<前書き>
第六回恋戦記ワンドロ/ワンライ。
お題は【動物(虫/鳥類含む)】です。
恋戦記版深夜の真剣お絵描き60分一本勝負
ワンライ公花のお話です。
誤字脱字はご容赦くださいませ。
『扱い辛い男』(公花)
脇息に僅かにもたれかかれるようにして、ゆったり座して琵琶の調弦をする公瑾の様子はすっかり寛いでいるようにみえた。
呉軍を指揮する都督と言う地位にあり軍人のはずだが、彼の顔は白皙と呼ぶに相応しい白さだ。
それに人並み外れた美貌もあって、どこか作り物めいて見える。
長い指が音を確かめるように軽く絃に触れて行く。
長い睫毛が影を落とすように伏し目がちになっていて、僅かに口元がいつもより穏やかなその表情に、花は自分が心許されているのを感じる。
何しろ公瑾は優雅なことこの上ない人で、調練や執務に関わっていない場所では柔らかな微笑を湛えていることも多い。
ただそれが見事に鍛えられた外面であることを、ある程度公瑾に親しい者は知っている。
彼の素の部分を見ることは、親しくなれば実は比較的そう難しくもない。
不機嫌なところや怒ったところなどは、時にあからさまと言えるきつい言葉と共に見せてくれる。
ただこんな風な無防備な様子は、やはり滅多にないことだった。
花は窓辺から調度日が射し込む位置にいて、ただ穏やかにこの時間を楽しんでいた。
一応手慰みにと帯紐にする為の組紐を編んでいたけれど、それほど熱心というわけではなく手は止まりがちだ。
何だか本当に絵みたいな情景だ。
公瑾の姿にこっそり見惚れてばれないように花がため息を吐けば、その静かな空間に突然の闖入者があった。
微かに木の床を擦るような音がして、開け放していた窓から現れたのは一匹の猫だった。
光の加減で灰銀色に見える短い毛、細身の身体で頭も小さく、敏捷そうな身ごなしでほとんど音もさせずに歩く。
大人の猫だろう、そこそこに身体は大きく、長く細い尻尾が優美だった。
「うわっ、綺麗な猫」
思わず花は嬉しそうな声を上げた。
元々猫に限らず小動物は大好きで、家でも猫とか犬とか何かしら家族の一員のペットは飼っており動物には好かれる方だ。
「おいで」
花が呼べば、猫は花を熱のない視線で一瞥した。
いかにも興味ありませんと言うその様子に、花は余裕で笑みを零す。
人好きな猫もいるけれど、これぐらいの無関心は猫なら珍しいことでは無い。
「猫ちゃん、こっちおいで」
甘く高い声で呼んでも猫はしらんぷりだが、この室から出る気はないらしく部屋の隅にじっと立ち止まって花の方へ顔を向けている。
すると公瑾が爪弾く音を止めぬままに、端的に花に言葉を投げかけた。
「花、それは懐きませんよ」
「始めは警戒してるかもしれませんが、大丈夫です」
「無理です。それはこの城に住みついてはおりますが、人の手に触れられるのを見たことがありません」
断定的な物言いに、花は小さく首を傾げた。
「この猫、もしかして公瑾さんも触ってみようとしたんですか?」
花が悪戯っぽく笑みを含んだ声で問えば、公瑾は少しばかり不機嫌そうに絃を鳴らした。
かつてその猫に触れたみたいと思って、らしくもなく酒のつまみの魚の干物を手に餌付けしようと公瑾が視線さえ合わせて貰えず逃げられたのは苦い記憶だ。
「昔の話です」
「じゃあ、凄く懐きにくいんですね。でも私、これでもちょっと動物には好かれる方なんです」
そう言うと、花は帯の間から水晶の玉に付けた鈴の付いたストラップを取り出した。
携帯は嵩張るし使えないのだから抽斗の奥に大事にしまっているけれど、これだけはどうしても離せずにこうやって身に付けているのだ。
「猫ちゃん、こっち」
