尾崎 慎 の 彫刻ライフ

石彫刻家尾崎慎の作品の紹介や、展覧会情報、これまでに起こってきたエピソードや日記など様々な事を綴って行きます。

今日で50歳。

2011-04-28 22:25:03 | 日記
これまで50年生きて来たかと思うと、今日は記念すべき日なのかと思います。
これまで私が残してきた軌跡、そんな大それた事は無いのかもしれませんが、半世紀だと思いますと、とても重みを感じずにはいられません。

そしてこれからの生き方、何を刻んで行けるのかまだ分かりませんが、一歩一歩確実に足跡を残せたら良いと思います。

私は彫刻という形に残せる物が有ります。その作りだされた物はその時その時の私自身であり、甘い自分、厳しい自分がその時その時に顕著に現れて後から見直してぞっとする時さえ有ります。
甘い自分が作られ残った時はその時を消し去りたいとさえ思う事も有ります。
しかし、それさえも受け入れて行かなくてはならないのです。
だからこそ厳しい時の作品が余計に愛おしくなって、そんな自分で有りたいと何度も見返します。

私は、私の下で学んでいる生徒達に「最終的に残れるのは自分自身に厳しく出来る者しか残れないのだ。」と教えています。
これは自分自身に戒めているようでも有るのです。

以前、名古屋の丸栄で個展をしていた時、ある作家が「人生も終わりに近づいて来たので、最近は作品を整理しながら燃やしているんだ。」と聞かされた事がありました。
物を作り出して来た者が、自分の作りだした物を処分するというその考えに私はどうしても賛同出来なかったのです。
確かに作品という物は資産として残って、それを残された家族は大変な思いをするのかもしれません。
しかし最初から自分の描いた物を壊すくらいなら最初から作りださなければいいのです。
もしその作品が残って、後からどんな評価を得るのかは分かりません。

こうなってきますと、とても哲学的になって来てしまいますが、自分で作った物は自分で処分してからこの世を去る。のか、作った物は確実に残す。のかとても難しい課題です。

私は後者です。
ですからこれからどれだけの作品を作り残せるのか、自分自身で確りと踏み固めながら自分を残して行きたいと思います。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