50のひとり言~「りぷる」から~

言葉の刺激が欲しい方へ。亡き父が書きためた「りぷる」(さざ波)を中心に公開します。きっと日常とは違った世界へ。

じろりと乗客をふり向きざまに・・・

2015-06-10 07:49:02 | 小説
じろりと乗客をふり向きざまに見上げる。その手初めにするようにしたコメディアンの演技の効用は、さすが敏彦の思惑通り、通路の乗客をすごすご立ち退かせていた。
「ぼくは、スキャンダルの噂にはなってほしくないからです」
「スキャンダルには気をつけましょう。そっくりそのまま敏彦にもあてはまるわ」

(つづく)