ラヂオデパートと私

ロックバンド“ラヂオデパート”におけるギタリストとしての津原泰水、その幾何学的な幻視と空耳。

バラードな選曲

2009-09-15 09:22:00 | マルジナリア
 執筆と無関係でもない検索中、「J・G・バラード追悼」「セットリスト」といった言葉が並んでいるのを見つけ、思わず立ち止まったら翻訳家柳下毅一郎氏のブログだった。バラードファンが書いたりバラードの世界を想起させる曲をイヴェントで流した、という話らしい。面白いセットなのでまるまる引用させていただく。

"Atrocity Exhibition" Joy Division

"No One Driving" John Foxx

"Chemistry of a Car Crash" Shiny Toy Guns

"Me And J.G. Ballard" Dan Melchior's Broke Revue
"High Rise" Hawkwind

"Down in the Park" Marilyn Manson ft. Nine Inch Nails
"Doctor Jeep" The Sisters of Mercy

"Video Killed The Radio Star" The Presidents Of The United States Of America
"Enola Gay " Orchestral Manoeuvres In The Dark

"Hiroshima Mon Amour" Ultravox

 このたび初めて知ったが柳下氏は僕の一歳上で、まあ同世代。亡き宇山日出臣さんから「(貴方と同い年の)法月(綸太郎)さんはジョイ・ディヴィジョンへの思い入れが深いんだけど、津原さんは」と問われ、どういう意味合いの質問か理解できず、「New Orderでしたら広島で観ました」等と返事したのを思い出す。
 上のセットで僕が最も楽しめるのは、一部読者を落胆させそうだがプレジデンツ。身も蓋もなく肉体系(手仕事系)なもので。
〈ラジオ・スターの悲劇〉がバラードの「音響清掃」にインスパイアされていたとは知らなかった。読んだのに忘れてるし。勉強になりました。ところで何故プレジデンツ版?

 関係ないが柳下氏のブログを読んでいると、元々編輯者だからというのもあろう、交遊ぶりが華やかで感心してしまう。少々羨ましくもある。僕なんざ編輯者との打合せすら滅多にないから、ライヴがなかったりすると、会って話す人間は月に十人に満たない。練習で顔を合わせるラヂオデパートのメンバーもこの数に入っている。
 元々バラード信奉者でもある僕は、柳下氏が携わられた本を「けっこう持っている」方の人間だと思う。ファンと称して過言ではない。よって氏がハリィ・スティーヴン・キーラーの全作紹介――いや願わくば日本での全集上梓の偉業を、為し遂げられる日を心待ちにしている。
http://homepage3.nifty.com/yanasita/HSK/keeler.html

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