花がストラップを振れば、りんりんと可愛らしい音を立てて鈴が鳴る。
猫はその軽やかな鈴の音に興味を惹かれたようだった。
ぴくりと耳と尻尾が動く。
「ほら」
駄目押しと言うように花がストラップの紐を揺らせば、たったと軽い足音をさせて飛びついてきた。
明らかにじゃれてきた猫を花は上手に遊ばせている。
そのうちにこの人物は危険ではないと判断したのか、猫は撫ぜるために伸ばされた花の手を厭わなかった。
頭を撫ぜ、柔らかく身体に触れているうちに、甘えるように鳴きだし、最終的にはちゃっかり花の膝に乗って喉をゴロゴロいわせている。
「すっかり甘えていますね」
「そうでしょう。自信あったんです」
何でもそつなくこなす公瑾だが、たかが猫一匹でも花に懐いて自分が袖にされたことを思えば非常におもしろくない気分だ。
「意外な才能ですね」
「意外って随分ですね。私、昔っからちょっとクセのある動物とか人に好かれるんです」
珍しく公瑾より上手くできることがあったので、花はすっかりテンションが上がっていた。
いつもは何でもできるのは公瑾で、ため息を吐かれている花はこんなことでも公瑾の上手を行くと思えば嬉しい。
特別負けず嫌いじゃないけれど、やはり格別だった。
だからささやかなる特技とも呼べないことを自慢してしまったのだ。
「動物に限らず人もですか?」
「はい。幼稚園……ええっと四、五歳の頃なんて、お母さん以外は先生でも受け付けなかった人見知りの激しい拓君が、私にだけは凄く懐いてお友達になったりしたんです。他にもあるんですよ」
「ほう。で、あなたは彼らをどうしたのですか?」
「それはやっぱり私だけに懐いてくれるのが嬉しくて、凄く仲のいいお友達になりましたよ。席もお昼寝とかも必ず隣でしてたし、動物たちは我が家のペットで良く私と一緒に寝てました」
びよぉんと絃が変な音を立て、一瞬妙な空気が流れた。
「なるほど。そうなんですね」
口調は変わらないのに、花は公瑾の声がいつもより低くなった気がして、猫を撫ぜていた手を止める。
その手元に影ができたと思ったら、公瑾がいつの間にか花の前に片膝を着いていた。
「え?ええっ!」
花の叫びは不可抗力だろう。
公瑾は片手で悠々と猫を掴み上げると、窓の外にぽんと軽く放り投げてしまった。
「なんて乱暴なことするんですか」
「叩きつけたわけでなし、軽く放り投げたくらいで怪我などしませんよ」
花が慌てて窓辺によれば、猫は怪我一つ無いようで悠々と窓辺の木の枝に上ろうとしていた。
「だからって酷いです」
花が丁度出窓になった場所に手をついて振り返って文句を言えば、公瑾は口元に鮮やかな笑みを浮かべる。
「酷いのはあなたです」
「え?」
見惚れるような魅力的な微笑に相応しくないセリフに、花は意味が分からず小首を傾げた。
猫に酷いことをしたのは公瑾であり、花は猫を可愛がっていただけだ。
「ねえ、花。先程のあなたの理論から考えるに、あなたを好きになるのはクセのあるものばかり、つまり少々扱い辛いものばかりなのでしょう?」
「ええ………っと、そう言う風になりますか?」
公瑾の美貌と間近に見る迫力に押されながら、花は自信なげに答える。
「そうなるとあなたに愛を乞うた私もクセのある扱い辛い男と言うわけですか?」
花はハッとして息を呑んだ。
「いえいえ!公瑾さん、それ単にちょっとした例えで、全部が全部そうじゃないですから」
「でもそう言う性質のものに好かれやすいのでしょう。では私もそれに当てはまると思っているのではないですか?」
「違います。それ極論ですよね」
「まあ、どちらでも構いません」
てっきり自分を扱い辛いクセのある男と勝手に認識したことを怒っていると思っていた花は、拍子抜けしたのと安心したので息を吐いた。
