古希を迎えた仲間達の交流会「シニアライフを生き生きと歩む会」
来月の9月1日に、10周年目を迎えます。
団塊世代が退職期を迎え、地域参加することに躊躇していた頃です。
地域で交流仲間づくりを目的に、市民講座受講生で結成しました。
講座年度ごとの仲間を会員に迎え、更に友人知人を誘って
現在50名ほどの会員がおります。
このグループ結成10周年記念イベントを企画しました。
今、世論を二分して議論されている「憲法改正」を話題に取り上げました。
来週、毎日新聞社の「なるはど先生」事務局に講師を派遣して頂き
「憲法❾条改正問題について」を演題に特別講演会を予定しております。
会員だけでなく、地域一般への聴講も働きかけております。
日本国憲法が施行されて70数年。物心ついた頃からこの憲法と
同じ年代を共に重ねております。
日々、平和な暮らしの中で、中学・高校で学んだ憲法。
純粋な気持ちで理解した憲法条文。
そのまんまの状態で古希を迎えております。
世の中が、この憲法改正、特に❾条改正で議論が二分して、
ますます激しくなる機運が盛り上がってます。
それらの議論に加わるにも、気後れしてしまう有様です。
無関心ではありませんが、議論の対象となる予備知識が
余りにも不足していることに、気が付いたからです。
古希を迎えるまで、日々の暮らしの中で、
その必要すら感じた事がありませんでした。
講師を派遣する事務局には、出来る限り分かり易い
解説をお願いしております。
でも、聴講する私たちがどの程度の予備知識があるのか
不確定で、些か不安が付きまといます。
そこで、講演会を前に憲法についての事前学習会を行って
仲間同士で憲法の予備知識を共有することにしました。
本来ですと、この学習会の内容にについて、
皆と協議して準備すべきところですが、いろいろな事情で
提案者の私が独断で、資料作りと説明役を担うことになりました。
私は、決して憲法に関する専門家ではありません。
インターネットで検索する過程で知り得たことを
パワーポイントに纏めただけです。
要領の得ない内容になっているかもしれません。
解説の捉えどころが間違っているかもしれません。
昨日の午前中、市民館の視聴覚室に仲間が参集しました。
仲間の女性が絵本の朗読クラブで活動しております。
この方に、日本国憲法前文を朗読して頂きました。
リズムカルな朗読に60年前の若き10代を蘇らせております。
中学・高校での憲法学習、懐かしく思い出されます。
いろいろ憲法について、検索すればするほど、
今まで知らないで済ませてきたことが、沢山あります。狩る
それらを漏らさずに、パワーポイントに纏め上げました。
時系列的に整理し、更に重要事項を探求し解説することにしました。
全て、自分自身が解る内容になっているかどうかを基準にした
資料作りとその解説に心掛けました。
「今更、何よ、そんな事、判りってんじゃない!」
憲法に詳しい方だったら、そんな事を言われかねません。
学習会の一端をお披露目します。
日本国憲法制定時、「非武装完全中立国」を目指すGHQ草案の第9条に
修正を加えた方がおります。
「芦田修正」と言われております。
この修正は後の憲法論議における重要な論点となっております。
現憲法第9条第2項の冒頭に「前項の目的を達するため、」の語句の挿入が
「芦田修正」です。
この語句を挿入したことにより、「自衛という目的のためなら戦力が保持することが
可能であるという解釈が導き出せる」とのことです。
まだ自衛隊が創設されてない時代の事です。
侵略戦争のための戦力の不保持と交戦権は否認するが、
芦田修正は「自衛のためならば、戦力の保持を可能にするため」に
成立したものと解する。
しかし、政府の見解はこの芦田修正の意図するところを継承しませんでした。
政府の正式見解は「全ての戦争を放棄し、全面的な戦力の不保持と交戦権の否認」
を掲げながら、「自衛権の行使としての必要最小限の自衛行動」は
憲法上容認されると解釈し、自衛隊を設置しております。
自衛隊は憲法上の「戦力」とは言わず、「自衛力」と説明しております。
それでは、憲法上の「戦力」とは?
「超自衛力説」:自衛のための必要最小限を超える実力を「戦力」という。
これが歴代の内閣が言い続けてきた政府見解(公定解釈)です。
そして、自衛行動の範囲については、集団的自衛権については、
国際法上容認されているものの、憲法上行使は許されないと解釈して来た。
しかし、ごく最近この集団的自衛権の行使を容認を政府臨時閣議で決定し
安全保障関連法案を国会で成立させております。
今まで出来ないと言ってきたことが、崩壊しこれから先、どうなるのか?
見通しが尽きません。
そんな最中、憲法改正問題が浮上してきました。
自由民主党の憲法第❾条の改正草案が提示されております。
憲法に自衛隊を明記追加の草案です。
首相のメッセージでは
「憲法改正は、自由民主党の結成以来からの自主憲法制定が党是だ」とした上で
「憲法改正するか否かは、最終的に国民投票だが、発議は国会にしかない。
国会議員は大きな責任をかみしめるべきだ。」と国会で大多数を占める議席数を
背景に強調しております。
そして憲法9条については、「多くの憲法学者や政党には自衛隊を違憲とする
議論が今なお存在する。あまりにも無責任だ」として、自衛隊の根拠規定を
憲法9条に追加すべきとの考えを強調しております。
いろいろ勉強を重ねるうちに、自由民主党の政策には「憲法改正をはじめ、
占領時代につくられた仕組みを変えていこう」とする機運が見え隠れしております。
「自衛隊明記」の「狙い」は何か?
講師の解説委ねることにします。
それから、平和的生存権について、その判例事例を取り上げました。
毎日が平和な日々で、「平和的生存権」があることすら気が付かないで
今日まで、生きてきました。
日本国憲法前文に、その権利が謳われております。
でも、この権利につての通説的見解は「裁判所で救済してもらえる
具体的権利ではない」と言うことでした。
残念ながら、平和的生存権はって、絵に描いた餅だったんですね。
ところが、10年前、「棚から美味しい牡丹餅が落ちてきました。
夢物語ではありません。
名古屋高等裁判所で、平和的生存権に具体的権利性を認める見解が示された。
画期的な事として注目を浴び、ごく最近これに関連した訴訟が提訴されました。
この憲法学習会の纏めに当たって
「民主主義による平和の実現とその弱点を補完するための人権による
平和の実現の両者が相まって初めて、憲法の平和主義が完結する」
と結びました。