梅酒

高村光太郎詩集「智恵子抄」より

『梅酒』

死んだ智恵子が造っておいた瓶の梅酒は

十年の重みにどんよりと澱んで光をつつみ、

いま琥珀の杯に凝って玉のやうだ。

ひとりで早春の夜ふけの寒いとき、

これをあがってくださいと、

おのれの死後に遺していった人を思ふ。

おのれのあたまの壊れる不安に脅かされ、

もうぢき駄目になると思ふ悲に

智恵子は身のまはりの始末をした。

七年の狂気は死んで終わった。

厨に見つけたこの梅酒の芳りある甘さを

わたしはしづかにしづかに味はふ。

狂乱怒涛の世界の叫も

この一瞬を犯しがたい。

あはれな一個の生命を正視する時、

世界はただこれを遠巻にする。

夜風も絶えた。

高村光太郎の詩集「智恵子抄」を読んで、最も感情に浸った詩です。

詩に使われている言葉、難解なものは一つもありません。

高村光太郎の詩集を知ったのは、遥か昔、高校生の時代。

あれから、かれこれ60年。

シニア世代で、読む高村光太郎の詩「梅酒」は格別な味がする。　

10年ものの梅酒。

私にも深い関わりがあります。

「十年の重みにどんよりと澱んで光をつつみ、

　いま琥珀の杯に凝って玉のようだ。」

まさに、その通りです。

農ある暮らしを目指して、求めた遠隔地農場に最初に移植したのが

南高梅の苗木でした。

梅の実が収穫するようになって、毎年欠かさずに行ったことが、

自家製の梅干しづくりと梅酒造りです。

この梅酒には決め事があります。

10年間醸造後でないと飲料に供しない事になってます。

自他共に厳守事項です。

製造年月日のラベルが張られた梅酒の瓶が、あっちこっち置かれてます。

「たまには、梅酒で乾杯しようか？」

誘われて用意する梅酒、15年もの。

その味も格別です。

 

 

 

またまた、後手後手

「あいつ、俺に相談もなく勝手な事言って、やろうとしてる。

何か言ってやってよ。」

「緊急事態解除の基準について、専門家の意見を聞いたうえで、

14日までに提示します。」

その上司が、昨夜急遽インターネット番組に出演し、公表した。

政府の専門者会議は14日目途に、緊急事態解除の可否に向けた分析

を行うとのこと。

専門家の再評価をお願いしたとのこと。

なぜ？　

緊急事態宣言の延長を決めた折、解除のための基準を示さなかったのか？

自粛の要請に我慢を重ねている皆が、知りたかった事です。

こっちの東の知事さんは、要領よく立ち回ってますが、

自粛要請のお願いばかりで、何時まで我慢すれば良いのか、

さっぱりわからない。他人任せの感じ。

あっちの西の知事さん、よう頑張っていると思う。

皆が求めていることに、独自の判断基準を示した。

勝ってに聞けたこととはいえ、自己責任のもと実施するのです。

その勇気ある行動に、大阪人ではありませんが、賛同します。

それが気に入らないと、負け惜しみの批判会見をした、その上司の姿勢に

怒りを込めたブログになった。

いろいろ振り返って見ると、その対応みんな後手後手。

専門者の皆さん、先を見通す能力は備わってない人ばかりかしら？

話題の深読み。

「何か勘違いしてるのではないか？　強い違和感を感じてる」

え、何の事？

休業要請などの解除に向けた独自の基準モデルを公表し、

「本来な国が示してほしかった。」との批判に対しての指摘のようだ。

「都道府県が休業を養成しているので、知事が説明責任を果たすのが当然

　だ。知事の権限や裁量を増やしてほしいと主張しながら、

解除要件の基準を国が示してくれないから、というのは大きな矛盾だ。」

あれ？　何のやり取りかなぁ？

「仰るとおり、休業要請はの解除は知事の権限です。ただ緊急事態宣言が

全ての土台なので、延長するなら出口戦略を示して頂きたかった。」

と真意を説明。まったく同感。

これって、国と都道府県が表裏一体となってやってることではないの？

「今後は発信を気を付けます。ご迷惑をお掛けしました。」と謝罪。

別に謝罪することもないように思うのだが、

これからの事を考慮して、上司にお詫びすることが、

無難な事と考えての事でしょう。

それも致し方ない、慣習かも知れません。

それにしても、この上司、誰かにそそのかされての発言だったのだろうか？

よくよく、思考して発言を控えていたら、いろいろの対応策の

後手後手の批判を招くことも無かっただろうに。

そのまた上司の、インターネット番組での会見内容も、従来と変わらず

具体性に欠けることの繰り返しです。

14日に決めた事の発表だけで充分です。その予告は不要です。