「そうなんですね。でも本当に私は、別にそんなこと思ってみたこともなかったですよ」
「ただ聞き捨てならないことがありました」
「え?」
「幼少のみぎりとは言え、卓君と言う恐らく異性と共寝をしたのでしょう」
「だって四、五歳ですよ」
「こちらでは四、五歳と言えど兄弟でもない男女が共寝をするなど好ましくありません」
「向こうじゃ珍しくないんです」
そんな子供の頃のことを持ち出されても困ると花が眉を下げれば、公瑾はすっと身を寄せた。
出窓に後ろ手を付いたまま、花は間近に迫った秀麗な顔に目を伏せた。
「そうですか。では私も同じように扱ってください」
「あの……同じように扱うって?」
「凄く仲良くなったのでしょう?是非私とも同じように仲良くしてほしいですね」
恐る恐る顔を上げると、花は睫毛を震わせて公瑾に尋ねた。
「今だって仲良くしてます」
相変わらず男女のことに疎く大真面目に言う花に、公瑾は蠱惑的な微笑を浮かべると意地悪く告げる。
「察しの悪い方ですね。共寝をしましょうとお誘いしているのです」
そうして唇に唇が触れたと思えば、反射的に逃げる花を追いかけるように首の後ろに大きな公瑾の手が回った。
熱く重なり合う唇に甘い吐息が容赦なく奪われる。
「花……」
幼い程の過去でもあなたの記憶を分け合う男の存在など許したくもない。
公瑾の心情を映した口付けを健気に受けとめる少女を猫だけが木の上から眺めていた。
<後書き>
今回の出てくる動物は猫です。
私の中では猫が出てくるのは、恋戦記の中では何となく孟徳さんぽいです。
公式さんでちょこちょこ使われてるせいですかね。
けれど今回は公瑾さん。
タイトルまんま本当に扱いの難しい美周郎さんでした。
第六回恋戦記ワンドロ/ワンライ。
お題は【動物(虫/鳥類含む)】です。
恋戦記版深夜の真剣お絵描き60分一本勝負
ワンライ公花のお話です。
誤字脱字はご容赦くださいませ。
『扱い辛い男』(公花)
脇息に僅かにもたれかかれるようにして、ゆったり座して琵琶の調弦をする公瑾の様子はすっかり寛いでいるようにみえた。
呉軍を指揮する都督と言う地位にあり軍人のはずだが、彼の顔は白皙と呼ぶに相応しい白さだ。
それに人並み外れた美貌もあって、どこか作り物めいて見える。
長い指が音を確かめるように軽く絃に触れて行く。
長い睫毛が影を落とすように伏し目がちになっていて、僅かに口元がいつもより穏やかなその表情に、花は自分が心許されているのを感じる。
何しろ公瑾は優雅なことこの上ない人で、調練や執務に関わっていない場所では柔らかな微笑を湛えていることも多い。
ただそれが見事に鍛えられた外面であることを、ある程度公瑾に親しい者は知っている。
彼の素の部分を見ることは、親しくなれば実は比較的そう難しくもない。
不機嫌なところや怒ったところなどは、時にあからさまと言えるきつい言葉と共に見せてくれる。
ただこんな風な無防備な様子は、やはり滅多にないことだった。
花は窓辺から調度日が射し込む位置にいて、ただ穏やかにこの時間を楽しんでいた。
一応手慰みにと帯紐にする為の組紐を編んでいたけれど、それほど熱心というわけではなく手は止まりがちだ。
何だか本当に絵みたいな情景だ。
公瑾の姿にこっそり見惚れてばれないように花がため息を吐けば、その静かな空間に突然の闖入者があった。
微かに木の床を擦るような音がして、開け放していた窓から現れたのは一匹の猫だった。
光の加減で灰銀色に見える短い毛、細身の身体で頭も小さく、敏捷そうな身ごなしでほとんど音もさせずに歩く。
大人の猫だろう、そこそこに身体は大きく、長く細い尻尾が優美だった。
