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詩と物語を紡ぎます

ヘリコプター

2017-11-24 23:50:00 | poem
     ヘリコプター



夜中だというのに、
先刻から自宅上空を、
ヘリコプターが飛んでいる。

もう二十二時は回ってるなんて、
知らん顔でそっぽ向いて、

弧を描き、
周期的に、
自宅上空を、
領空侵犯して、
ヘリコプターが飛んでいる。

と思ったら頭上に、
ばらばりばらばり、と静止して、
ばらばりばらばり、と五月蠅い、
【非常に】五月蠅い、
ヘリコプターが飛んでいる。

外に出て空見上げると、
ああ、蠅みたいな大きさで、
蠅みたいにしつこく、
自宅の上空に静止して、

(でもはえは)
(ほばりんぐは、しないのだ)

ヘリコプターが飛んでいる。

見た目は蠅みたいに小さくても、
ホントはでかいマシンだから、
しっしと手を振っても何処にも行かない、
始末に負えないヘリコプター、
は今尚静止していて、

(はえ、みたいく)
(ごがつのはえ、みたいく)

ばらばりばらばり、
いつまでも、
ばらばりばらばり、
頼むから、
ばらばりばらばり、
もう『帰ってくれ、ヘリコプター』と、
空に叫んで嘆願したが、

ヘリコプターは、
慇懃無礼な態度で聞き届けず、
今現在も、ホバリング、している



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written:2017/11/24

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