<イベントに参加します>
イベント終了まで、この記事が上にでてきます。
*参加します。
2013年10月27日COMIC CITY SPARK8にサークル参加します。
サークル名は『赤いうさぎと青がえる』 に69a 東5ホール 恋戦記です。
いつもお世話になってます『a priori』のけろりさんとの合同スペースです。
*プチオンリーに参加してます。
三国恋戦記~オトメの兵法!~孟徳×山田花プチオンリー
「MDS2ndSEASON」にも参加してます。
ですが……すいません、みさき本人はいません。
さすがにひと月に二度も、九州から東京には行けませんでした(><)
ですが新刊は出ますので、よろしくお願い申し上げます。
持ち込みます本は
*既刊
『花影を慕いて 赤に溺れる』
孟徳×花/小説/A5/108P/
R18/900円
ラヴコレで発行したものを持ち込んでます。
*新刊
『月下氷人』
孟徳×花/小説/A5/52P/
R18/500円
孟徳さんと花ちゃんの少し軽めの感じのお話です。
注意点
・孟徳√グッドエンド後のお話です。
・主要オリキャラは一人出てきます。
・しっかり大人表現あります。
申し訳ありませんがR18本ですので18歳以下、高校生の方のご購入もお断りさせていただきます。
年齢確認もあると思いますので、ご協力ください。
上記のような内容ですので、苦手な方はご留意のうえお求めください。
*本の表紙です。

『眠れる森』の瑞月律さんに少しお手伝いいただきました。
いつもありがとうございます。
*『月下氷人』サンプルです。
体裁はWEB用に変更してます。
サイトは一応健全仕様なので、R18部分はのせていません。
たたんでおりますので、続きからどうぞ。
『月下氷人』(孟徳×花)孟徳ED後
***
今、献帝が頂点に座する漢帝国で、時の丞相曹孟徳に溺愛される存在がある。
それが山田花だ。
経歴はいささか特殊である。
かつて敵軍の軍師であり、孟徳軍に敗戦をもたらした策を献じた少女。
ついでに言えば劉玄徳の妾。もっとも玄徳の妾と言うのは事実無根で、二人の間にそんな事実は一切ない。
周囲が勝手に誤解した結果だ。
それが紆余曲折あって、花は現在、孟徳軍に降った軍師にして、今は丞相曹孟徳の寵愛の妾と言われている。
別の呼ばれ方は、丞相最愛の寵姫。
この漢帝国で、皇帝の次に権力を持つのが丞相である曹孟徳だ。
実質的には最大の権力者と言ってよい。
その孟徳に愛されるならば、女性としては最高の栄耀栄華を極められる存在のはずなのだが、東屋で庭を見る花の口から出たのはいささか重いため息だった。
「はぁ」
「随分なため息だな」
不意の声に振り返れば、元譲が訓練の帰りなのか簡易の具足を付けた姿で立っていた。
「元譲さん」
久しぶりに会う元譲に、思わず花の声が弾む。
元譲は花とも普通に接してくれる貴重な人間だ。
孟徳との仲が知れ渡り、その溺愛ぶりから花の周りに人はそれなりに増えた。
だから周囲に人がいないというわけではない。
ただその人物たちは、誰しも気軽に付き合える人と言う状況でもない。
少し高位の官吏や武官はいまだに花を胡散臭く見るか、それとも愛想良い顔をしながら、取りあえず機嫌を取ってくるかだ。
それ以外は無礼にならず、積極的には関わりにならない姿勢が多い。
女性では花の近くいるのは侍女たちだが、彼女らはまた多少なりと気軽に応じてくれるようになったけれど、友人だったかなや彩のようにはいかない。
孟徳自らによって厳選された花の侍女は、年が近くとも決して公私混同はしなかった。
だから当初からの知り合いでもある元譲と文若は、厳しい物言いもあるけれど、軽々しく嘘やお世辞、心にもないことは言わない本当に数少ない存在だ。
「お前、侍女はどうした?一人でいていいのか?」
近付きながら状況を見ていた元譲は、東屋に一人きりの花の姿に不審な表情をみせた。
過保護の孟徳は、常に花に一人っきりでは行動するなと、少女本人にも厳命していたはずだ。
「ホントはいけないんでしょうけど、少しの間だけです。それに衛兵さんの見える範囲にはいますよ」
今、花は孟徳を庇った怪我も癒え、無事に職場復帰を果たした。
孟徳は相当に渋ったし、文若自身もあまりいい顔をしなかったのだが押し切ったのだ。
けれど孟徳が花をすんなり奥から出すわけはない。
条件として出されたのが、どこにでも最低一人は侍女を同行させること。
室から出る時は侍女と共に、兵士を一人は護衛として連れ歩くと言うものだ。
「孟徳にばれれば、また他の男と二人っきりだったと煩いぞ」
「それはそれ、これはこれですよ。別に何かあるわけじゃないんですから」
「だがな」
「もう、そうやって元譲さんたちが孟徳さんの言い分を認めてるから、孟徳さんの過保護は直らないんです」
「お前に関しては直ることはないだろう」
「えっ、ずっとこのままですか?」
花は驚いた顔をするけれど、元譲はこっそり心の中でため息を吐く。
今言ったのはあくまでも楽観的な見方だ。
今以上に過保護が酷くなることはあっても、緩くなることなどあり得ない。
それほどに孟徳はこの一見何の変哲もない、その実風変わりな少女に心底溺れきっている。
はっきりそれを花に言ってやらないのは、元譲なりの優しさだ。これ以上締め付けが厳しくなると知れば、花のことだからまた孟徳に直談判しに行きかねない。