「うわっ、綺麗な猫」
思わず花は嬉しそうな声を上げた。
元々猫に限らず小動物は大好きで、家でも猫とか犬とか何かしら家族の一員のペットは飼っており動物には好かれる方だ。
「おいで」
花が呼べば、猫は花を熱のない視線で一瞥した。
いかにも興味ありませんと言うその様子に、花は余裕で笑みを零す。
人好きな猫もいるけれど、これぐらいの無関心は猫なら珍しいことでは無い。
「猫ちゃん、こっちおいで」
甘く高い声で呼んでも猫はしらんぷりだが、この室から出る気はないらしく部屋の隅にじっと立ち止まって花の方へ顔を向けている。
すると公瑾が爪弾く音を止めぬままに、端的に花に言葉を投げかけた。
「花、それは懐きませんよ」
「始めは警戒してるかもしれませんが、大丈夫です」
「無理です。それはこの城に住みついてはおりますが、人の手に触れられるのを見たことがありません」
断定的な物言いに、花は小さく首を傾げた。
「この猫、もしかして公瑾さんも触ってみようとしたんですか?」
花が悪戯っぽく笑みを含んだ声で問えば、公瑾は少しばかり不機嫌そうに絃を鳴らした。
かつてその猫に触れたみたいと思って、らしくもなく酒のつまみの魚の干物を手に餌付けしようと公瑾が視線さえ合わせて貰えず逃げられたのは苦い記憶だ。
「昔の話です」
「じゃあ、凄く懐きにくいんですね。でも私、これでもちょっと動物には好かれる方なんです」
そう言うと、花は帯の間から水晶の玉に付けた鈴の付いたストラップを取り出した。
携帯は嵩張るし使えないのだから抽斗の奥に大事にしまっているけれど、これだけはどうしても離せずにこうやって身に付けているのだ。
「猫ちゃん、こっち」
花がストラップを振れば、りんりんと可愛らしい音を立てて鈴が鳴る。
猫はその軽やかな鈴の音に興味を惹かれたようだった。
ぴくりと耳と尻尾が動く。
「ほら」
駄目押しと言うように花がストラップの紐を揺らせば、たったと軽い足音をさせて飛びついてきた。
明らかにじゃれてきた猫を花は上手に遊ばせている。
そのうちにこの人物は危険ではないと判断したのか、猫は撫ぜるために伸ばされた花の手を厭わなかった。
頭を撫ぜ、柔らかく身体に触れているうちに、甘えるように鳴きだし、最終的にはちゃっかり花の膝に乗って喉をゴロゴロいわせている。
「すっかり甘えていますね」
「そうでしょう。自信あったんです」
何でもそつなくこなす公瑾だが、たかが猫一匹でも花に懐いて自分が袖にされたことを思えば非常におもしろくない気分だ。
「意外な才能ですね」
「意外って随分ですね。私、昔っからちょっとクセのある動物とか人に好かれるんです」
珍しく公瑾より上手くできることがあったので、花はすっかりテンションが上がっていた。
いつもは何でもできるのは公瑾で、ため息を吐かれている花はこんなことでも公瑾の上手を行くと思えば嬉しい。
特別負けず嫌いじゃないけれど、やはり格別だった。
だからささやかなる特技とも呼べないことを自慢してしまったのだ。
「動物に限らず人もですか?」
「はい。幼稚園……ええっと四、五歳の頃なんて、お母さん以外は先生でも受け付けなかった人見知りの激しい拓君が、私にだけは凄く懐いてお友達になったりしたんです。他にもあるんですよ」
「ほう。で、あなたは彼らをどうしたのですか?」
「それはやっぱり私だけに懐いてくれるのが嬉しくて、凄く仲のいいお友達になりましたよ。席もお昼寝とかも必ず隣でしてたし、動物たちは我が家のペットで良く私と一緒に寝てました」
びよぉんと絃が変な音を立て、一瞬妙な空気が流れた。
「なるほど。そうなんですね」
