50のひとり言~「りぷる」から~

言葉の刺激が欲しい方へ。亡き父が書きためた「りぷる」(さざ波)を中心に公開します。きっと日常とは違った世界へ。

あの男を見てつくづく帰りたくなったと敏彦は言う。・・・

2015-11-05 20:40:40 | 小説

あの男を見てつくづく帰りたくなったと敏彦は言う。時どきすねて見せるその癖を、理恵は嫌っていない。コメディアンは普段、すねて見せて甘える。とかその他あの世界を鋭く観察してきた理恵だから、シャワーをつかった後のタバコを銜えて、
「独り旅の方が」
と言って火をつけた。

(つづく)


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