50のひとり言~「りぷる」から~

言葉の刺激が欲しい方へ。亡き父が書きためた「りぷる」(さざ波)を中心に公開します。きっと日常とは違った世界へ。

「どうも相すみません」

2015-06-29 21:06:13 | 小説
「どうも相すみません」
幸男が敏彦におどおど声で言っている。ふり向く人、遠巻きにながめる人がいて、理恵は口を開けたタクシーめがけて走りこむ外なかったものだった。
「見ものだった」
敏彦はぽつりとそう呟いた。

(つづく)