口調は変わらないのに、花は公瑾の声がいつもより低くなった気がして、猫を撫ぜていた手を止める。
その手元に影ができたと思ったら、公瑾がいつの間にか花の前に片膝を着いていた。
「え?ええっ!」
花の叫びは不可抗力だろう。
公瑾は片手で悠々と猫を掴み上げると、窓の外にぽんと軽く放り投げてしまった。
「なんて乱暴なことするんですか」
「叩きつけたわけでなし、軽く放り投げたくらいで怪我などしませんよ」
花が慌てて窓辺によれば、猫は怪我一つ無いようで悠々と窓辺の木の枝に上ろうとしていた。
「だからって酷いです」
花が丁度出窓になった場所に手をついて振り返って文句を言えば、公瑾は口元に鮮やかな笑みを浮かべる。
「酷いのはあなたです」
「え?」
見惚れるような魅力的な微笑に相応しくないセリフに、花は意味が分からず小首を傾げた。
猫に酷いことをしたのは公瑾であり、花は猫を可愛がっていただけだ。
「ねえ、花。先程のあなたの理論から考えるに、あなたを好きになるのはクセのあるものばかり、つまり少々扱い辛いものばかりなのでしょう?」
「ええ………っと、そう言う風になりますか?」
公瑾の美貌と間近に見る迫力に押されながら、花は自信なげに答える。
「そうなるとあなたに愛を乞うた私もクセのある扱い辛い男と言うわけですか?」
花はハッとして息を呑んだ。
「いえいえ!公瑾さん、それ単にちょっとした例えで、全部が全部そうじゃないですから」
「でもそう言う性質のものに好かれやすいのでしょう。では私もそれに当てはまると思っているのではないですか?」
「違います。それ極論ですよね」
「まあ、どちらでも構いません」
てっきり自分を扱い辛いクセのある男と勝手に認識したことを怒っていると思っていた花は、拍子抜けしたのと安心したので息を吐いた。
「そうなんですね。でも本当に私は、別にそんなこと思ってみたこともなかったですよ」
「ただ聞き捨てならないことがありました」
「え?」
「幼少のみぎりとは言え、卓君と言う恐らく異性と共寝をしたのでしょう」
「だって四、五歳ですよ」
「こちらでは四、五歳と言えど兄弟でもない男女が共寝をするなど好ましくありません」
「向こうじゃ珍しくないんです」
そんな子供の頃のことを持ち出されても困ると花が眉を下げれば、公瑾はすっと身を寄せた。
出窓に後ろ手を付いたまま、花は間近に迫った秀麗な顔に目を伏せた。
「そうですか。では私も同じように扱ってください」
「あの……同じように扱うって?」
「凄く仲良くなったのでしょう?是非私とも同じように仲良くしてほしいですね」
恐る恐る顔を上げると、花は睫毛を震わせて公瑾に尋ねた。
「今だって仲良くしてます」
相変わらず男女のことに疎く大真面目に言う花に、公瑾は蠱惑的な微笑を浮かべると意地悪く告げる。
「察しの悪い方ですね。共寝をしましょうとお誘いしているのです」
そうして唇に唇が触れたと思えば、反射的に逃げる花を追いかけるように首の後ろに大きな公瑾の手が回った。
熱く重なり合う唇に甘い吐息が容赦なく奪われる。
「花……」
幼い程の過去でもあなたの記憶を分け合う男の存在など許したくもない。
公瑾の心情を映した口付けを健気に受けとめる少女を猫だけが木の上から眺めていた。
<後書き>
今回の出てくる動物は猫です。
私の中では猫が出てくるのは、恋戦記の中では何となく孟徳さんぽいです。
公式さんでちょこちょこ使われてるせいですかね。
けれど今回は公瑾さん。
タイトルまんま本当に扱いの難しい美周郎さんでした。
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