V=4/3πr³

詩と物語を紡ぎます

昨日の青空

2017-10-14 05:15:00 | poem

       昨日の青空



束の間、雨が止み、
束の間、傘を閉じる。

束の間、見上げる空は、
しばらく墨色が、続くらしい。



晩秋の雨は、
季節の慰み、

喧騒、と、
狂熱、とを、
洗い冷ます、

(ほら、こんなにも、やさしい)
(こんなにも、滲みてくる)

慈雨。



晴れに渇けば、雨に潤い満ち、
雨に浄められて、晴れに憩う。



――なのに何故、僕たちは、


……僕は、
雨を厭うた、のだろう?



一粒、一粒、
また、ひと粒と、

また、雨が落ちる。


見る見る、舗道を跳ねる、
雨、あめ、、AME、、、


再び開いた傘の上、
鈍色の雲を越えた向こう側には、

昨日の青空。


それは、
雨と雨の間で、

愛された記憶、から、
明日からの希望、と名を変えて、

洗われた僕たちに、
黄金色の祝福を、

温かな微笑みとともに、
注いでくれることだろう。



written,elaborated:2017/10/13〜14

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