いて入ってます。

お握りの食べ方まで伝授してくれます。

お握りを半分に割って、中の梅干しと均等に食べると、

おかずなしで食べられると教えられた。

誰もがみんな貧乏だった頃の生活の知恵です。

何故か、その頃の情景がしっかりとした記憶の中に蘇ります。

おやつのお菓子など、何処にも買い備えてありません。

母親が、白い割烹着のポケットから、そっと100円札を握って

「これで、お菓子を買って食べなさい。」と渡されました。

未だかって使ったことのない100円札。嬉しさより、びっくり。

遠足に出かける前の朝の一コマです。

憧れのバスに乗って、桜の名所真人公園まで、小一時間。

桜の花見より、まず食べることが一番。みんなの弁当殆ど一緒。

自家製の梅干し入れ、焼きおにぎりです。

別に相談して、そうなったわけではないでしょうに。

今思うと、その集落の弁当と言ったら、焼きおにぎりが当たり前でした。

山の仕事、田圃の仕事、働き手の昼食には焼きおにぎりが付き物でした。

子供だからと言って、多くの家族の中で特別扱いはありません。

そんな折、母親から手渡された100円札のお小遣い。

古希半ばにして、想う母の優しい気持ち。親孝行したくても今はいない。

遠足の昼食後は自由行動。公園内の売店で買い物するのも学習のうち。

「とも!そんなに買ってどうするの?」

「ばっぱさ、お土産だ。」

引率の先生との会話です。

何をお土産に買ったと、思いますか?

「あんぱん」です。

あの100円札で10個の「あんぱん」を買いました。

お店のおばさんが、あんぱんを潰さないように一個づづ包み、

厚めの紙袋に入れて持たせてくれました。

先生との会話を聞いた店のおばさんも笑顔での対応です。

田舎のバス路線の本数も数少ないです。日に往復4本のバス時刻表です。

買い物を終えたら、直ぐ帰路のバス停留所に向かわなければなりません。

道路事情が決して良いとは言えません。でこぼこ道でバスの揺れも

尋常ではありません。頭がバスの天井にぶつかりかねない上下の振動も加わり

ます。クラス仲間はそのありさまに大騒ぎ。今思うと素敵な遠足だった。

郷里の写真です。写真の中央に川沿いの道路と橋で「L」字の麓が路線バスの

終着地点です。

遠足はこのバスの終着地点での解散。いたってのんびりとした感じです。

大きな紙袋をぶら下げて、一目散に我が家の方角に走り出します。

家の家族は総出で、畑仕事。

写真中央の白い部分が我が家の耕作地です。

「とも!それなんだ?」

「ばっぱさ、おみやげだ」

問う父親に、傍で微笑む母親。

「あんぱんだ!」

大喜びの祖母の声。

10個のアンパン、祖母、両親、そして大勢の兄弟にと配られた。

畑の真ん中で食べた、「あの「あんぱんの味」美味しかった。

家内が薦める「あんぱん」を食べる度に、思い出しては悦に浸ってた。

「この味と、あの味はちょこと違うよね?」

「あんぱん」の値段も随分変わりました。

あの100円札では1個の「あんぱん」、買えません。

10円硬貨を6個重ねなければなりません。

それだけではありません、それ以外に消費税が追加されます。

あの「あんぱん」は、10円のまま据え置かれて、

懐かしさを醸して続けております。

会話にならない、独り言です。