《はじめに》
今年は桜を始め境内の花が例年になく早く綺麗に咲いていく今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。
扨、此の度、3月7日に壺井八幡宮において、婚礼の儀を無事に執り行うことが出来ました。ホームページではご報告しておりましたが、改めてこの紙面でご報告させていただきます。
当日は、新郎は束帯に、新婦は十二単に身を包み、平安時代さながらの雰囲気の中、氏子崇敬者の方々に見守られながら無事に斎行することが出来ました。
これからは、新たに増えた家族と共にお宮を守っていきたいと思います。まだまだ未熟な二人でございますので、今までと同じくご指導ご鞭撻の程よろしくお願い致します。
壺井八幡宮 宮司 木 大明
《節分祭並びに鳴弦の儀》
2月3日の節分の日に節分祭並びに鳴弦の儀を執り行いました。
皆様の無病息災、厄難・諸災消除とを義家公の故事にちなみ弓を用いてご祈念申し上げました。
《神道のあれこれ》
【拝礼について】
神様を拝むとき、両方の手のひらを打ち合わせて鳴らすことを「柏手(かしわで)」と言います。
拍手については、中国の史書「魏志倭人伝」に倭人の風習として、貴人に対して手を打ってひざまずいて拝礼をしていたことが記されていることから、当時は人に対しても拍手をしていたことがわかります。神道における拍手も、敬う気持ちの表れと言ってよいでしょう。
拍手と拝(神前での敬礼作法のひとつ。最も敬意を表す作法で、腰を九十度に折った姿勢のこと)の形式は神社や祭典によって異なります。
手の打ち方には、神社にお参りする際の二拝二拍手一拝の時に打つ「短拍手」、伊勢の神宮において神職さんが行っている八つ打ってさらに終わりに短拍手を一つ打つ「八開手」、直会等で盃を受ける時に一つ打つ「礼手」、お葬式の時に音を立てずに打つ「忍手」等があります。
拝には座って行う「坐拝」、立ったまま行う「立拝」、そして立った位置から座りながら拝を行う「起拝」等があります。
伊勢の神宮では「八度拝・八開手」という拝礼作法を行っていますし、出雲大社では「四拍手」という拝礼作法を行っています。大神神社でも特殊な拝礼作法を行っています。他にも古くからの神社では昔からの拝礼作法を伝えているところも多くあります。
ただし、そういった神社にお参りする際でも一般の方々は「二拝二拍手一拝」でお参りいただいて問題は有りません。
【手の打ち方】
まず胸の高さで両の掌を合わせます。次に右手を少し下に引きます。そして手を打ちます。この時に大きな音を鳴らそうとはせずに、自然な力の入れ具合で打ちます。最後に下に引いた右手を元に戻します。
尚、手を打つ時にわずかにふくらませると良い音がなります。
【拝の仕方】
立ったままでの場合ですが、まずは姿勢を正します。両手は横につけるというよりは自然におろしたところで構いません。そのまま腰を九十度まで曲げます。両手はおなかの前ではなく、自然に足を伝って膝まで下げて下さい。
尚、お腹の前で手を組む所作は朝鮮で伝統的なチマチョゴリを着た場合のお辞儀の仕方ですので、この場合は行いません。
《お宮さんの今》
今年は壺井八幡宮と壺井権現社が今の綺麗なお社に復元修理をされて二十年という年です。先代宮司の父親が文字通り身命を賭して、また多くの氏子崇敬者の皆様のお力添えの御蔭で、この大事業が完遂しました。
さて、現在の両御本殿の屋根は檜皮(ひわだ・桧の皮)で葺かれています。この檜皮の屋根の耐用年数は、約三十年と言われています。幸い当社の場合は良い立地の為、カラス等の別の要因がなければもう少し大丈夫という見立てもできるようです。
しかしながら、危なくなってから慌てていてはいけません。江戸時代の様子に修復された御社殿を子の世代、孫の世代へと伝え続ける為にも、此の度「壺井八幡宮檜皮葺替奉賛会」を立ち上げ、十年後に着工できるように準備を始めることとなりました。
詳細は今後ご案内を致しますが、まずはお宮さんがこういう状況であるということをお知らせさせていただきます。
《今号の標語》
六合(くにのうち)を兼ねて(かねて)都(みやこ)を開き(ひらき)、
八紘(あめのした)を掩(おほ)ひて宇(いへ)に為(せ)むこと、
亦(また)可(よ)からずや。
『日本書紀』巻三(神武天皇)
【意味】
国の内をひとつにして都を開き、八方を覆うような大きな屋根の下で、国民がひとつになって平和に過ごすことは、またよいことではないか。
《壺井八幡宮 祭典予定》
【4月】
29日 昭和祭
【5月】
15 日 壺井八幡宮例大祭
【6月】
7日 弓馬術礼法小笠原教場奉納神事(予定)
30日 夏越の大祓式
【8月】
18日 源義家公式年祭
【9月】
1日 源頼信公 式年祭
【10月】
17日 壺井権現社例大祭
【11月】
3日 明治祭・源頼義公 式年祭