とばっちりは正直遠慮したいのが、偽らざる本音だ。
「不満か?」
世の女で、丞相曹孟徳に想いを寄せられて、それを嫌がる女など皆無だ。
女癖の悪さはともかくも、権力も財力もあるし、女には基本的に優しく扱いを心得ており、華のある見栄えで悪くない男ぶりだ。
けれど花と言う少女は、そう言うところに孟徳の好きな点を見出している普通の女たちとは違う。
「不満……じゃないです。孟徳さんが、心配してるのは当然だと思います。私にはなんの力もありませんから。ただやっぱり少し窮屈です」
怪我を負った花のように、ここではなんの力もない者は、強者に良いように利用され貪られるだけだ。
いや、弱者だけではない。孟徳のような絶対的強者であっても、油断をすれば噛みつかれる世界がここだった。
「まあ分からんでもない」
「贅沢ですよね。ただちょっとの自由が欲しいんです。失くさなければ分からないものって、実はたくさんあるんですね」
花は以前の生活と今を比べて、複雑な気分になる。
昔はお姫さまのように暮らしてみたいと思ったこともあったけれど、それはあくまでも叶うことのない夢と言う程度の願いだった。
でも実際叶ってしまえば、勝手気ままに放課後遊んだり、出かけたり、そんな時間の方が今は大事だったと気付く。
それでも花にとって、何より大切なのは孟徳だ。自由よりも、孟徳と共にある方が大事で、何と引き換えようとも思わない。
「嫌になったのか?」
「いいえ。少し愚痴を言ってみたくなっただけです」
本当にそうだったのだろう、花はからりと笑顔をみせた。
「そうか、だがその割に深いため息だったが」
そこでさっさと切り上げればいいものを、つい気になって聞いてしまうのは気のいい元譲だからだ。
「えっ、そんなに深かったですか?」
「ああ、ついでに重かった」
律儀に元譲が付け足せば、花はむうっと困った顔になった。
「実はですね。孟徳さんの元にお見合いが持ち込まれてました」
「見合いだと?」
「たぶんそうです。ちらっと見ただけでしたけど、十巻ほどはありましたね。ついでに言えば大層な美女が描かれた姿絵がついてるのもありました」
これは雲行きが怪しいと、元譲は背中に冷たい汗が流れたような気がした。
***
その夜遅く、孟徳は花の寝所へうきうきと向かった。
何しろ夕刻前に、花から今宵是非会いたいのでお越しくださいと、侍女を通して使いを貰ったからだ。
初めての花からの夜の誘い。
これが嬉しくないはずはない。
今までこのような誘いは幾度も受けてきた。
もちろんうれしい気持ちもないではないが、最近は正直そんな新鮮な気持ちも薄れてきていた。
妻たちには失礼だけれど、一連の手続きのように感じていたのは少なからず事実だ。
けれど花からの誘いは、執務に疲弊した孟徳の心を簡単に浮き立たせた。
愛して止まぬ少女からの誘いだと、こんなに違うものかと改めて思う。
孟徳は私室のある棟に向かわず、小さいながらも少し離れた真新しい棟に向かった。
そこは花が療養していた間に、急遽孟徳が造らせた花の為の丞相府内の私邸だ。
人に多く傅かれること、人目があることに慣れない花の為に、回廊は一本だけしか繋げず、程よい木々と美しい花々を配置した庭。
小さな東屋まで設けている。全て、花のことを念頭に孟徳が指示したもので、急いだものながらなかなか瀟洒にできたと満足していた。
お蔭で職人たちは大わらわだったのだが、知らぬは花ばかりだ。
「花ちゃん、起きてる?」
案内に立とうとする侍女を押しのけて、孟徳はそのまま花の室に入った。
孟徳はいまだ赤い衣のままで、その身体にどこか冷えたような夜の空気を纏っている。
執務に少しばかり疲れた様子でいくらか覇気がなかったけれど、それはそれで年上の大人の男が持つ気怠い色香を感じさせた。
「孟徳さん」
方卓に着いていた花は一瞬孟徳の姿に胸を高鳴らせ、にこりと笑って竹簡を巻き戻しながら笑いかける。
「うん。会いたかった」
抱き締めれば花の淡い優しい香りがして、思わず幸せな気持ちになれる。
すんすんと孟徳が花の首元に顔を埋め、動物のように鼻をうごめかす仕草に、花は焦ったように孟徳を押しのけようと躍起になった。
「ちょっと、孟徳さん、何ですか?」
贅沢にも花はほぼ毎日、孟徳の為の湯殿を使わせてもらっているので臭くはないと思うけれど、この世界に向こうで使う石鹸はない。
香油を擦り込まれるのは苦手なので、何だか自分の体臭が気になる。
「いい匂いがする。花ちゃんの香りだ」
「ああ、もしかして匂い袋かもしれません」
「匂い袋?身に付けてるの?」
「私、お香とかはよく分からないので、衣装箱の中に匂い袋を入れてるんです」
孟徳もそうだが、こちらの身分高い人は男女を問わず香や香油を愛用している人が多い。
自分好みのものを職人に作らせて、専用の香としているようだ。
けれど貴人の嗜みの一つのその行為は、花には敷居が高い。
何しろ過去で出会った孟徳の恋人だった歌妓と呼ばれていたひとも、花など似合わないような婀娜めいて艶やかな香りをさせていたし、宴で孟徳の傍に侍る女官たちもそうだ。
花はするりと孟徳の腕から逃れると、衣装箱とは違う抽斗から小さな布製の袋と手巾を取り出した。
以上、適度な場所を抜粋しております。